
Xユーザー・ニコっちょさん(@nico_nyanko_kg)さん夫婦は、それまで動物と暮らした経験はありませんでしたが、「いつか一緒に暮らせたら」と話していたといいます。転機が訪れたのは、2022年のこと。飼い主さんの仕事がフルリモートになり、「いまならお世話ができる」とご縁を探し始めました
「保護猫シェルターのホームページで見つけたのが、当時生後推定1カ月ほどのニコです。段ボールに入れられて畑に捨てられていたところを、ホストファミリーさんの息子さんが偶然見つけて保護してくれたと聞きました。『この巡り合わせは運命かも!』と思い、お迎えを決めました」
看病の日々を越えて芽生えた“強い覚悟”
ニコくんをお迎えした当初、飼い主さん夫婦を待っていたのは、毎日の看病でした。
「ニコはお腹を壊していて、そこから風邪や真菌と病気が続きました。特に真菌は完治まで3カ月ほどかかって、体を拭いたり、ケージや部屋を除菌したりと、必死でお世話をしました。私の手もボロボロになってしまいました」
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初めての猫との暮らしに、いきなりの試練。それでも、そこで得たものはとても大きかったといいます。
「この経験があったおかげで、少々のことでは動じなくなり、『何があっても全力でお世話する!』という覚悟が生まれたように思います」
そして、ニコくんとの生活は、夫婦の毎日を自然と変えていきました。
「リモートワークでオンとオフの切り替えが曖昧になっていましたが、ニコのご飯の時間に合わせて早起きしたり、お世話のために仕事を切り上げたりすることで、生活リズムが整いました。以前は旅行が好きでしたが、今では遠出も控えるようになりました。ニコが生活の中心になっています」
神経質だと思っていたけれど…“甘々猫”への変化に感動
小さかったニコくんは、すくすくと成長し、今では2歳になりました。
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「小さい頃からイタズラが大好きで、引き出しや扉を開けて中身を出すのが得意だったんです。最初は家中が散乱して大変でしたけど、硬い箱や小さな引き出しに変えたら、部屋がすっきりとシンプルになりました。ニコのおかげで、まるでミニマリストみたいな生活になったんです」
その賢さはイタズラだけにとどまりません。「試しに“お手”や“ハイタッチ”を教えたら、すぐに覚えてくれて。賢いなあって、毎日感心してました。すごく嬉しかったです」
しかし、ニコくんは当初、甘えん坊な一面を見せることはあまりありませんでした。
「撫でようとすると噛むし、抱っこしようとすると逃げちゃって。キジトラは神経質か甘えん坊のどちらかって聞いたことがあって、ニコは神経質なタイプなのかなと。『このままずっと距離のある関係かも』と、ちょっと寂しく思っていました」
そんなニコくんの振る舞いに変化が訪れる出来事がーー
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「保護猫の『のい』ちゃんをお迎えしたら、ニコが猫同士で遊びながら加減や接し方を学んだみたいで、噛み癖が徐々になくなったんです。ある日、突然膝に乗ってきたり、ヘソ天でお腹を撫でさせてくれるようになったんですよ。本当は甘えたがりな子だったんだなって、すごく嬉しくなりました」
今、ニコくんは時に“重めの愛”をガブッと表現することもありますが、飼い主さんはそんなニコくんを温かく見守っています。
「お迎えした当初は真菌の治療もあって、あまり構ってあげられなかったんです。それでもニコはいつもそばにいてくれて。これからはこの愛をしっかり受け止めて、思う存分甘えさせてあげようと思っています」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)