昭和を席巻した「モンキー・マジック」「銀河鉄道999」を作曲 ゴダイゴVo.50周年の今は…

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2025年06月24日 16:50  まいどなニュース

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デビュー50周年を迎え記念アルバム『GLORY!』をリリースしたタケカワユキヒデさん(撮影:sono)

6月7日、タケカワユキヒデさんがデビュー50周年記念アルバム『GLORY!』をリリースした。

【動画】タケカワユキヒデによる新曲は…

タケカワさんと言えば『ガンダーラ』(1978)、『モンキー・マジック』(1978)、『銀河鉄道999』(1979)などのヒットを放ったゴダイゴでの活躍が印象的だが、デビューはその結成前年の1975年。英語詞の自作曲を歌うという、当時としては異色のシンガーソングライターとして注目を集めた。小学校5年生の頃にビートルズと出会い創作活動を初めて以来、英語を交えた洋楽的なフィーリングの楽曲を数々世に送り出してきたタケカワさん。もちろん本アルバムもその系譜上にあり、20の楽曲をそれぞれ英語詞バージョン、日本語詞バージョンで4枚のCDに収録したユニークな内容だ。

10年前の40周年インタビュー企画以来、タケカワさんとは何度かご一緒しているが、この人ほどこよなく音楽を愛するミュージシャンは音楽界広しと言えどなかなかいないと感じる。ミュージシャンには人前で目立つのが好きでなったタイプと、演奏や創作が好きでなったタイプと大きく2種類あるのだが、タケカワさんは圧倒的に後者。俗っぽさがなく、楽曲に込めたこだわりや機材の話をしている時のキラキラした純粋無垢な笑顔は見ていると心が洗われるようだ。あの笑顔に会うべく、僕は6月8日、神戸煉瓦倉庫K-wave(神戸市中央区)で開催されたリリースイベントに足を運んだ。

イベントは観客のリクエストで歌う曲が決まるスタイル。タケカワさんが箱の中から客席の番号が書かれた紙を一枚ずつ取り出し、指名された人が新作アルバムの楽曲をリクエストしてゆくという流れだ。表題曲の『GLORY!』に始まりMVが公開された深淵なラブバラード『OH MY LOVE』、漫画とクラシックへの造詣を感じる『THE ROSE OF VERSAILLES』、1980年代からの秘蔵曲というソウルフルなナンバー『A FRIENDLYLIE』など多彩な楽曲を歌い上げてゆくタケカワさん。和やかで音楽的な幸福に満ちた約1時間40分の演奏後、楽屋で今回のリリース、そしてこれまでの50年の軌跡についてお話を聞いた。

ーー今回、久しぶりのオリジナルアルバムとなりました。

タケカワ:しばらく新曲を作ることへの興味が薄れてしまっていたんだけど、コロナ禍が一段落して仕事のリズムが切り替わった頃に「やっぱりやりたいな」と。50周年だからということはあまり関係なく、ただただ僕が思い描いた世界観で、気のすむまで作り込んだアルバムが作りたいと思ったんです。デビュー作の『走り去るロマン』みたいなことをもう一度やりたくなった。

ーー1970年代当時と作業環境を比較していかがでしょうか?

タケカワ:昔は費用的な問題で長時間のレコーディングが難しかったけど、今はシーケンサーがデジタル化されてるし、家にスタジオと変わらない機材を置いてるから好きな時に好きなだけやっていられる。いい時代になりましたよ(笑)。

ーー収録曲のテイストが多彩ですね。

タケカワ:最近作ったものもあれば1970年代に作ったままお蔵入りだったものもあります。英語詞、日本語詞で両方のバージョンを作ろうというのは15曲くらい出来上がった段階で思い付きました。英語詞と日本語詞でという構想自体は1980年代から持っていたんですが、当時は英語の曲だと商業的に難しかった。約40年を経てやっと実現したわけです。

ーー英語詞はこれまでに数々の楽曲を共作された奈良橋陽子さん、そしてお嬢さんの武川アイさんが書かれたもの。それぞれ違った個性を感じます。

タケカワ:ご存知の通り陽子さんは昔からほんとに簡潔な詞を書く方。対比をつけるためにも、アイには言葉数を多くしてくれと注文しました。昔の日本語詞は字数が少なかったので、リズミカルに歌うことに限界がありました。英語詞の段階で字数を増やしておけば、日本語詞にした時によりリズミカルな仕上がりになると思ったんです。

ーーアイさんの作風をどう思われますか?

タケカワ:ちょっと難しいんですよ(笑)。感情をあまり表に出さず、でもけっして冷たくはなく、普通あまりしないようなお洒落な言い回しで世界観が作られているんです。

ーー6月7日、アルバム収録曲『OH MY LOVE』英語版のPVが公開されました。若手クリエイターのeieiooooさんによる、どこか幻想的なタッチのアニメ作品。どのような経緯でオーダーされたのでしょうか?

タケカワ:それは……事務所の山田さんが(笑)。なにかPVを作りたいという話は僕が言い出したんですが、どの曲をどんな作品にするかはスタッフとeieiooooさんに完全におまかせしました。そもそも楽曲自体にすごく感情移入してしまってるので、映像についてはそうしたほうが客観的で良くなるだろうなと思ったんです。仕上がりはとても気に入っています。

◇ ◇

PVは他にもいくつか企画されており、近々、実写のものも公開されるという。続くインタビューでは50年前のデビュー当時を振り返ったお話を聞いている。

タケカワユキヒデ『GLORY!』作品情報
仕様:4枚組CD(英語版2枚+日本語版2枚)/特製スリーブBOX入り
発売日:2025年6月7日
価格:10,000円(税込)

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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