IMSA第6戦ワトキンス・グレンで逆転優勝を飾った60号車アキュラARX-06(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアン) ニューヨーク州のワトンキンス・グレン・インターナショネルで6月22日で開催された、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第6戦『サーレンズ・グレン6時間レース』を制したアキュラ・メイヤー・シャンク・レーシングのトム・ブロンクビストは、自身がステアリングを握る60号車アキュラARX-06は最終盤のイエローフラッグによって順位が入れ替わったが、それがなかったとしても最後まで走り続ける決意だったと明かした。
アキュラのLMDhカーをドライブするブロンクビストとコドライバーのコリン・ブラウンは、レース終了3分前のリスタートで3番手につけていたが、前を走る2台が2周のうちにそれぞれピットに向かったため労せずトップに浮上し、そのまま今季初優勝を飾った。リスタート時60号車は、アール・バンバーがドライブする31号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレイン)と、メイヤー・シャンクの姉妹車であるニック・イェロリーの93号車アキュラARX-06に続く形となっていた。
6時間レースの大半をトップ5以内のポジションで走っていた60号車は、このレースにおける10回目であり最後のフルコース・イエロー・コーション(セーフティカー/SC)が提示されるまで、優勝争いに加わっていなかった。このコーションは、チャーリー・イーストウッドがドライブする36号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(DXDTレーシング)がメカニカルトラブルによりコース上で停止したことによるものだ。
「最後のスティントでは少し混乱してしまった」とブロンクビストは語る。
「次のピットストップでドリンクが欲しいと伝えたら、『レースは残り15分しかない』と言われた。レースで実際に何が起こっていたのか、僕の理解と現実は少し合っていなかったんだ」
「最後のイエロー(コーション)が提示されると、エンジニアから無線が入った。『大丈夫そうだ』とね」
「当然、チーメイトのマシンがリスタートでピットインするという指示は受けていなかったが、(トップを走っていた)31号車がピットインするという確信もなかった。でも、エンジニアの無線のトーンから、これは自分たちにとって良い状況なんだと感じたよ」
「そして最後の2ラップで2台がピットへ向かった。ファイナルラップは自分の目の前に素晴らしいクリアなコースが広がっていた。とてもありがたいし素晴らしいことだった」
ブロンクビストは、60号車アキュラのもともとの計画は、レース終盤にガソリン補給のためのピットインを回避しながら走りきることだったと改めて強調した。
「僕らはおそらく、何が起こるか分かっていた。それが計画の一部だった」と彼は語る。
「そして我々はその計画に沿ってレースを進めた。僕らは最後のイエローに関係なく、あのまま最後まで走り切ることが可能だと分かっていたんだ。当然、あのイエローが(燃料をセーブする)ストレスを軽減してくれた。最後の数周はプッシュすることだってできたよ」
「戦略チームがスティントの初期段階で指示を出し、コミットしてくれたことは、本当に素晴らしい努力だった。つまり、それが今日のレースを勝つことができた要因だ」
「また、最後の数スティントでマシンが本当にいきいきと走り、大きな燃費目標を達成し、優れたペースを維持することができた。すべてが最後にうまく噛み合ったと思う」
「レースは波乱万丈だった。前進したり、後退したり、途中にはいくつかのトラブルもあった。しかし、最終的に戦略を実行でき、優勝を手にできて本当に良かった! 60号車のクルー全員に対して、本当に嬉しく思っている。それに、アキュラとメイヤー・シャンク、HRCの皆にまたしても素晴らしい勝利をもたらすことができたのも嬉しいね」
今回の勝利は、ブロンクビストとブラウンにとって、2023年のモチュール・プチ・ル・マン以来となるGTPクラスでの勝利だ。
ブラウンは「明らかに、全員が素晴らしい仕事をした」と付け加えた。
「トム(・ブロンクビスト)は終盤の燃料の節約で素晴らしい仕事をしたし、戦略面でもみんなが本当に良い仕事をした。数字の微調整が完璧だったんだ」
「僕の席から、彼らが後ろで計算しているのを聞くのは、たしかにストレスだった」
「全員に敬意を表したい。我々のグループにとって素晴らしい一日だった。この勢いを維持していこう」
[オートスポーツweb 2025年06月24日]