画像提供:マイナビニュース○A:今年の秋に登場予定の新しいOSが発表されました。異なるApple製デバイス間で共通する部分が、これまで以上に多くなりそうです
WWDCはWorldWide Developers Conferenceというイベント名の頭文字をとった名称で、日本語では「世界開発者会議」となります。Apple製品向けのアプリやサービス、周辺機器などをつくる開発者を対象とした毎年恒例のイベントですが、例年、開発者でないユーザーにとっても重要な発表があるため、注目を集めます。
○WWDCの基調講演、今から見られる?
今年開催されたWWDC25の基調講演では、今秋登場予定の新しいOSが発表されました。
基調講演の配信が始まったのは、日本時間の6月10日午前2時でした。リアルタイムで視聴するにはちょっとつらい時間帯でしたね。
でも興味があれば、以下のような方法でいつでも見ることができます。以下の3つの図はいずれもMacですが、iPhoneやiPadでも同様です。
毎年、WWDCは1週間開催されます。基調講演で発表された内容も踏まえて、使いやすく信頼性が高く美しいアプリやサービスなどを効率良くつくるにはどうすればいいか、また秋に登場する新しいOSに対応するにはどうするかを、開発者はこの1週間で学ぶことができます。
そのような内容の開発者向け動画も「Apple Developer」アプリで公開されていますので、関心のある方は視聴してみてください。
○Apple製品ならではの一貫性
今年のWWDCの基調講演は、ほぼ全編がOSに関する内容でした。
Apple製のハードウェアにはiPhone、Apple Watch、Apple TV、Mac、Apple Vision Pro、iPadがあり、それぞれのOSもAppleがつくっています。
例えばiPhoneという1つのデバイスだけをとってみても、ハードウェアとOSの両方をAppleがつくっていることにより、両方の性能を最大限に引き出し、ユーザーにとって使いやすいデバイスになっています。さらに各デバイスのハードウェアとOSもAppleがつくっているので、共通点が多く連係もしやすい。これがApple製品の大きな強みです。
各デバイスのOSについて「ネーミングの一貫性を高める」として今秋の新バージョンからバージョン番号を統一するのも、その表れのひとつだと思います。
○複数のOSに共通する内容がたくさん
基調講演は約1時間半あり、冒頭では全OSに共通する新デザインの「Liquid Glass」が紹介されました。
以下の図はAppleの米国のサイトに掲載されているiOS 26の紹介ページですが、ほかのOSもこのデザインになります。
「Liquid Glass」の紹介の後、一つひとつのOSの最初にiOS 26が取り上げられました。
iOS 26の紹介は約30分間。その後の各OSは10分未満で、最後に取り上げられたiPadOS 26のみ10分を少し超える程度でした。
これは、iOS 26にだけとても重点が置かれていたということではないと思います。iOS 26で紹介した内容の多くがほかのOSにも共通するので、最初に説明してその後はさっと触れる程度という流れだったのです。
例えば「メッセージ」「FaceTime」「電話」アプリで使えるライブ翻訳の機能もそのひとつです。
画面の見た目や操作の感覚、使える機能がこれまで以上に一貫性のあるものになり、複数のデバイスを行き来して使う上ではありがたいアップデートになるのではないかと楽しみにしています。
【今回の余談】
この記事はWWDCの基調講演、およびその直後にAppleのサイトでプレビューされた内容に基づきます。今秋の正式版リリース時までに変更があるかもしれませんのでご了承ください。
本文では触れませんでしたが、iPadの使い勝手がどうやらMacに近い感じになりそうで、これも気になりますね。
それでは次回も、よろしくお願いします。
小山香織 ライター、インタビュアー、翻訳者、トレーナー。Apple 製品やビジネス系アプリケーションなどに関する著書多数。近著に『iPadマスターブック 2024-2025 iPadOS 17対応』(マイナビ出版)。マイナビニュースでは連載「iPhoneユーザーのためのMacのトリセツ」のほか、インタビューや取材記事を執筆。 この著者の記事一覧はこちら(小山香織)