『イカゲーム』ミョンギ、本当はジュニと脱出したかった イム・シワン&チョ・ユリがすれ違う二人を語る

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2025年06月20日 19:40  クランクイン!

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(左から)イム・シワン、チョ・ユリ  Yoon Ji-yong/Netflix(C)2025
 世界的社会現象となった『イカゲーム』の完結編となるシーズン3が、27日にいよいよ配信。シーズン2では、再びゲームに舞い戻ったものの絶望の淵に突き落とされたソン・ギフン(イ・ジョンジェ)の姿が描かれ、その直後を描く最終シーズンの幕開けを世界中の視聴者が今か今かと待ちわびている。そんな本作で、投資に失敗した元インフルエンサーのミョンギを演じるイム・シワンと、投資詐欺に遭いゲームに参加せざるを得なくなった妊婦のジュニを演じる元IZ*ONEのチョ・ユリに今回クランクイン!がインタビューを実施。殺伐としたシーンが続く中でのほっこりする撮影裏やシーズン3に登場するゲームなどについて聞いた。 ※シーズン1〜2のネタバレを含みます。ご注意ください

【写真】ミョンギの顔に血!? 意味深すぎる『イカゲーム』シーズン3

■チョ・ユリ×パク・ソンフン×カン・エシムは撮影裏も仲良し

 シーズン1から3年後。数多の犠牲者を出してきた“イカれたゲーム”に終止符を打つべく、再びゲームに戻ってきたギフンだったが、参加者に中止を説得できず、第1ゲーム「だるまさんがころんだ」、第2ゲーム「五人六脚 近代五種」、第3ゲーム「マッチゲーム」とゲームは進み、プレイヤーたちは一人また一人と悲惨な死を迎えていった。前回から大きく状況を変えることができずにいたギフンは、かりそめの仲間を集めて運営側への反乱を決意。ところが数々のアクシデントに見舞われ、計画は失敗。その上、目の前で大切な親友チョンべ(イ・ソファン)の命を奪われてしまった―。しかしギフンの意に反し、シーズン3でもゲームは続き…。

 イム・シワン演じるミョンギは、暗号通貨にまつわるYouTubeチャンネルを運営していたインフルエンサー。登録者を投資に誘導し、多額の損害を与えた後にチャンネルを閉鎖し失踪。詐欺と違反行為で手配され、逃亡中の身でゲームに参加するも、ゲーム会場で元恋人のジュニと再会し、気にかける。

 チョ・ユリが演じるジュニは、ミョンギの元恋人で、彼の言葉を信じて怪しげな暗号通貨に投資した結果、負債を抱え、ゲームに参加することに。ミョンギの子どもを妊娠しており、一人で育てていくことを決意。ミョンギから気にかけられるも常に拒絶し、ギフンやヒョンジュ(パク・ソンフン)、クムジャ(カン・エシム)などと協力し、生き延びる方法を探り続ける。

――まずはシーズン2のお話をさせてください。『イカゲーム』に出演することが決まった時はどんなお気持ちでしたか?

チョ・ユリ(以下、ユリ):個人的には、俳優の大先輩たちと一緒に演技ができることが大変光栄だと思いました。ファン・ドンヒョク監督の作品も大好きで、結構見ていたので、一緒に作品を作れたのがうれしかったです。

イム・シワン(以下、シワン):シーズン1の時はファンだったのに、シーズン2、シーズン3では出演者として参加できたのが光栄でした。今回の出演で全世界の皆さんに見ていただけたことに感謝しています。

――ジュニは参加者の中でも特につらい立場にいた気がします。トイレで涙するシーンは見ていても胸が痛みましたが、ジュニの気持ちにユリさん自身が引っ張られることはありましたか?

