国士舘大が20日、男子柔道部の複数部員が寮で大麻を使用するなどした疑いがある事件について、都内のキャンパスで緊急会見を開いた。内部通報から発覚し聞き取りした結果、計6人(1年生2人、2年生4人)が使用を認めた。14日付で決めた活動停止を今後は無期限とし、大学日本一を争う28、29日の全日本学生優勝大会(東京・日本武道館)は出場を辞退する。五輪金メダリストの故斉藤仁さんらを輩出した歴史ある部に、暗い影を落とした。
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全国屈指の強豪に激震が走った。国士舘大男子柔道部員6人による、寮での悪行。田原淳子学長ら4人の出席者は重々しく頭を下げた。「本学柔道部員が学生寮の中で大麻を使用したことが判明しました。皆さまに多大なるご心配をおかけしました。申し訳ございません」と深く謝罪した。
部員93人のうち90人が暮らす寮で、事件が起きた。発覚したのは1週間前の13日午後10時半。町田キャンパス内の鶴川寮で、いつも通り点呼が行われた際、学生から「複数の学生が大麻を使用している」と情報提供があった。翌14日に寮職員らが聞き取りしたところ1年生2人、2年生4人が一室での使用を認めた。同日に警視庁へ相談し、部の活動を停止。16日に警視庁が麻薬取締法違反の疑いで当該部員立ち合いのもと家宅捜索、大麻のような植物片や吸引器具を押収した。
名門に泥を塗った。故斉藤仁さん、日本男子の鈴木桂治監督(45)ら最重量級の金メダリストを含むオリンピアン8人を輩出した。今月末には8度目の挑戦を目指す大学最高峰の大会、全日本学生優勝大会も控えていた。23年大会では、斉藤さんの次男で24年パリ五輪男子100キロ超級代表の立(23)を擁して優勝。2年ぶりの頂点を狙ったが、道は下級生に断たれた。正式な捜査結果が出るまで活動停止は続く。学長は「大会の出場は難しい」と大学側で判断したと明かした。
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近年、学生による薬物事件が後を絶たない。同大学も注意喚起、啓発活動を継続してきたと強調したが、指導者は把握することができず、防止には至らなかった。23年には日大アメリカンフットボール部が廃部にされた事例もあるが「現時点では考えていない」と否定。来年度以降も「安心して柔道部員として活躍できる環境を整えたい」と新入生を受け入れる予定だが、険しい再起の道を上り切れるだろうか。【飯岡大暉】
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