『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』オフショット © 練馬ジム | LINE マンガ・2025 映画「おっパン」製作委員会原田泰造主演、中島颯太(FANTASTICS)ら共演で、Z世代を中心に支持を集めた深夜ドラマを映画化した『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。
世間の古い常識や偏見で凝り固まり、家族からも会社からも敬遠されていた原田演じる“おっさん”・沖田誠が、中島演じるゲイの青年・大地と出会ったことをきっかけに、LGBTQ+や、推し活、二次元LOVE、メンズブラといった新しい“常識”へのアップデートを描いた本作で、ドラマに続いてメガホンをとった二宮崇監督が『映画 おっパン』に込めた思いを語った。
2024年1月に東海テレビ・フジテレビ系の土ドラ枠で放送されると、「TVer」初回再生回数が1週間で89万回を達成し、東海テレビ制作史上歴代1位(2024年1月当時)となる記録を打ち立てた「おっパン」。
「2024年日本民間放送連盟賞」においてテレビドラマ部門 優秀賞を受賞したほか、練馬ジムによる原作も国内累計閲覧数8,400万回以上(2025年3月時点)を誇るなど、社会的話題を集めた。そして映画化が発表された際には、Xでも関連ワードが複数トレンド入りし、大きな盛り上がりを見せた。
映画では、アップデート前に誠からパワハラと言える度重なる言動によって心を傷つけられ、退職していたかつての部下・佐藤(曽田陵介)が取引先相手として現れる。佐藤は誠たちに対する不信感によって、成立するはずだった契約を白紙にしてしまう。
誠は佐藤のもとへ謝罪に行くも、過去の因縁もあり門前払いに。自分が佐藤に対して過去に何をしてしまったのか、どうしても思い出すことができず、謝罪したくても取り合ってもらず、どうしたら良いか分からなくなっていた誠。
そんな過去の自分の過ちと向き合う誠だけでなく、ゲイのパートナーであるゆえに社会からの逆風を感じざるを得ない大地と円(東啓介)、何をしてもハラスメントと言われかねず、部下とも気軽にコミュニケーションを取ることができずに悩む美香(富田靖子)、自分の好きなもの・やりたいことに悩みながらも成長していく翔(城桧吏)や萌(大原梓)。
現代に溢れている様々な問題をあらゆる方向から扱いながら、ときにはコミカルに、ときにはハートフルに「おっパン」ワールドを描き出しているのが、二宮監督だ。今回の映画でも観る者の心を打つやり取りが何度も登場する。
二宮監督は演出する際に心がけていることについて、「自分がその立場に置かれたらどう感じるのかを深く考えて、扱う題材に対して神経質になりすぎないように気をつけているくらいです」と、肩肘張りすぎず現場に向き合っていることを明かす。
その中で、キャストと対話しながら進めることをとにかく大事にしているそうで、「おっパン」ファミリーの温かさやキャラクターの魅力は監督とキャストの信頼関係から生まれている様子だ。
映画撮影のクランクインの日には、各所から「お帰りなさい」という言葉が聞こえてきたそうで、ドラマから積み重ねてきた信頼関係を垣間見ることができる。
さらに二宮監督は「おっパン」という作品を、「『この人に対する対応はこれが正しい』という正解を伝える作品ではない」と捉えており、その上で「様々な人々を描いているので見る方によって感情移入できるポイントが違う映画になっています。こちらからメッセージを押し付けるのではなく映画を見た方の心にほんのちょっとで良いので『小さな気づき』として何か残ればと思って作りました」と映画に込めた思いを滲ませている。
映画公開前に放送されるスペシャルドラマでも二宮監督による演出のオリジナルストーリーが一夜限りで放送される。愛犬・カルロスがストーリーテラーを務める、楽しさ満載の新たな展開にも注目だ。
『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』は7月4日(金)より全国にて公開。
映画公開記念「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!SP」は6月28日(土)東海テレビ・フジテレビ系にて放送。
(シネマカフェ編集部)