新幹線で往復1万円以下! JR東日本初のタイムセールで初夏の山形を訪れた【レポート】

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2025年06月18日 14:20  TRAICY

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JR東日本は、5月に同社初となる新幹線のタイムセールを実施した。初日にはアクセスが集中し、「えきねっと」につながりにくくなるほどの盛況ぶりだった。それを受けて、同社は方面ごとに予約ができるように発売開始日を変更した。筆者は、このタイムセールを利用して山形新幹線で山形へ行くことにした。

筆者が乗車したのは、6月上旬の平日、東京駅午前11時発の「つばさ135号」。使用車両は、2025年度中の引退が発表されているE3系だった。「つばさ」は、東京〜福島駅間でE5系「やまびこ」と併結して運行されている。「やまびこ・つばさ135号」は、午前10時48分ごろに入線。折り返しの清掃作業を経て、車内への案内が始まったのは10時55分ごろ。作業の手際の良さには、いつもながら感心させられる。そして、列車は定刻どおり午前11時に出発した。

東海道新幹線などでよく見かける訪日外国人観光客の姿は、「つばさ」ではほとんど見られなかった。東北地方を訪れる外国人観光客が少ないという現状を裏付けるようだった。

筆者が乗車した15号車の大宮駅出発時の乗車率は5割ほど。一方、後方の12・13号車は7〜8割ほどの乗車率で、やや混み合っていた。特に山形駅で降りる場合は、17号車寄りのホーム端に改札があるため、便利である。

車中では、筆者のお気に入りの駅弁「牛肉どまん中」を味わった。米沢駅の名物弁当で、近年は全国的にも知名度が高まっている。東京駅でも「駅弁屋 祭」や「駅弁屋 踊」で購入でき、価格は1,480円(税込)。

[caption id="attachment_341615" align="alignnone" width="900"] ▲牛肉どまん中は東京駅などでも購入できる。価格は1,480円(税込)[/caption]

福島駅では後ろ10両の「やまびこ」が切り離され、「つばさ」はそのまま山形方面へと向かう。終点・山形駅には定刻の午後1時44分に到着した。

山形駅からはレンタカーを利用し、県内各地を巡ることにした。最初に訪れたのは、大石田町にある「最上川千本だんご」。平日ということもあり、待ち時間なく入店することができた。

[caption id="attachment_341614" align="alignnone" width="900"] ▲「くるみだんご」と「ずんだんだんご」、各245円(店内飲食、税込)[/caption]

続いて訪れた尾花沢市の銀山温泉は、冬の雪景色がSNSなどで話題となり注目を集めた温泉街。6月は閑散期で人も少なく、新緑に包まれた街並みをゆっくり散策できた。なお、日帰り入浴は多くの施設が昼過ぎに営業を終えるため、早めの訪問がおすすめだ。

夜は山形市内に戻り、山形を代表するブランド牛である米沢牛をいただいた。上質な肉質と豊かな風味が印象的であった。

[caption id="attachment_341619" align="alignnone" width="900"] ▲「米沢牛 登起波」の名物すき焼き[/caption]

翌日は車で鶴岡市へ。最初に訪れた加茂水族館は、世界最多のクラゲ展示で知られ、巨大な水槽に漂うミズクラゲは圧巻だった。続いて出羽三山の羽黒山へ。杉並木に囲まれた国宝・五重塔は荘厳な雰囲気を放っていた。

[caption id="attachment_341620" align="alignnone" width="900"] ▲加茂水族館の「クラゲドリームシアター」[/caption]

[caption id="attachment_341621" align="alignnone" width="900"] ▲羽黒山 五重塔は出羽三山神社の境内にある[/caption]

復路では、山形駅午後5時5分発の「つばさ154号」に乗車した。使用車両は往路と同じくE3系だった。なお、新型車両のE8系に乗車したい場合は、E8系での運行列車をJR東日本がウェブサイト上で公表しているので、予約前に確認するのをおすすめする。

列車は定刻どおりに山形駅を出発したが、東北新幹線の先行列車遅れの影響で、福島駅にはおよそ10分遅れて到着。E5系「やまびこ154号」との連結作業を行い、終点・東京駅には同じく約10分遅れの午後7時58分ごろに到着した。遅れの影響により、到着ホームは通常とは異なる20番線だった。

こうして、1泊2日の山形旅行を終えた。山形の観光地では外国人観光客の姿は少なく、静かに楽しむことができた。もちろん閑散期の平日という要因もあるが、全国の人気観光地が外国人で混雑している現状と比べると対照的だ。魅力的な観光資源を有しながら、活用しきれていないのはもったいない。観光客の地域分散は、日本の観光の将来にとって重要な課題だと感じた。

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