※写真はイメージです 2023年7月末に未婚のまま出産し、シングルマザーとなった現役グラビアアイドル兼ライターの筆者(吉沢さりぃ)。
先日、自分の誕生日にお金をかき集め、母と息子と旅行に行ってきた。沖縄に行ったのだが生憎の雨続きで、ホテルのプールで遊んだり部屋でまったりすることが多かった。そんな中、テレビをみていた母が、子供を産まなかった著名人に対して「かわいそう」と発言した。
「なんでそう思うの?」と聞くと「え?」とキョトンとしていた。母に悪気はないようだが、子供がいない=かわいそうという考えらしい。それはあまりに「古臭い」と感じた。
◆出産して感じた「意外と子供を欲しがる人は少ない」
今年2月に日本大学の研究班が行った調査で15〜39歳の男女約4000人の52%が「子供はおらず育てたくない」と回答したという結果が大きな話題を呼んだ。
現在は少子化などが騒がれているが、筆者が子供を産んで何よりも感じたのは「意外と子供を欲しがる人は少ない」ことだ。
あくまで体感値だが、筆者の周りの独身女性に関しては8割ぐらい「本音としては子供は欲しくない」というタイプだ。今回は、そんな「子供が欲しくない」という2人の女性に詳しい理由を聞いてみた。
◆東京では世帯年収700万だと満足に子育てできない?
1年前に結婚したばかりの瀬野ゆなさん(29歳・仮名)は、「子供を全然欲しいと思えません」と話す。
「子供は嫌いではないのですが、周りの子持ちを見ていると、経済的にも精神的にもあまりにしんどそうで欲しいなんて思えません」
ゆなさん夫婦の世帯年収は約700万円。
「子供1人の衣食住だけなら可能でも、学業面で私立に行かせたり大学とか考えると、東京で700万円だともう満足に子供を育てられないイメージです。妊娠したら私は産休を取るわけだし、必然と収入は減ってしまうので」
また会社の子持ちの先輩たちを見て「ゲンナリすることが多い」ようだ。
「先輩が出産して戻ってきましたが、やっぱり元のポストに戻るのは難しいみたいで。産休・育休は取れますが、やっぱり陰口を叩く人もいる。復職しても、お子さんの都合で早退や欠勤することがあって、そのたびに『すいません、すいません』って頭を下げてて。ちょっと私にはできないなぁって」
そんなゆなさんが結婚に踏み切れたのは「旦那も子供が欲しくなかったから」だという。
「旦那は、馬車馬のように働いているのに結婚してから『経済的余裕がなくなった』と嘆いている同僚や男友達を見て『萎えた』と言っています。子供をのぞまず、夫婦2人で豊かな暮らしがしたいというタイプ。結婚したことも『半同棲だとコスパが悪いから』って感じです(笑)」
◆“寂しい老後”の方が気がラク
独身を貫いている滑川怜さん(31歳・仮名)も、子供が欲しくないと語る1人だ。
「姪っ子や甥っ子は可愛いけど……私はたまに可愛がって、お小遣いをあげて好かれる親戚のおばさんポジションがちょうどいいです」
容姿端麗な怜さんは、男性からのお誘いも「なくはない」というが「あまり興味がない」と話す。
「結婚を前提に真剣交際を申し込まれることもあるのですが、全くその気はないです」
怜さんは結婚も子育ても「怖い」というが、一体どういうことなんだろうか?
「いまは物価が高すぎて、東京なら相当収入がいい人と結婚しないと、“普通の暮らし”って無理な気がする。でも、田舎に引っ越すとか、貧乏暮らしに耐えるとかなると、相当好きな相手じゃないときついですよね。
真面目そうな人が性犯罪で捕まって実は妻子持ちだったとか、未成年の女の子がパパ活した、息子が稼いでると思ったら詐欺だったとか、最近そんな話ばかりじゃないですか。そうなった場合、私も家族として一生責任を持たなければいけない。ちょっと荷が重い。たとえ、寂しい老後になろうとも自分1人の面倒を見るだけって方が気がラクです」
また「恋愛も面倒」だという怜さんは、推し活に夢中なんだとか。
「誰かと食事したければ独身の友達でいい。性欲は女性用のそういうお店があるから、変に知人の男性と関係を持ってややこしいことになるよりお金を払って頼んだ方がいい。推し活も今の推しに飽きたら飽きたで、推す人なんて無限にいると思っています。今の推しには失礼だけど、ガチ恋や依存が強いわけでもないので」
◆子供がいなくても「かわいそう」ではない
筆者の周りの子供がいない女性たちもなんら「かわいそう」な様子はない。取材させてもらった2人と同様、仕事に邁進したり、推し活をしたり、夫婦2人でちょっぴり良い暮らしをしたりと、人生を謳歌している人たちばかりだ。
筆者は子供を望んで出産したが、それでも経済的にも精神的にも「しんどいな」と感じる場面は多い。子供を望むのも望まないのも人それぞれ。他人がどうこう言うべきことではないのだ。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720