「過激なことを求められることも」29歳元局アナタレントが明かす苦悩とは

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2025年06月15日 16:20  女子SPA!

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 話題となったWEBTOON「年下童貞くんに翻弄されてます」の実写ドラマが、現在MBS ドラマ特区枠で放送中です。性に奔放な大人女子と年下チェリーボーイのハートフルな甘々ラブコメディが繰り広げられています。

 性に奔放で、男を翻弄し続ける最高ビジュアルの持ち主・今井花恋役を、フリーアナウンサーの森香澄さん(29歳)が好演。花恋が繰り出す“あざとテク”も見逃せないですが、誤解されがちなキャラクターに共感すると森さんは言います。

 フリーアナウンサー・タレントになって2年。MCや女優としての頭角も現している森さんに作品こと、仕事のことなどを聞きました。

◆“誤解されやすい部分”に共感しながら演じた

――インパクト大のタイトルや物語について、最初の感想はいかがでしたか?

森香澄(以下、森):題名を聞いたときは率直にびっくりしましたが、読み進めていくとラブコメではあるものの、意外とハートフルな内容なので、ヒューマンドラマの一面もあるなという印象を受けました。とはいえ、タイトルのポップさは残っているので、コメディの側面ももちろんあり、作品を通していろいろな要素があるなと、原作と台本を読み思いました。

――演じる今井花恋は、性に奔放で、男を翻弄し続ける最高ビジュアルの持ち主です。

森:花恋は、1話・2話では恋愛について軽く考えていて自由奔放な性格で、性についても奔放な女性なので、誤解されがちなんですよね。一見すると軽いと思われるところがあるのですが、実際にはいろいろな過去があり、それを鎧のように抱えているところがあるので、共感しながら演じることができたなと思います。

――ある意味では、ご自身とは遠くはなかったという。

森:わたし自身もテレビに映るキャラクターから誤解されることがあるので(苦笑)、そこは花恋と重なるなと思って演じていました。また、花恋は、自分をしっかり持って自分の意思で動いているので、まわりに流されないんです。なので、花恋を見習いたいと思うところもありました。

◆チェリーボーイに翻弄される演技は「難しかった」

――その花恋を翻弄するチェリーボーイ・堂前帝都役の柏木悠さんとの共演の感想はいかがですか?

森:柏木さん、10個下なんです(笑)。10個下の男性と普段あまり関わることがないので、どういう環境で生きてきたのだろうかと、わからなすぎて最初は「大丈夫かな?」という不安がありました。でも現場をすごく和ませてくれて、いろいろと助けていただきました!

――今回のドラマ、俳優として何か学びや気づきなど、全体的な感想はいかがですか?

森:今回はラブコメなので、胸キュンなシーンが多いんですよね。花恋は翻弄される役なので。帝都の男らしい一面が見えたときに、ドギマギするみたいな演技も多かった。そこは一番共感を呼ぶところなので、上手く描きたいと思い、監督と相談しながら目線の動きなども工夫しながら撮影しました。ラブストーリーでありコメディなので、表情のバリエーションも必要で。難しいと思いながらも楽しく演じました。

――彼女のように翻弄される気持ちは、同じ女性としていかがですか?

森:学生時代の恋愛ですが、年上の方に翻弄された経験がまったくないわけじゃないので、まったく想像できないことはなかったのですが、確かに表現するとなると難しさはありました。むしろ年齢を重ねるごとにあんまり翻弄されたくないというか(笑)、自分の芯を持っていたいと思っているタイプなので、翻弄される演技は難しかったかもしれないです。

◆自分自身が崩壊してしまいそうな難しい仕事

――やはりテレビ東京を退社され2年が経ち、そういう強さも身につけようとされているのかもしれない。

森:そうですね。いろいろと言われることも多いので、芯を持っていないとブレブレになっちゃうなと思います。それは世間の声だけでなく、番組制作側に求められること、共演者に振られることもそうなのですが、すべてバランスを上手く取らないと、自分自身が崩壊してしまいそうな難しいお仕事だなと。世間や周囲から求められていることをやっているだけではダメですね。

なので、「これは求められてもやらない」「ここはある程度やってもいい」と、自分の中でのルールや芯を持っているほうが、自分を守ることにもなるので大事だなということは、この2年で感じています。

――アナウンサーだったら、会社員だからという線引きがありますよね。

森:会社員だとある程度守られているけれど、今度は自分で自分を守らないといけないんですよね。でも最初は、それをラクだなと思っていたんですよ。アナウンサーという肩書がなくなり、自分の発言や行動で会社に迷惑がかけることもない。全部自分で責任をとるほうがが、わたしにはラクでした。今でもそう思うのですが、自分を自分で守らないと誰も守ってくれないというということでもあるので、自分の芯を持つようにしているんです。

◆話題性のために過激なことを求められる場面も

――その芯とは、森さんのイメージである「あざとかわいい」も含めての“らしさ”でもある思いますが、具体的に気をつけていることはありますか?

森:人を傷つけないことです。発言がネットニュースになりそうな質問が飛んできたり、話題性のために過激なことを求められる場面もたくさんあります。それで自分が炎上するかもしれないという心配ではなくて、それを言ったことで誰かが傷付いちゃうことが困る。それは意識して発言するようにしています。

――難しいですよね。いつも無難なことを言うわけにもいかないですし。

森:たとえば地域をディスるということはあんまりやりたくないんです。よく埼玉県出身の方が埼玉を下げるようなこと言うことがありますが、それは自虐だからいいと思うんです。でも東京出身のわたしが下げるようなことを言ってはいけないじゃないですか。関係ないから、ただの悪口ですよね。ブレずにそういう意識を持つことが、一番の芯かなと多います。

――それこそアナウンサーらしい心がけですね。

森:かもしれないですね。もともとテレビの仕事だから、テレビにしか出ていないじゃないですか。不特定多数の人が観る媒体で仕事をしてきたので。しかもわたし目当てでみなさんが観ている場所でもないので、誰かを傷付けてはいけないですし、人を食ってまで発言してはいけないと、気を付けていました。

◆30歳を前に「年齢には囚われたくない」

――まもなく30歳のお誕生日を迎えられますが、思うことはありますか?

森:10代の頃、学生の頃は、30歳までに結婚しているかなあとか、いろいろと考えましたが、実際にそういう年齢になると、あんまり年齢に囚われたくないと思っています。

普段、年齢のことを言われることも多いんですよ。TiKTokなど若い世代がやっているツールを使っていることもあり、「え!? 森香澄ってもうアラサーなの?」とか「20代前半かと思っていた!」というポジティブな意見もあれば、「おばさんじゃん!」みたいなことを言われることもある。

みんな年齢に対してそれぞれコンプレックスがあったり、捉え方があるからこそ、わたしはそこにあんまり囚われたくないなと思うんです。

自分が29歳だろうが30歳だろうが、実はやっていることはあまり変わらなくて。体の変化は感じますし、結婚して子どもがほしいと思ったら、そのリミットはあると思いますが、お仕事では関係ないですよね。もちろん30歳で学生の役は難しいけれど、全部のお芝居がまったくできないわけではないじゃないですか。

あのちゃんが年齢非公表にしているので、みんなあのちゃんのことを年齢で見ないじゃないですか。それ、いいなと思って。今からでもしたいくらいなんですけど、わたしの場合アナウンサーからスタートしているので無理なんですよね(笑)。

年齢には縛られたくないと最近特に思っているところなので、気づいたら31歳になった、みたいにあんまり気にせず進みたいです。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

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