しらさぎS初代王者キープカルム(c)netkeiba【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返るしらさぎS
【Pick Up】キープカルム:1着
「ロードカナロア×サクラバクシンオー」というスプリントチャンピオン同士の配合は大成功しており、キープカルムのほかにサトノレーヴ、ファストフォース、テイエムトッキュウ、キルロード、サンキューユウガなど、コンスタントに活躍馬が誕生しています。連対率35.3%、1走あたりの賞金額515万円、という数字は、総出走回数が300回を超える配合としては異例の好成績。ロードカナロア産駒全体は連対率19.6%、1走あたり241万円なので、この配合の優秀さがお分かりいただけると思います。
キープカルムは今年のオークス馬カムニャックの半兄。カムニャックはキタサンブラックと同じ「ブラックタイド×サクラバクシンオー」で、キープカルムは前述のとおり「ロードカナロア×サクラバクシンオー」。母の父サクラバクシンオーが成功しやすい配合パターンでしっかりと結果を出しています。
母ダンスアミーガは関屋記念と中京記念で4着。3代母ダンスパートナーはオークスとエリザベス女王杯の勝ち馬で、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの全姉。社台ファームの看板牝系です。
◆血統で振り返る府中牝馬S
【Pick Up】セキトバイースト:1着
デクラレーションオブウォー産駒は、中山牝馬Sのシランケドに次いで今年重賞2勝目。いずれも牝馬限定の芝1800mハンデ戦です。日曜終了時点で総合種牡馬ランキングは24位。
母ベアフットレディはアイルランドからの輸入牝馬なのでサンデーサイレンスを持ちません。父デクラレーションオブウォーも輸入種牡馬なのでサンデーサイレンスがありません。デクラレーションオブウォー産駒はサンデーサイレンスを持たない活躍馬が目に付き、他にトップナイフ、ハウゼ、アウトドライブ、オーブルクールなどが出ています。
2代父ウォーフロントはズバッと切れる脚はないものの、スピードの持続力が持ち味です。他にアメリカンペイトリオット、ザファクターなどがわが国で供用されています。ラストの決め手比べになると厳しくなる血統なので、向正面でじわっと位置取りを上げたのが好判断でした。