2025年ロードレース世界選手権 MotoGPクラスに参戦している全11チームのマシンとチーム代表 6月23日、F1の商業権を保有するリバティ・メディアが欧州委員会からロードレース世界選手権(MotoGP)の権利を保有するドルナスポーツの買収に関して、欧州委員会から無条件の承認を受けたことが発表された。
リバティ・メディアは、2024年4月にMotoGPとスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)の運営するドルナスポーツの買収を発表。欧州委員会はこの買収に関して同年12月から詳細調査を行っていた。
主にひとつの企業がF1とMotoGPの両方の権利を持つことで放映権市場における競争を減少させる恐れが懸念された。さらにはリバティ・メディアおよびベルギー、アイルランド、オランダで放送事業を展開しているリバティ・グローバルの筆頭株主のジョン・マローン氏の影響力も調査対象となっていた。
そして、欧州委員会は、長きに渡る調査の結果、F1とMotoGPは放映権において互いに直接的な競合関係にはないと判断。また、マローン氏についても同氏の影響力が競争を著しく阻害することはないと結論づけられ、2025年6月23日に無条件で承認した。
これにより、買収プロセスは最終段階に入り、本取引は2025年7月3日までに完了する見込みとなった。四輪レース最高峰のF1と二輪レース最高峰のMotoGPというモータースポーツにおける二大巨頭が同一オーナーが保有する形となる。
リバティ・メディア代表兼CEOのデレク・チャンはこの決定を受け、「欧州委員会の承認によりこのMotoGP買収完了への最後の条件が整った。エスペレータCEOと彼の経営陣とのパートナーシップを正式に開始できることを大変嬉しく思う」とコメントを寄せた。
「MotoGPは素晴らしいレースに加え、情熱的なファン、強固なキャッシュフローを備えた魅力的なスポーツであり、大きな成長の可能性があると信じている。ファンとのつながりを深め、グローバル市場へのさらなる拡大を実現していく」
ドルナスポーツCEOのカルメロ・エスペレータは、「欧州委員会によるこの取引の承認は大変喜ばしいことだ」と語った。
「これはMotoGPの将来がさらに明るくなることを裏付ける重要な節目であり、今後さらにMotoGPの成長を加速させ、世界中のより多くのファンに届けられることを楽しみにしている」
「リバティ・メディアは、MotoGP全体にとって最高のパートナーであり、ファン、商業パートナー、そしてレースに関する全ての関係者にとって、さらに大きな価値を提供できることを大変嬉しく思う」
なお、買収完了後もドルナスポーツCEOのエスペレータを含む経営陣は継続し、引き続きMotoGPおよびWorldSBKの運営を行う。リバティ・メディアは、ドルナスポーツの84%を取得し、残り16%はMotoGPの現経営陣は保有する。
[オートスポーツweb 2025年06月25日]