
「役者をやっていたら、朝ドラは“一度は出演してみたい”っていう夢の舞台のひとつだと思うので。決まったときは本当にうれしかったです」
とは、放送中の朝ドラ『あんぱん』で柳井嵩(北村匠海)の弟・千尋を演じている中沢元紀。“表には出さない目の熱さ”が決め手となり、抜擢された。
俳優人生に『あんぱん』がもたらすもの
「祖父母は“1日2回は見ている”と言ってくれていて(笑)」
幼少時は病弱だった千尋は、文武両道の好青年に。のぶ(今田美桜)に恋心を抱きながらも、嵩の気持ちを慮り続ける。戦争が激化すると、自ら海軍に志願。互いに軍人となった兄弟は小倉で再会を果たす。
「小さいころから我慢し、自分から表現することはなかった千尋が、嵩に初めてすべてをぶつけるシーンでした」
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“この戦争がなかったら……”。目の前の現実とは真逆の理想をたたみかけるように語ったシーンは、視聴者の胸を打った。本作で中沢の顔と名前を覚えた人も多いだろう。デビューして3年、今後の俳優人生に『あんぱん』がもたらすものを尋ねると、
「影響はとても大きいと思います。お芝居の面で、すべて受け止めてくださる大先輩がたくさんいたので、本当にいろんなことができました。みなさんの大きな器をすごく感じましたし、自分も今後、受け止める側に立てる役者になりたいという目標もできました」
目指すは『あんぱん』超え
そして、過去の出演作『下剋上球児』('23年)で主演の鈴木亮平から贈られた言葉を挙げ、
「“この現場を超えていく作品にたくさん出合ってください”という言葉がすごく心に残っていて。『下剋上球児』もすごくいい現場だったんですが、順位をつけるという意味ではなく、超えるという意味では、『あんぱん』は僕の中で当てはまると思います。すごくたくさん吸収させていただいて、ボリューミーな現場だったので。今後は『あんぱん』を超えるような作品の現場をたくさん踏んでいきたいと思っています!」
朝田三姉妹、誰がタイプ?
長女・のぶは“はちきん”、次女・蘭子(河合優実)は、まじめなしっかり者、三女・メイコ(原菜乃華)は天真爛漫。誰がタイプ?
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「えっ?(笑) 僕自身ってことですか?」
母・羽多子(江口のりこ)やくらばあ(浅田美代子)まで広げてもOKです。
「あはははは。誰だろうな。難しいですね。でも、のぶさんですかね? 元気で笑顔の女性は素敵だなと思います」
取材・文/池谷百合子
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