トヨタの平川亮が首位疾走も、夜明けにフェラーリが凌駕。1-2-3を再形成/WEC第4戦ル・マン決勝18時間後

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2025年06月15日 17:10  AUTOSPORT web

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51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ) 2025年WEC第4戦ル・マン
 6月14日のフランス時間16時にスタートしたWEC世界耐久選手権第4戦/第93回ル・マン24時間は、レース開始から18時間が経過。首位はフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499P(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ)となっている。

 レースは12時間が経過するころ、LMP2マシンのクラッシュによって今大会1度目のセーフティカー(SC)が導入。ハイパーカークラスは、上位に各種ペナルティなども課されていたもののギャップが帳消しとなり、同一周回内のトップ12台がノーギャップで総合首位争いを繰り広げていった。


■8号車トヨタの平川が首位争いを展開

 11時間52分経過のころにリスタートが切られ、まずはトップ6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が隊列のリードを開始。2番手には平川亮がドライブする8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)、3番手には83号車フェラーリ499P(AFコルセ)が続くトップ3となる。

 背後には、15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)がつけるトップ7がリードグループを形成。その後ろの5号車ポルシェは、スローゾーン時の違反によるドライブスルーペナルティが課せられ、ギャップが開いた状態となった。

 その後、12時間25分経過のころ、リスタート以降最初のルーティンピットのタイミングへ。ここでは6号車ポルシェはタイヤ交換を要したために5番手にダウンし、ピットアウト後には8号車トヨタが首位に浮上し、83号車フェラーリが追いかける。

 以降も2台は僅差で周回を重ねたが、ユノディエールの第2シケイン進入で83号車フェラーリのイェ・イーフェイが、8号車トヨタの平川に仕掛けてトップに立った。さらに3番手からは51号車フェラーリが、15号車BMWを振り切って猛追。3台が僅差で周回を重ねる。

 約13時間時点のピットタイミングでは、近いギャップの中で8号車トヨタが5番手にダウンし、51号車フェラーリが2番手に浮上。さらにピットアウト後の3番手争いで、50号車フェラーリのミゲル・モリーナが6号車ポルシェ963のマット・キャンベルを攻略し、フェラーリがワン・ツー・スリー体制を築いた。

 その後、14時間時点のルーティンピット時には8号車トヨタがポジションを回復し、50号車フェラーリの前へ。トップ3を占めるフェラーリの牙城に切り込んでいく。

 15時間経過直前には、2番手の51号車フェラーリのジェームス・カラドがスパートをかけ、首位83号車フェラーリのフィル・ハンソンに接近。このタイミングでGTクラスのマシンが停止し、3度目のフルコースイエロー(FCY)が導入され、解除後にインディアナポリス手前で首位が入れ替わった。


■フェラーリ499Pがふたたび1-2-3形成

 15時間が経過して現地時間7時を迎えると、朝日が昇って空が明るみ始める。首位を争う51号車フェラーリのジェームス・カラドと83号車フェラーリのフィル・ハンソンは、数秒差をキープしながら周回。

 その後ろでは、3番手を争う8号車トヨタのセバスチャン・ブエミと50号車フェラーリのニクラス・ニールセンも僅差の争いを展開し、15時間15分経過時点で同時にピット作業へ向かった。

 ここで、50号車フェラーリは給油のみでスムーズにコースイン。一方、8号車トヨタは、タイヤ交換で右リヤタイヤの交換でタイムロスし、5番手にダウンしてしまった。

 さらに16時間経過頃には、長らくガレージでピット作業を行っていた311号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレン)がコース復帰を果たしたが、あえなく第1コーナーアウト側でトラブルによりストップ。

 311号車の停止でイエローゾーンが出た際、3周ほどピットタイミングが遅れていた5番手の6号車ポルシェがピット作業を実施。3番手を争っていた50号車フェラーリと8号車トヨタの前に出て、表彰台圏内にジャンプアップに成功する。僅差で並ぶフェラーリ2台とは約40秒差だ。

 以降、陽が昇ったころに各車はドライバー交代も実施し、ペースを上げながら周回を重ねていく。首位51号車フェラーリのアントニオ・ジョビナッツィと83号車フェラーリのロバート・クビサは、3秒以内の僅差を保ってワン・ツーを維持。3番手6号車ポルシェのマット・キャンベル、50号車フェラーリのアントニオ・フォコ、8号車トヨタのブレンドン・ハートレーは各車10秒間隔を保っての周回が続く。

