51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ 現地時刻6月14日16時、2025年WEC世界耐久選手権の第4戦、第93回ル・マン24時間レースの決勝が、フランス・ル・マンのサルト・サーキット(正式名称:ル・マン24時間サーキット)で始まった。12時間が経過した時点では、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール/マット・キャンベル)が総合トップを走行している。
6時間経過時点では、トップから50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、83号車フェラーリ499P(AFコルセ)、6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)、51号車とフェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)のトップ4でフェラーリが優勢だったが、ちょうどこの時間から51号車、50号車、83号車の順で8回目のピットに入り6号車が首位に浮上する。
6号車は少しピットインを引っ張っていたためだが、6時間15分には入りフェラーリの1-2-3体制へ。しかし、先頭は50号車から83号車へと変わっている。トップ13台が同一周回で、LMP2クラスは48号車オレカ07・ギブソン(VDSパニス・レーシング)、LMGT3クラスでは46号車BMW M4 LMGT3(チームWRT)がレースを引っ張っている展開だ。
■鉄壁のフェラーリにミスとトラブル連発
ちょうど現地時間22時に日没を迎えて、空はほとんど暗くなっている。なお、トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)の8号車は6番手、7号車は16番手。佐藤万璃音が所属している95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)はコース脇にマシンを止めたまま。ダレン・ラーンにエンジン再始動の無線が入るものの動かすことはできず、メカニカルトラブルによりリタイアとなった。
6時間半にはインディアナポリスコーナーのブレーキングで16番手の35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)が前方の94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)に追突して94号車がスピンする場面もあった。
LMP2クラスは7時間に突入すると43号車オレカ07・ギブソン(インターユーロポル・コンペティション)が首位、48号車オレカ07・ギブソン(VDSパニス・レーシング)は2番手につけている。この2台はピットタイミングによりラップリーダーが入れ替わる状況だ。
ハイパーカーの2番手50号車はイエローフラッグ無視によりドライブスルーペナルティが課され、4番手まで落ちた。7時間47分には20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)のレネ・ラストが50号車をオーバーテイクして4番手に浮上。フェラーリ3台の鉄壁体制が崩れかける。
上位につけるタイミングもあった20号車だが、8時間が経った際の11回目のピットストップで速度違反があり、15秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが課されBMWは8-9番手に。その5分後にはアルナージュコーナーで83号車が飛び出し、首位は51号車に入れ替わった。
9時間目に入るタイミングではトップから51号車、83号車、50号車のフェラーリ499Pが上位独占。4・5番手は6号車と4号車のポルシェ963、6番手は15号車BMW MハイブリッドV8、7番手は8号車トヨタGR010ハイブリッドで、フェラーリとポルシェが強力。LMGT3クラスは92号車ポルシェ911 GT3 R LMGT3(マンタイ・ファースト・フォーム)が先頭を走る。
そのすぐ後には7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)の小林可夢偉がミュルサンヌコーナーの飛び込みで99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)をかわして15番手に浮上した。さらに、この際に51号車がピットインしたが、アウトラップで再度ピットイン。接触してタイヤにトラブルが起きたようで7番手までポジションダウンした。
9時間半には311号車がガレージにマシンを入れて5周ダウンで修復。さらに51号車は他車に接触したとして次回のピットストップで5秒加算のペナルティ、数分後にはピットレーン速度違反で20秒ストップペナルティも課された。10時間が経過するとピット作業違反で101号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラックWTR)に5秒ペナルティも出た。
■LMGT3首位のBMWロッシ組が大きくポジションダウン
10時間半にはLMGT3クラスの首位だった46号車のケルビン・ファン・デル・リンデがポルシェコーナーで飛び出し、グラベルにはまってコース復帰することができなくなった。クレーンで吊られてアスファルトまで戻りレースに復帰したが、クラス17番手と大きく順位を落としてしまった。
トップは21号車フェラーリ296 LMGT3(ビスタAFコルセ)、2番手は92号車ポルシェ911 GT3 R LMGT3(マンタイ・ファースト・フォーム)、3番手は87号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム)というオーダーだ。
ハイパーカーでは50号車にショートカットがあり、次回のピットストップで5秒加算のペナルティが課された。10時間12分が経過しようとした頃、24号車オレカ07・ギブソン(ニールセン・レーシング)がクラッシュしたことでこの日初めてのセーフティカーが導入された。
ピットレーン出口はクローズドではあるが、多くのマシンがタイヤ交換を行い、セーフティカーの後ろに着く。そんなSC中に93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)がピットに入ろうとした最終シケインでスピンする。
24号車の回収で50分ほどの中断を経てレース残り12時間9分を切ると再開。トップ3は15回のピットストップ回数で191ラップ目の6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)、2番手の8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)と3番手の83号車フェラーリ499P(AFコルセ)、トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)の7号車は11番手だ。また、18番手の101号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラックWTR)がコースサイドにマシンを止めている。
このレース再開からは上位12台が同一周回で、セーフティカーが入ったことによりギャップも縮まった。レース折り返し地点となるが、まだバトルは激しく行われている。
LMP2クラスは48号車オレカ07・ギブソン(VDSパニス・レーシング)、9号車オレカ07・ギブソン(アイアン・リンクス・プロトン)、43号車オレカ07・ギブソン(インターユーロポル・コンペティション)と続く。
LMGT3クラスは92号車ポルシェ911 GT3 R LMGT3(マンタイ・ファースト・フォーム)、81号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ)、78号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム)のトップ3だ。
木村武史の57号車フェラーリ296 GT3(ケッセル・レーシング)は15番手、佐藤万璃音が所属している95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)は上述の通りリタイアとなった。
[オートスポーツweb 2025年06月15日]