ユリ:あのシーンは感情的にとてもつらい表現をしなければならず、撮影が終わった後、自宅に戻っても、作った気持ちを引きずってしまうことがありました。実は撮影に入る前日から、つらい気持ちを作り込んで現場に行った記憶があります。やはり影響はありましたね。

――ジュニは、ヒョンジュとクムジャと協力し合いながらゲームに挑んでいきます。劇中での絆が印象的ですが、撮影中にパク・ソンフンさんやカン・エシムさんの存在が支えになるようなことはありましたか?

ユリ:ジュニにとってヒョンジュとクムジャがすごく頼りになる存在だったように、わたしにとってもソンフンさんとエシムさんは、俳優の先輩として、撮影外でも頼りになる方でした。例えば、わたしが「あともう1回撮らせてください」と言った時、お二人は「今のでいいと思うよ」と、迷いを感じた時に確信を得られるようなヒントをくださるんです。「どうしよう」と思った時は、いつも助言をくださって、お二人の応援がすごく手助けになりました。

――三人で一緒にケータリングを食べたこともあったそうですね。

ユリ:そうなんです。パプチャ(ケータリングカー)に三人で行って、話したりしました。実は撮影が終わった後も、撮影場所の近くでカルグクス(韓国の麺料理)を食べたこともあって、色々意見交換をしたりと、すごく仲良く過ごすことができました。

――一方でミョンギは物語が進むにつれて、イヤな部分が見える場面が増えていきます。シーズン2でミョンギはサノス(チェ・スンヒョン)を殺害しますが、やはりこの一件が彼にとって大きなターニングポイントになったのでしょうか。

■サノスを殺したことよりも…

シワン:サノスを殺した瞬間よりも、ジュニに対する考えがどんどん変わっていく部分がミョンギにとってのターニングポイントに近いのではと思います。ミョンギは本当はジュニと一緒に脱出したいと考えていました。しかし、ゲームが進むにつれて不必要な欲が出ちゃうわけです。それがお金ですね。もう少しもらってから出ようという欲張りな部分が出てしまいます。この間違った判断が、ミョンギがよりイヤな人間になっていくターニングポイントだったと思っています。

ミョンギを演じる上でのミッションは、一体人間というのはキレイな心を持った善人なのか、それとも悪い考えを持った悪人なのか、というあいまいさが交差するような表現をすることだと僕は考えています。なので、善悪の線引きについてかなり悩みながら挑みました。その部分については監督にかなり質問をして表現しています。

――シーズン3では極悪非道なゲームの1つとして「大縄跳び」が行われると予告編で明かされました。「だるまさんがころんだ」でおなじみの巨大なヨンヒ人形に加え、男の子の人形チョルスが出てくることが話題です。ネタバレのない範囲で、このゲームの印象を聞かせていただけますか?

シワン:シーズン2まではヨンヒしか登場していなかったのですが、韓国国民にとってはヨンヒといえばチョルスとイコールな存在なんです。ヨンヒとチョルスは子どもの時から知っているカップルですから、きっとセットで出てくるだろうという期待がありました。今回満を持して登場しますが、本作を通して、世界中の皆さんにチョルスというキャラクターをご紹介できたのは、このシーンである意味、重要なことだと思っています。

ユリ:ずっとチョルスがいなくて、どうやってシーンに入ってくるのか不思議に思っていたのですが、今回かなり怖い素晴らしい演出で登場してきたので、本当に良いシーンだと思います。

――今回『イカゲーム』に参加したことで学んだ、サバイバル術があれば教えてください。

シワン:シーズン2の最後にギフンたちが運営側に反乱を起こすシーンがありましたよね。でもミョンギュとジュニはこの反乱に参加しませんでした。その結果として、生き残ることができたんです。なので「危ないところにわざわざ入り込まない」のが、生存戦略の1つかもしれません。

ユリ:わたしは経験者にくっついて行動するのが、生存率を上げる手だと思います。例えばゲームの経験があるなど、生存できそうな経験のある人と一緒に行動を共にすれば生き残れるんじゃないかと思います。

(取材・文:阿部桜子)

 Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1〜2は独占配信中、シーズン3は6月27日世界独占配信。
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