日本、停戦合意の行方注視=原油安定供給、懸念拭えず―イスラエル・イラン

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2025年06月25日 07:31  時事通信社

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時事通信社

首相官邸に入る石破茂首相=24日午前、東京・永田町
 日本政府は、トランプ米大統領がイスラエルとイランの停戦合意を発表したことを受け、事態の沈静化に向かうかどうか注視している。原油輸入の約9割を中東に依存する日本にとって情勢悪化はエネルギーの安定供給に影響しかねないためだ。

 「トランプ氏の発表を歓迎しており、これが実施に移されていくことを強く期待する」。林芳正官房長官は24日の記者会見でこう語った。

 中東情勢では、イスラエルが先制攻撃に踏み切り、イランが反撃。22日には米国がイラン攻撃に参戦したことで、情勢は一気に緊迫化していた。イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を封鎖するとの懸念も一時強まった。

 石破茂首相は23日の記者会見で、中東情勢について「わが国のエネルギー安定供給にとって重大な影響を及ぼすものであり、最大の緊張感を持って注視したい」と語っていた。

 緊張緩和の兆しが出てきたことに対し、日本政府内からは「いったん安心した」「ひとまず良かった」との声が相次いだ。閣僚経験者は「(高騰する)原油価格は今後は落ち着くだろう」との見通しを示した。

 ただ、イランとイスラエルの動向は予断を許さない。停戦合意発表後も攻撃が続いており、自民党幹部は「停戦後もどこかのタイミングで再び衝突する可能性はある」と指摘する。外務省筋は停戦合意について「実際にどうなるか分からない。破られる可能性もある」と不安を口にした。 

記者会見する林芳正官房長官=24日午前、首相官邸
記者会見する林芳正官房長官=24日午前、首相官邸
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