
(左から)貫井清一郎さん、笹川友里
貫井清一郎さんは一橋大学を卒業後、1988年にアーサーアンダーセンアンドカンパニー(現アクセンチュア)に入社し、2010年には執行役員 通信・メディア・ハイテク産業本部統括本部長に就任。2015年に日立製作所に入社後、エグゼクティブITストラテジスト、未来投資本部アーバンモビリティプロジェクトリーダ、執行役常務を経て2021年より現職。
◆IT×OT×プロダクトで社会課題を解決
「日立の樹」のテレビCMでもおなじみの日立製作所は、高い技術力で家電やデジタルソリューション、社会インフラ、モビリティなど、さまざまな製品やサービスを幅広く展開している日本を代表する大企業です。
はじめに事業内容について伺うと、貫井さんは「具体的には4つのビジネスラインがあります。『IT(Information Technology)』、『エネルギー分野』、鉄道などを中心とした『移動』の分野、そして、工場設備や家電、エスカレーター、エレベーターなどの分野です。いずれにしても、それぞれの分野でITやOT(Operational Technology:制御・運用技術)、プロダクトを組み合わせてビジネスを展開し、最終的には社会問題を解決することが日立のビジネスの根幹となっています」と解説します。
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◆日立が推進する“3つのDX”
日立製作所は、経済産業省や東京証券取引所などが選定する「DX銘柄2024」の「DXプラチナ企業2024-2026」に選ばれました。東京証券取引所に上場する企業が分類されている全33業種のうち「電気機器」業種からの選定は日立が初です。これに貫井さんは、「我々としても非常に勇気づけられる出来事で、ありがたいことだなと思っております」とコメント。そこで、続いては日立のDXの取り組みについて伺います。
貫井さんによると、日立におけるDXは「DX of Hitachi」「DX by Hitachi」「DX with Hitachi」という3種類に大きく分けられるとのことで、「『DX of Hitachi』は日立の社内のDXで、『DX by Hitachi』は、例えば、エレベーターの遠隔監視のサービスをつけるといった、お客さまに対しての提供価値を上げていくことを指します。そして、『DX with Hitachi』は、お客さまと協業して、さらにその先にいるお客さまや社会に対して付加価値を提供していくビジネスです」と説明します。
◆DXの取り組みで大切なこと
国内外で事業を展開する日立ですが、笹川が「DXの浸透具合というのは、海外の会社と日本の会社で違うものでしょうか?」と質問すると、貫井さんはDXの浸透に地域性は大きく影響しないと断言。
一方、それぞれのビジネスの分野のなかで、DXの足並みが揃っていることが大事だと言い、「ビジネスによって、どの領域にITやデジタルを投資していくのかは(国や地域によって)多少の違いが出ているので、例えば、現場の効率化を図るための投資をたくさんしたのであれば、それを他のビジネスのセクターにも知らせていく、というような仕組みをつくっていきたい」と言及。
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最後に、笹川が「今後、日立という大きな会社で“これだけは成し遂げたい!”といったものはありますか?」と尋ねると、貫井さんは「少数精鋭の会社のような経営ができる仕組みづくりを目指していきたい」と力を込めます。
ここで言う会社の大小は優劣とはまったく関係ありませんが、「大きな会社だと、いろんな情報を集めたり、指示が行き渡ったりするまでに時間がかかります。それは仕方のないことですが、少数精鋭の会社だと瞬時に行き渡りますし、現場のリスクや変化もすぐにあがってきます。つまり、大きな日立も彼らのようなスピーディーな時間軸で実行・決定できるようにしていきたいです」と未来を見据えます。
そのためにITがより大きな力になるのではないかと考え、「一度仕組みができてしまえば、会社の伸び縮みがいくらでもできますから、早くそこを完成させたいと思っています」と話していました。
番組では他にも、日立製作所が2016年から掲げている成長戦略の柱「Lumada(ルマーダ)」について解説する場面もありました。
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
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