Zepp Healthが、スマートウォッチブランド「Amazfit」からエントリー価格帯の新モデル「Amazfit Bip 6」を発売した。同社の直販価格は1万4800円と抑えられているが、上位モデルにも劣らない機能を備え、「Amazfit史上最高のエントリーモデル」をうたっている。
Amazfit Bipシリーズとしては、2023年に「Amazfit Bip 5」、2024年にアップデートモデルとなる「Amazfit Bip 5 Unity」を発売しているが、Amazfit Bip 6はこれらの後継モデルということになる。
●1.97型のAMOLEDディスプレイを搭載
本機のディスプレイは1.97型とやや大型化し、有機EL(AMOLED)へと変更された。常時表示にも対応し、最高輝度は2000ニトと非常に明るく、屋外での視認性も向上した。さらに、Bip 5 Unityでは非搭載だった環境光センサーを新たに備え、自動輝度調整にも対応している。
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本体はアルミ合金製で、背面は樹脂製だ。見た目にチープさはなく、3〜4万円のデバイスと言われても違和感はないほど質感が高い。側面には物理ボタンを2つ備え、上のボタンはホーム画面やアプリ一覧の表示、長押しで音声アシスタント「Zepp Flow」が起動する。下のボタンは初期設定では運動の開始に割り当てられているが、どちらもアプリから機能の変更が可能だ。
左側面にはスピーカーも内蔵しており、単体で音楽再生も可能だ。ただし、主にワークアウト時の音声ガイダンス用途と考えた方が良いだろう。なお、スピーカーに大きな開口があるが、5気圧防水に対応している。
背面センサーには、Amazfitブランドの上位モデルと同じ最新のBioTracker 6.0 PPGバイオセンサー(5PD+2LED)を搭載している。これにより、心拍数の精密モニタリングや運動データの計測、そして包括的な健康管理機能として、HRV(心拍変動)を含む睡眠の質や心身の回復度(レディネス)の数値化に対応した。
バンドは一般的なばね棒で簡単に着脱でき、今回は試していないが、幅22mmの市販のベルトと交換ができそうだ。
シリコン製のバンドは、余った先端を内側に差し込むタイプとなる。Amazfitを始めとして、スポーツタイプのスマートウォッチのバンドでは広く採用されているタイプだ。余った部分が邪魔にならないというメリットはあるのだが、腕がぬれていたり、慣れていなかったりすると装着に戸惑うこともある。とはいえ、装着感そのものは良好だ。
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●バッテリーはどれくらい持つ?
充電は専用ドックを使用し、ケーブル部分は上位モデルと同様に取り外し可能なUSB Type-C仕様となっている。ただし、USBケーブルは付属していないため、別途用意が必要だ。
バッテリーの持ちは、公称で通常使用で約14日間、ヘビーユースで約6日間となっている。実際に使ってみたところ、常時表示無効/睡眠計測/24時間の心拍計測/70分のウォーキング(GPS使用)/スマートフォンからの各種通知という使い方で1日あたり約10%のバッテリー消費だった。14日は無理そうだが、1週間は余裕で持ちそうだ。
なお、少し面白い機能として、その日の使用状況、例えば何回画面を表示したか、通知が何件あったか、通話を何分したかなどを確認できるようになっている。他のデバイスにもあったのかもしれないが、デフォルトの文字盤ですぐに確認できるのは便利だ。
●オフラインマップに対応
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デフォルトの文字盤では、歩数に加えて移動距離も表示されるようになっている。これは位置情報を利用しているわけではなく、歩数から移動距離を算出しているようで、車や電車などでの移動はカウントされない。もちろん、ランニングやウォーキングなどでGPSを利用する場合はその距離がカウントされる。
1日の移動距離をあまり気にすることはないと思うが、特に運動をせずに家の中をうろうろしているだけでも距離がカウントされるのは、運動のモチベーションを上げるのに有効かもしれない。
前モデルとは違い、Amazfit Bip 6はGPSを搭載している。GPS/GLONASS/Galileo/北斗/みちびきの5衛星位置測位システムに対応する。また、オフラインマップにも対応しており、運動中などに地図を確認できる。登山やトレイルランでもしなければ、あまり運動中に地図を確認することもないと思うが、旅行や出張などの宿泊先の周辺を軽くウォーキングする、ランニングする場合などには使えるだろう。
事前に設定は必要だが、ウォーキングやランニング、サイクリング、エリプティカル、ローイングマシンは自動検出も可能だ。この他、140種類以上のアクティビティモードに対応している。
●コンパニオンアプリは「Zepp」を利用
計測データは、スマホアプリ「Zepp」(Android 7.0以上/iOS 14以上)で管理する。表示に関しては、当然ながら上位モデルと同等だ。ただ、近い価格帯で以前に紹介した「Amazfit Active 2」とは違い、皮膚温度の計測には対応していない。ここはエントリーモデルなので仕方がないところだろう。
●音声アシスタント「Zepp Flow」に対応
Amazfit Bip 6は、OpenAIのGPT-4oを統合した独自の音声AIアシスタント「Zepp Flow」に対応している。AmazfitシリーズでZepp Flowに対応する最安モデルとのことだ。
Zepp Flowは、デフォルトでは上ボタンの長押しで起動できる。スマートウォッチで音声アシスタントを使う機会はあまりなさそうだが、使い始めなどで操作に不慣れな場合に音声で設定画面を開けるのは非常に便利だろう。もちろん、日常的にアラームの設定や天気の確認、メッセージへの返信(Androidのみ)などにも活用できる。
●まとめ
「Amazfit史上最高のエントリーモデル」をうたっている通り、前モデルで見劣りするポイントだった常時表示非対応やGPS非搭載といった点をしっかりと克服しており、約5000円高いAmazfit Active 2と比べても、見劣りしない機能を備えている。皮膚温度の計測に未対応など一部機能に違いはあるが、見た目の安っぽさもなく、丸いディスプレイと四角いディスプレイという好みで選んでも問題ないだろう。
非常にバランスの良いエントリーモデルとして、多くの人に勧められるスマートウォッチになっている。
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