62歳女性で、障害基礎年金を受給中。65歳時の老齢厚生年金と障害基礎年金の継続手続きは、同時に行えますか?

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2025年06月23日 18:30  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、障害基礎年金を受給している人からの質問です。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、障害基礎年金を受給している人からの質問です。

Q:62歳女性で障害基礎年金を受給中です。障害基礎年金と老齢厚生年金を受給していきたいと考えています。65歳の年金請求手続きの時に、年金受給選択申出書を提出すればよいのでしょうか?

「1962年12月末頃が誕生日の62歳女性です。障害基礎年金を受給中で更新期限は令和9年12月末です。63歳から特別支給の老齢厚生年金が受給できるようになりますが、受給せずに年金受給選択申出書を提出して障害基礎年金を継続受給しようと思っています。65歳には障害基礎年金と老齢厚生年金を受給していきたいと考えています。その場合、65歳の年金請求手続きの時に、老齢基礎年金ではなく障害基礎年金を受給する旨の年金受給選択申出書を提出すればよいのでしょうか?」(ミルクティーさん)

A:特別支給の老齢厚生年金の受給権発生時に「年金受給選択申出書」で障害基礎年金を選択された場合は、65歳の年金請求時に「年金受給選択申出書」は不要です

ミルクティーさん、将来の年金受給を考え、障害基礎年金と老齢厚生年金の併給のお手続きについてのご質問ですね。

原則、65歳からも引き続き障害基礎年金を受給するためには、「年金受給選択申出書」の提出を、65歳の誕生月の前月から誕生月の末日(ミルクティーさんの場合、おそらく令和9年11〜12月)までに行う必要があります。

一方、老齢厚生年金の受給の申請は、65歳(受給開始年齢)の誕生日の前日以降に手続きが必要です。したがって同時に届け出できる日が限定されてしまいます。

「年金受給選択申出書」提出が不要の場合

そこで、令和5年4月から障害基礎年金の受給者が65歳時に年金請求書と必要に応じて書類を提出すれば「年金受給選択申出書」提出は不要で、障害基礎年金と老齢厚生年金の併給が可能となりました。ただし、特別支給の老齢厚生年金の受給権発生時に、「年金受給選択申出書」で障害基礎年金を選択する必要があります。

計画的に準備することが大切!

また、ミルクティーさんが65歳以降も障害基礎年金を受給するためには継続更新が必要です。まずは、障害の状態を確認するため「障害状態確認届(診断書)」を日本年金機構に提出期限(誕生月の末日)までに到着するよう提出します。「障害状態確認届(診断書)」は、誕生月の3カ月前の月末に日本年金機構より送付されます。届いたら、「診断書」欄を医師に記載してもらい提出します。

診断書の発行に1〜2週間かかることも多いためスムーズに受診ができるよう、あらかじめ医療機関などに相談しておくとよいでしょう。

65歳になる誕生月より前に年金事務所へ事前相談を!

65歳になる時点で(今回の場合は令和9年12月)障害基礎年金の判定が不明な場合でも、年金請求書を期限(誕生月の月末)までに提出しましょう。期限を守っていれば支給は一時的に継続され、判定結果に応じてさかのぼって調整されます。

手続きなど準備を計画的に行うことが大切になります。65歳になる誕生月より前にお近くの年金事務所へ事前相談されることをおすすめします。

文:京極 佐和野(ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント)

FPオフィス ミラボ代表。CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、国家資格キャリアコンサルタントなどの資格を持ち、マネープランと働き方の両面から、20年以上「稼ぐ・使う・借りる・貯める・増やす」をアドバイス。FP向け継続研修、社員向けライフプラン・キャリアデザイン研修講師として活動する傍らJ-FLEC認定アドバイザーとして携わる。
(文:京極 佐和野(ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント))

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