フジテレビの親会社、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の第84回定時株主総会が25日午前、東京・有明アリーナで始まった。会場の外にはチラシを持って報道陣、株主に訴えかける元プロレスラーでNPO法人「リメンバーハナ」の代表を務める木村響子さん(48)の姿があった。
響子さんの娘のプロレスラーは木村花さんは、フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演中にSNSによる誹謗(ひぼう)中傷により、2020年5月に22歳の若さで亡くなった。現在、フジテレビと制作会社を相手に裁判中の響子さんは日刊スポーツの取材に応じ、フジテレビに対して「本当に変わるのであれば、今からでも変わってほしい。裁判に対しても、この5年間ずっと不誠実。ずっと非協力的で、1審判決の見通しも立たない。今からでもいいから、花の問題でも第三者委員会を立ち上げてほしい」と訴えた。
中居正広氏(52)の性加害に始まる一連の問題について、響子さんは「私たちの問題と一緒の人権問題。人権に何の理解もない人が、過ちをしっかりと認めない。第三者委員会をすぐに立ち上げずに逃げようとしたことが問題。コンプライアンス(法令順守)を徹底していれば、起こり得なかった。隠滅、責任逃ればかりしている」と話した。
3月31日に発表された一連の問題に対する第三者委員会の調査報告書では、花さんの問題について「現場任せにしていた」と断じている。「そうした意見を今からでもくみ取って、花之問題でも第三者委員会を立ち上げてほしい。フジテレビと制作会社の弁護士と、うちの弁護士のやりとりだけで、誰が対応しているのかもはっきり分からない」。
この5年間の間にフジテレビの担当プロデューサーと制作会社のプロデューサーから謝罪の手紙をもらった。「『花さんの死に関して番組が関わっているのは間違いない』という内容だったのに、BPO(放送倫理・番組向上機構)の調査や裁判になると関係ないと言い出す。こっちは5年間、身を削られる思いでやってきたのに」と、いら立ちを口にした。
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FMHの株主総会に対しては「人の命、人権をもっと真剣に見守ってほしい。スポンサーが撤退したら、株主に言われたからじゃなく、本来なら自浄作用をもってして変えて行かなくてはいけない。そういう体質をどこまで変えられるのか。一連の問題で(被害者の)Xさんと和解して、スポンサーが戻ったら、花の問題はやってくれないのか。どこまで、裁判を続ければいいのでしょうか」。
プロレスラー引退後はキッチンカーの運営などをしていた響子さんだが「今はNPO法人『リメンバーハナ』を立ち上げて、花のグッズを売ったりメモリアルマッチをやって、裁判費用を賄っています」と明かした。
そして「リアリティー番組は台本がないと言って、視聴者たちをだましている。バラエティーなのにドキュメントの様なふりをしている。(番組内で)加害者とされた人の人生も壊している。その人は今、海外にいると聞いています」と話した。
「フジテレビは『会社を変える』と言っていますが、花に対してちゃんと向き合っていない。22年に裁判を始めてから、全く進んでいない。クローズドの裁判で不誠実な対応を繰り返して、全く判決の見通しが立っていない」と訴えた。
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