
「また多頭飼育崩壊 外国人の奥さんが1匹の野良猫にご飯をあげたのがきっかけで、その子が子猫を生みその子猫が子猫を生み…
道路に面した家なので轢かれて亡くなった子も沢山いるが現在成猫14匹。子猫が9匹いると何匹も轢かれるのを見てさすがにこのままではまずいと思ったご主人があちこちの保護団体に問い合わせをしたが、膨大な費用を提示され保健所に引き受けを依頼するしかないかと思っていたところで私の事を聞いて藁をもすがる気持ちで連絡したと…」
【写真】玄関に簡易な「猫ハウス」はあるが…小さく粗末なものだった
自宅周辺に居つく野良猫が増えてしまい「多頭飼育崩壊」が起きた家主から保護依頼がきたことを、千葉県内でTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)活動などに取り組む保護猫ボランティア「れんげ」さん(@8rjXhLaRHFwK9l2)がX(旧Twitter)で報告。今回多頭飼育崩壊が起きてしまったのは、家主の奥さんが1匹の野良猫にご飯をあげていたところ、野良猫が自宅庭で子猫を生み、その子猫がまた子猫を生み増えていったことが要因だといいます。
いくつかの保護団体側から膨大な費用を提示…保健所への依頼も考えていた
「現在成猫14匹、子猫9匹。道路に面した家のため、車にひかれて命を落とす子も多く、家主は心を痛めて保護団体を探していました。いくつかの団体に問い合わせたところ成猫1匹3万円〜6万円を提示され、子猫は1匹1万円と言われたとのこと。頭数が多く、多額の金額は支払いできず…保健所に依頼しようかと悩んでいたところで私のことを聞いて連絡がきました。
いろいろお話を伺うと、現在の生活がかなり苦しいとのこと。ただ、生命の責任を感じてもらうには無償で全て請け負っては依頼者のためにもならないし、私自身既にたくさんの子を抱えており破綻するわけにはいかないので、子猫は全て無償で引き受けるかわりに成猫の避妊手術費用は半分以上を支払ってくださいとお願いしました」
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とはいえ、現場は自宅前に雨が避けられる簡易な「猫ハウス」的なものはあるものの、土砂降りの中に座り込む猫の姿も…。まずは、車にひかれる危険がある子猫を早急に保護していくそうです。
ボランティア「無責任な餌やりは不幸な生命しか生まない。避妊手術を!」
「道路に面したお宅なので、何匹もひかれて亡くなっていると伺い、とりあえずすぐにひかれそうな動き回る子猫を優先しました。成猫も順次保護していきますが、避妊手術はすぐに行わないといけないのでいったんTNRをします。家主さんにはお世話をきちんとしてもらいながら、進めていく予定です」
今回の多頭飼育崩壊は、住居内ではなく野良猫が居ついてしまい自宅周辺で猫が増えてしまった件。かわいいから、あるいはかわいそうだからという理由で餌だけを与えて避妊・去勢手術をせず猫が増えていってしまったケース…普段からTNR活動に取り組むれんげさんは、こう訴えます。
「怒りをぶつけてもしわ寄せは猫にいくだけなので、寄り添いながら責任感も持っていただけるよう動いています。とにかく無責任な餌やりは不幸な生命しか生まないので、ご飯をあげる優しさがあるなら避妊手術はしてほしいということを伝えたいです」
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野良猫を増やさないための対応策
「野良猫に餌をあげていたら、自宅周辺に住みつき、猫が増えてしまった」というケース。放置すると、今回のように多頭飼育崩壊や、近隣トラブルにつながる恐れがあります。防ぐための具体的な対応策をご紹介します。
1. 餌やりをするなら「責任ある餌やり」を
「責任ある餌やり」とは、不妊・去勢手術とセットで考えること。餌を与えることで健康になり、繁殖能力が高まるため、放置するとどんどん増えます。したがって、餌やりだけをして避妊去勢をしないのは無責任とされています。
■ 対策:
自治体や動物保護団体と連携して、TNR(後述)を実行。時間を決めて餌やりし、食べ残しは必ず片付ける(衛生と近隣対策)。
2. TNR活動を行う(Trap=捕獲、Neuter=不妊去勢、Return=元の場所へ戻す)
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TNRは猫の数を増やさない唯一の効果的な方法です。餌をあげている猫を順番に捕獲し、動物病院で手術後、元の場所に戻します。耳先をV字にカットする「さくら耳」で手術済みがわかるようにする。
■協力先:
市区町村の保健所や動物愛護センター
地元のボランティア団体
「地域猫活動」を推進しているNPO
3. 生活環境・近隣配慮
猫が住みつくと、糞尿・鳴き声・抜け毛などで近隣トラブルになりがちです。
■具体策:
餌場を整理し、ゴミが出ないようにする。繁殖しないよう管理すれば、徐々に数は減少していく。猫用トイレを設置するか、猫よけの工夫(忌避剤やトゲマットなど)も視野に入れて。
4. 地域と協力する(地域猫制度)
一人で抱え込むと疲弊します。地域で取り組むことで継続可能になります。自治体によっては「地域猫活動支援制度」(手術費の補助など)があります。
ぜひ参考にしてください。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)