「一丸となってお迎え」佳子さまのブラジル訪問を待ちわびる日系人たちの“熱気”

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2025年06月22日 21:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

関係者らに見送られ、成田国際空港からブラジル訪問に出発(2025年6月4日)

「新緑に彩られた山を背景として流れる川と、そのほとりに根をはる草木の若葉がみずみずしく広がる情景に目を奪われました。

『清流の国ぎふ』の一端に触れることができ、うれしく思います」

「全国都市緑化祭」記念式典出席の佳子さま

 秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは「全国都市緑化祭」記念式典出席などのため、5月20、21日の両日、岐阜県を訪問した。「全国都市緑化祭」は、緑豊かなまちづくりを目的に国土交通省などが毎年、開催しているもので、佳子さまは21日、可児市で行われた記念式典に出席し、冒頭のように挨拶した。

 式典の後、佳子さまは、国の天然記念物で本巣市にある日本三大桜の一つ、「淡墨桜」の苗木を、小中学生らと一緒に植樹した。

 20日に岐阜県入りした佳子さまは、各務原市にある淡水魚専門の水族館「アクア・トト ぎふ」を訪問し、オオサンショウウオの保護活動を行っている高校生たちから説明を受けた。佳子さまは、オオサンショウウオや解説パネルをじっくりと見学し、「頑張ってください」などと、高校生たちを励ました。また、岐阜市にある「ぎふ木遊館」を訪ねて、子どもたちと岐阜県産の木材で作られたおもちゃで遊び、交流を楽しんだ。

 どの訪問先でも佳子さまは歓迎され、地元の人たちと触れ合いを深めたが、特に、2日間、佳子さまの耳元を飾った2種類の美濃焼のイヤリングが注目された。報道によると、おしゃれで可愛らしいイヤリングがSNSなどで話題になり、多治見市にあるメーカーには問い合わせや注文が相次いだという。

《佳子内親王殿下は、ブラジルご訪問にあたり、兵庫県神戸市にある「神戸市立海外移住と文化の交流センター」を訪れ、一般財団法人日伯協会が運営する「移住ミュージアム」をご見学になりました。

 その後、同センターで活動しており、関西在住のブラジル出身者への支援活動などを行っている特定非営利活動法人「関西ブラジル人コミュニティ」の活動内容について説明を受けられ、そこで学ぶ子どもたちや、ブラジルで暮らす子どもたちが描いた作品をご覧になりました》

 この連載ですでに紹介しているとおり、今年は日本とブラジルの外交関係樹立130周年および「日本ブラジル友好交流年」にあたり、佳子さまは、6月4日から17日までの日程で南米のブラジルを公式訪問している。これに先立って佳子さまは、4月28日、神戸市の「市立海外移住と文化の交流センター」を訪問したが、その様子を前述のように宮内庁が発表した。関係者によると、佳子さまが訪れた日は、庭に咲いたブラジル国花のイペーが満開で、佳子さまは大変喜んでいたという。

 宮内庁によると、神戸港からブラジルへの移民が盛んに行われていた1934年当時の神戸市の地図が床に大きく描かれていて、佳子さまは、その地図を見ながら説明を受けた。神戸港に隣接するメリケンパークにある「移民船乗船記念碑」のレプリカを視察したが、この記念碑は、日本からブラジルに向けて出発する親子3人をイメージして制作された像だという。

 さらに、佳子さまは、「関西ブラジル人コミュニティ」で学ぶ子どもたちが描いた、ブラジルの風景のカラフルで大きな塗り絵などを見て、作品について説明を受けたあと、「関西ブラジル人コミュニティ」や「一般財団法人日伯協会」の関係者たちと懇談した。

 日本に住むブラジル人たちが抱える諸課題や将来に向けた取り組みなどについて佳子さまは説明を受け、熱心に耳を傾けていた。

《現在、ブラジル日系社会では、佳子内親王殿下のご来伯という、この上ない光栄を賜り、心よりお迎え申し上げるべく、鋭意準備を進めております。(略)6月はブラジルにおける「日本移民の日」を含む、日本移民を記念する月でもあります。(略)移民の先駆者たちが抱いていた皇室への敬慕の念に思いを馳せながら、日系社会一丸となって、佳子内親王殿下を心よりお迎えする所存です》

 5月末、ブラジルのサンパウロにある「ブラジル日本文化福祉協会」事務局の海老澤千佳さんが、佳子さまの歓迎準備が進む現地の様子を、このようにメールで伝えてくれた。

佳子さまを迎える現地の熱気

 6月5日に、佳子さまはサンパウロ到着後、イビラプエラ公園にある「開拓先没者慰霊碑」に献花し、その後、ブラジル日本文化福祉協会の大講堂で開催される歓迎式典に出席したという。

 日系二世や三世の方々からは、「高齢の親を連れて行きたいが、大丈夫でしょうか?」「車いすで参加したいが、問題はありませんか」「ドレスコードを教えてほしい」などの相談や問い合わせが、数多く寄せられたという。

 同協会の7、8、9階には、ブラジル日本移民史料館があり、初期の移民たちの生活を再現している。ほぼ実物と同じ大きさの小屋の模型も展示されている。

 その家の中には昭和天皇と香淳皇后の写真が飾られていて、祖国から遠く離れたブラジルにいても当時の移民の人々がいかに皇室を深く敬愛し、また、昭和天皇と香淳皇后が移民たちの大きな精神的な支えとなっていたのかが理解できるという。

 海老澤さんからの連絡で、佳子さまの到着を待ちわびる日系人たちの様子や佳子さまを迎える現地の熱気などが、ひしひしと伝わってきた。

 5月23日、宮内庁は、天皇、皇后両陛下の長女・愛子さまが今年11月、ラオスを公式訪問する方向で調整していると発表した。愛子さまにとっては、初めての海外公式訪問となる。

 今年は、日本とラオスとの外交関係樹立70周年にあたり、ラオス政府から招待されたといい、愛子さまは首都ビエンチャンで開催される外交関係樹立70周年の記念式典に出席するほか、国家主席への表敬訪問なども予定している。

 愛子さまのこれまでの私的な外国訪問としては2006年夏、皇太子(当時)ご一家で静養のためオランダに約2週間滞在した。オランダ王室からの招待によるもので、適応障害を公表した雅子さまの療養などのためだった。また、学習院女子高等科2年の夏休みには、英国の私立イートン校のサマースクールに参加したことがある。

 今秋の愛子さまラオス公式訪問は、当然、佳子さまのブラジル公式訪問などがよい手本となることだろう。佳子さまは2019年9月、オーストリアとハンガリーを公式訪問した。2023年11月、ペルーを公式に訪れ、2024年5、6月には、ギリシャを公式訪問している。そして、4度目が今回のブラジル公式訪問である。

 愛子さまは事前準備や現地での過ごし方、要人たちとの接し方など、両親である天皇、皇后両陛下に尋ねることはもちろんだが、姉のような存在である佳子さまから教えてもらい、学ぶことは数多くありそうだ。佳子さまに続いて、愛子さまが国際親善の舞台で大きく羽ばたくことを、国民は願ってやまない。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など

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