会社の悪口をSNSで延々と……。特定された「カタツムリ女子」の後輩が話した「驚きの理由」

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2025年06月22日 22:10  All About

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仕事での成功を求めず、自分を大切にしながらマイペースで働く「カタツムリ女子」。人にはいろいろな事情があるが、職場にいるカタツムリ女子の後輩を見て「思うことがある」と40歳女性は言う。女性にとって「仕事」とは。※サムネイル画像:PIXTA
「カタツムリ女子が悪いわけではない。人にはいろいろ事情がある。でも、最初から『適当に仕事してればいいや』と思っている人がいるのも事実」

周りのカタツムリ女子を見ていて、思うことがあると声を上げる女性がいる。

出世に興味はないけれど

「私はバリキャリを目指していたわけではなく、かといってほどよく仕事をしていればいいとも思っていない。企業に入ったからには、やりたくないこともやらなければいけないし、そんな中でなんとか自分の希望の部署に行けるよう頑張ってきたとは思っています」

ハキハキした口調でそう言うアズサさん(40歳)。結婚8年、一人娘は小学校に入ったばかりだが、実の両親が同じ敷地内の別棟にいるため「仕事に比重をかけることもできるので、恵まれている」と語る。

「出世したいかどうかはどうでもいいんですが、就職したからにはとりあえず一生懸命、仕事をしようよと後輩には言っています。それでも何度も同じことを聞いてきたり、昨日教えたことをまったく覚えていなかったりという人もいる。まずは一生懸命やってくれ、働き方うんぬんはその後だよと怒ったこともありました」

最初から自分には能力がないんですと落ち込む若者も見てきた。私はキャリアなんていらない、さっさと結婚して辞めますからと刃向かう女性もいた。それでもなんとか「仕事は成長の機会でもある」ことを伝えたかったとアズサさんは言う。

仕事から人生を学べる

「私自身が、かつてはカタツムリ女子だったと思うんです。仕事を覚えようという意識が薄かったんでしょうね。目覚めたのは仕事を始めて3年後くらい。厳しい女性の先輩に鍛えられました。どこを見て仕事をしているんだ、顧客を大事にしろ、ときには自分を捨てて相手に尽くせ、みたいなことを言われて、なんだそれと思ったこともあります。

でも先輩の言葉を頭において仕事をしていったら、顧客にありがたがられ、取引先に大事にされるようになった。なんだか生きやすくなったと思いました。仕事=人生ではないけど、仕事をしている時間って長いから、生きやすい方がいいですよね」

労働時間が長いとか休日がないとか、そういうブラックな働き方は論外である。だが、先輩や上司と仕事を通してのやりとりをする中で、アズサさんは自分が大人になったという実感があった。

だからこそ、彼女は強要はしないが、仕事で人生を学べるよと後輩には言っている。

カタツムリ女子の悲鳴

結局、仕事というのはある意味で自己表現の場であり、承認欲求が満たされる場でもあるのだろう。

「あるとき後輩女子が、どう考えてもうちの会社の話だろうというSNSの投稿を見つけたんですよ。上司や先輩の悪口が延々と書かれていて、つい数日前の出来事だった。さかのぼって見てみたら、いろいろ書いてましたよ。社内のうわさ話まであって、これは同業他社には見られたくないという話まで。

書いた子が特定されかけたので、私が聞いてみるからと彼女を誘ってお茶してみたんです。そうしたらやはり本人だった。ちょっと仕事を頼むと『私、残業はできないんですけど』とか、ミスを指摘すると『○○さんがこうしろって言ったんです』と人のせいにしたりするタイプ。

どうしてこんなに会社のことをSNSでさらすのと言ったら、『だってけっこう読まれるんですよ、こういうの』としれっと言うわけ」

あなたがミスするから周りが困ったんでしょ、急ぎの仕事があるときは多少の残業くらい仕方ないでしょとアズサさんは、叱るのではなく説得するように言ったが、彼女はあまり反省もしていない様子だった。

「そうなると社内でも彼女への不信感が高まって、大事な仕事なんかさせられないということになりますよね。結局、自分で自分の首を締めることになると言ったんですが、『投稿でバズるのって気持ちいいですよ。仕事なんて報われないけどバズるとけっこう目立つし』って。

仕事で充実感を得られないから、そういうところで目立とうとしているのかなと思いましたね」

一度は頑張ってみたら

結局、彼女は社内をいろいろ混乱させたあと、あっさりと退職していった。私生活を充実させた働き方をしたいことと、仕事より自分が目立ちたくて投稿をすることとは、まったく別の話だが、「ああいう子もカタツムリ女子なんですかねえ。本人が自分でそう言っていたとあとで聞きました」とアズサさんは言う。

「いろいろな人がいるから一緒に仕事をしていくのは難しいこともあります。でもやはり私の心情としては、『とりあえず一生懸命やってみて。話はそれからだ』ということですね。頑張れば報われるとは限らないけど、一度は頑張ってみたら何かが見えてくるかもよ、と言いたいです」

そんなアズサさんは、最近では遅くまでの残業をすることはなく、仕事を持ち帰るのもやめたが、出社から退社までは精いっぱい、だが楽しく仕事をしている自覚があるそうだ。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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