廃部の日大アメフト部が復帰「所属は2部」違法薬物事件の2年後…甲子園ボウル出場は最短2年後

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2025年06月17日 22:04  日刊スポーツ

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日本大学本部(2023年12月撮影)

違法薬物事件を2023年に起こして廃部になっていた日本大(日大)アメリカンフットボール部が、消滅から1年半で復帰することになった。17日、関東学生連盟(関東学連)が臨時理事会を開き、大学側から出されていた再加盟申請を審議、承認した。今秋の公式戦から出場可能となる。所属するカテゴリーは、最上位から3番目の2部に決まった。大学日本一を決める甲子園ボウルに挑めるのは、最短で2年後となる。


日大の競技スポーツセンターから2月19日付で申請があった「日本大学アメリカンフットボール有志の会」の新規加盟について、関東学連は「有志の会の新規加盟を認める」ならびに「所属リーグは2部とする」と決議。現在は同好会のため「早期の競技部への移行を望む」とも付帯された。


日大アメフト部を巡っては、寮に住む部員が違法薬物所持で23年8月に逮捕されたことなどを受けて、同年12月15日付で廃部になった。1940年(昭15)創部で、甲子園ボウルで関東最多21度の優勝を誇った名門フェニックス(不死鳥)が84年の歴史に幕を下ろしていた。翌24年2月に関東学連からも退会していた。


その3カ月後の5月からは、薬物検査で陰性となるなど一定の条件を満たした元部員、新入生が、発足した後継チーム「有志の会」として活動は継続。同校OBで、在学中に甲子園ボウルと全日本選手権ライスボウルともに3連覇を果たした名クオーターバック(QB)の須永恭通氏が、監督代行として指導してきた。


大学側も25年度以降の部新設を検討し「学生と教職員が一丸となって、創部が許される環境を作るために努力していきたい」としていた。加盟申請は今年2月に提出。受理した関東学連は活動状況を確認し、指導者や選手とも面談して加盟可否を判断する方針を固めた。今月11日も理事会を開いたが新旧理事の意見がまとまらず、この日に結論は持ち越されていたという。


関東学連のTOP8(1部上位リーグ)から降格した後に廃部。その後は、BIG8(1部下位)か2部か3部か、どのカテゴリーで復帰するか水面下で模索されてきた。原則「初年度は準加盟で3部から」となるはずが、レベル差が大けがに直結しかねないコンタクトスポーツのため、慎重に検討が重ねられてきた。


チームとしては今年4月に初めて有観客の交流戦に出場し、関東王者を粉砕した。昨季の全国大学選手権決勝(甲子園ボウル)で準優勝した法政大(法大)に41−0の圧勝。同好会であり「フェニックス」と名乗れない状態ながら、昨年の関東1位チームに大勝した衝撃は大きかった。変わらぬ強さと復活への意欲を印象づけていた。【木下淳】


<日大アメフト部の経過>


▼23年7月 大学側の調査で寮から植物片など発見


▼8月 3日に警視庁が寮を家宅捜索。5日に警視庁が3年生部員を逮捕。無期限活動停止、学生寮閉鎖


▼10月 警視庁が新たに4年生部員を逮捕。最終的に卒業生も含め11人が立件


▼12月 大学の臨時理事会が開かれ、廃部が決定


▼24年2月 関東学連から脱退


▼3月 部の創設を見送り、関東学連に24年度の加盟申請をしなかったと発表


▼4月 中大アメフト部でヘッドコーチを務めていた、日大OBの須永恭通氏が指導責任者に就任


▼5月 有志の会が発足


▼25年2月 関東学連に再加盟申請


▼25年6月 復帰が決定

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