キャラミ・グランプリ・サーキットは南アフリカのヨハネスブルグ郊外に位置する タイが2028年までにF1世界選手権に加わる準備を進めているなか、南アフリカではヨハネスブルグ郊外の歴史あるキャラミ・グランプリ・サーキットが、6月17日火曜に、F1レース開催に必要なグレード1の認定をFIA国際自動車連盟から受けるべく、サーキットの改修工事を間もなく開始することをアナウンスした。
サーキットで行われた記者会見で、オーナーのトビー・ベンターと、イギリスを拠点とするエーペックス・サーキット・デザインの創業者兼ディレクターであるクライブ・ボーエンは、最終的にFIAから会場の改修デザインの承認を得ることになった、5年にわたって進められた計画の詳細を述べた。ちなみに、エーペックス社は有名なサーキット設計事務所であり、すでにマイアミ市内のハードロックスタジアム敷地内にストリートサーキットを設計した実績がある。
キャラミがグレード1を取得できていなかった主な問題は、2カ所のコーナーに適切なランオフエリアがないことと、ランオフエリアを増やすためのスペースがないことだった。
今回FIAとの長い協議を経てランオフエリアの設計変更が承認されたため、現地の冬季シーズン終了後、数カ月以内に再建作業が開始される予定だ。2028年末までにすべての作業を完了させることが目標となっている。
この目標は、その後キャラミが2029年からグランプリ開催に立候補することを示唆しているようだ。他のふたつのアフリカのプロジェクトは少々行き詰まっているように見える。現在ルワンダは深刻な安全上の問題を抱えているため、F1を開催するのは賢明ではないし、モロッコはまだ計画のごく初期段階にある。
歴史あるキャラミ・サーキットが現在唯一直面しているのは、地元当局と協力してグランプリ開催のためにさらに別のストリートサーキットを建設したいと考えている、ケープタウンの実業家グループによる入札だ。
地元メディアに対し前出のベンターは、「これは南アフリカのモータースポーツにとって決定的な時期だ」と語った。
「2014年にキャラミを買収した際、我々は世界クラスの会場としてだけでなく、アフリカ大陸全体のモータースポーツの指標として復活させることを約束した。FIAが我々のグレード1設計を承認したことは、その道のりにおける大きな一歩だ」
サーキットの声明によると、提案されているFIAグレード1のアップグレードは、サーキットレイアウトの変更を必要とせず、ランオフエリア、バリアシステム、デブリフェンス、縁石、排水の改善に重点が置かれている。
「これは、エンジニアリングの観点からは軽いアップグレードだが、すでに優れているサーキット基準をさらに強化し、現代のグレード1の要件を満たすものだ」と、エーペックス・サーキット・デザインのボーウェン。
最後にベンターは次のように述べている。「今日、我々はキャラミの力強い新たな章のページをめくる。アフリカの地にF1をカムバックさせる準備はできている」
[オートスポーツweb 2025年06月20日]