 17時間経過直前には、上位陣が揃ってピット作業を行っており、50号車フェラーリが6号車ポルシェをアンダーカットして3番手に浮上。ふたたびフェラーリがトップ3を占め、6号車ポルシェと8号車トヨタが

その後、36号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)がミュルサンヌのグラベルにストップし、4度目のFCYが導入。さらに17時間15分経過時にはデブリ回収のために5度目のFCYが入ったが、どちらも上位勢に大きな影響はなかったようだ。

 17時間30分から40分の間には、上位勢がふたたびルーティンピットへ向かい、ポジションキープでコースに復帰している。18時間経過時点での首位は51号車フェラーリで、2番手の83号車フェラーリとは約7秒差。そこから30秒差の3番手に50号車フェラーリ、14秒差で6号車ポルシェ、さらに45秒差の5番手には8号車トヨタがつけている。18時間時点で各車のピットタイミングに大きな差はないが、このなかで遅めのピットインを行っている6号車ポルシェは、1スティントで1周多く周回しており、ラストスティントへの影響には注目したいところだ。

 一方、7号車トヨタGR010ハイブリッドは、夜明けのSC解除時にはトップと同一周回の12番手につけていたが、以降小林可夢偉、ニック・デ・フリース、ふたたび小林と繋いで現在8番手を走行中だ。


■LMGT3はポルシェが、LMP2はインターユーロポルが勝利へ前進

 LMGT3クラスはレース折り返しのSCラン解除後から、92号車ポルシェ911 GT3 R LMGT3(マンタイ・ファースト・フォーム)、21号車フェラーリ296 LMGT3(ビスタAFコルセ)、81号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ)がトップ争いを展開。

 夜間走行中、92号車ポルシェと21号車フェラーリは僅差を保ちつつバトルを続け、81号車シボレーは徐々にギャップが開いていく。

 その背後では、78号車、87号車の2台のレクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム)と、27号車アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3(ハート・オブ・レーシング・チーム)がバトルを繰り広げた。そんななか87号車レクサスは、他車との接触でドライブスルーペナルティを受けて後退してしまう。

 以降、夜が明けてからは、2番手21号車フェラーリや81号車シボレーは、ブロンズドライバーにスティントを任せるタイミングを挟む。一方で、2024年大会ウイナーのリヒャルト・リエツ、リカルド・ペーラと繋いだ92号車ポルシェがリードを拡大。

 18時間が経過した現地10時の時点では、92号車ポルシェが2番手21号車フェラーリに約1分のリードを築いている。3番手は、27号車アストンマーティン、81号車シボレー、87号車レクサスが争っている状況だ。

 なお、佐藤万璃音が乗る95号車マクラーレン720S LMGT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)は、レース序盤にマシントラブルによりリタイア。木村武史が乗る57号車フェラーリ296 LMGT3(ケッセル・レーシング)は、ピットレーン速度違反のドライブスルーペナルティや、駆動系トラブルの対処でロスがあり、2周遅れのクラス10番手を走行している。

 そして、オレカ07・ギブソンが競うLMP2クラスは、レース折り返しのSCラン解除後から、VDSパニス・レーシングの48号車が、AO・バイ・TFの199号車を振り切って首位をキープ。

 しかし、夜間走行中に2024年大会ウイナーであるインターユーロポル・コンペティションの43号車が追い上げ、VDSパニス・レーシングの48号車に迫ると、夜明け頃に首位が入れ替わった。

 その後は、ピットタイミングごとに2台が首位を入れ替える展開が続いた。そのなか、17時間20分が経過したころに、43号車が首位をキープしたままにピット作業を済ませることに成功し、以降ギャップを築き始めている。

 首位43号車と2番手48号車の差は半周差。3番手にはIDECスポールの28号車がつけているが、2台とは1周差が開いている状況だ。3番手にはAO・バイ・TFの199号車がつけている。

 レースは残り6時間のラストスパートへ突入する。24時間レースの終わりを告げるチェッカーフラッグは、現地時間16時(日本時間23時)に振られる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年06月15日]

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