画像提供:マイナビニュース花王「サクセス」が『エヴァンゲリオン』とのコラボキャンペーンを展開している。その名も「頭皮ケア作戦」だ。NERV本部戦術作戦部が発動したという同作戦だが、どんな内容? 元ネタは? エヴァ好きライターに考察をお願いした。
キャンペーンの内容は?
今年の夏も厳しい暑さになりそうだ。汗や皮脂による頭皮のベタつきは、暑い夏の不快指数をさらに高める難敵である。
今回のキャンペーンは、快適な頭皮環境を守るため、「NERV本部戦術作戦部」が「頭皮ケア作戦」を始動した、という格好になっている。機関指定のアイテム=“汎用”頭皮ケア用品のサクセスを入手して、夏のベタつきや不快感に備えよう、というメッセージだ。
現在はX(旧Twitter)でフォロー&引用リポストキャンペーンを展開中。サクセス公式アカウント(@successkaojp)をフォローし、固定されているポストを「#頭皮ケア作戦発動」をつけた上で引用リポストして、投稿した引用リポストの画像をタップすると、「葛城ミサト&加持リョウジ」のオリジナル描き下ろし壁紙がもらえるという内容だ。期間は6月30日まで。
なお、特設サイトを見ると、7月と8月にもそれぞれプレゼントキャンペーンが開催されるようなので、こちらも要チェックだ。
元ネタは「ヤシマ作戦」なのか?
今回の「頭皮ケア作戦」だが、エヴァの何を元ネタとしているのだろうか。まずは“作戦”というワードから考察していきたい。
エヴァンゲリオンはざっくり言えば、NERV本部で作戦部長を務める葛城ミサトの指揮の下、汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオンに乗り込んだパイロットたちが、人類に敵対する使徒と戦う物語だ。
とはいえ、作品内において、明確に「〇〇作戦」と銘打たれたものは少ない。そこから推察すれば、まず思い浮かぶのがテレビシリーズ第六話「決戦、第3新東京市」(ヱヴァンゲリヲン新劇場版では「序」)で描かれる「ヤシマ作戦」だろう。
第3新東京市に襲来した第5使徒のラミエルは、外敵が一定範囲内に近づくと自動的に狙い撃ちする加粒子砲による強力な攻撃力と、ATフィールド(防護壁)による堅牢な防御力を兼ね備えた強敵だった。
そんなラミエルに対してミサトが考案したのが、日本全国の電力を総動員した極大エネルギーの陽電子砲による超長距離射撃で、ラミエルの感知範囲外から撃滅を目指す「ヤシマ作戦」だ。
夏の頭皮を悩ませるベタつきや毛穴に詰まった皮脂よごれを「ミクロ分解バブル」でスッキリ落とすサクセスの薬用シャンプーを強力な陽電子砲に見立てれば、「頭皮ケア作戦」は確かに「ヤシマ作戦」を彷彿させなくもない。
ただ、問題になるのが上に掲げたキャンペーンのキービジュアルだ。今回のキービジュアルにはエヴァンゲリオン初号機パイロットの碇シンジ、弐号機パイロットの惣流・アスカ・ラングレー、葛城ミサト、加持リョウジの4人が使用されている。
実は、惣流・アスカ・ラングレーと加持リョウジの初登場は、「ヤシマ作戦」より後のテレビシリーズ第八話「アスカ、来日」。つまり、今回のキャンペーンの元ネタを「ヤシマ作戦」とするのは、時系列的に見れば厳しいと言わざるをえない。
だとすると元ネタは…
そこで今度は、キービジュアルに描かれるエヴァンゲリオンのキャラクターと、「サクセス薬用シャンプー」「サクセス薬用育毛トニック」に注目してみたい。
碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの2人で使徒で挑む話として思い浮かぶのは、テレビシリーズ第九話の「瞬間、心、重ねて」だ。
ここで登場する第7使徒のイスラフェルは、弐号機が真っ二つにした際に2体へと増殖するほどの高い自己再生能力を持つ難敵で、倒すには弱点であるコアを同時に破壊しなければならなかった。そこで葛城ミサトは、碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーに、2人の息をぴったり合わせた同時攻撃「ユニゾン攻撃」を命じる。今回の「頭皮ケア作戦」の元ネタは、この「ユニゾン攻撃」なのではないだろうか。
この説であれば、まず、キービジュアルに登場するキャラクターの問題はクリアとなる。加えて、「サクセス薬用シャンプー」で育毛剤の浸透を妨げる毛穴づまりを除去し、「サクセス薬用育毛トニック」の薬用成分を毛根までしっかり浸透させることで、太くて抜けにくい強い髪を育む「ダブルアタック」は、碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーばりのユニゾン攻撃だと言えるのではないだろうか。
真偽のほどはさておき、暑い夏をさらに熱くする今回の「頭皮ケア作戦」には、エヴァンゲリオンファンとして今後も注目していきたい。
安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)