南本宗一郎、初のヤマハファクトリー仕様YZF-R1に「本当に車両が熟成されている」と驚愕/鈴鹿8耐テスト

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2025年06月26日 20:50  AUTOSPORT web

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南本宗一郎(YAMAHA RACING TEAM)/2025鈴鹿8耐テスト
 2025年の鈴鹿8耐において、優勝候補として挙げられる6年ぶりに復帰するYAMAHA RACING TEAM。ライダーラインアップは中須賀克行を筆頭にジャック・ミラーとアンドレア・ロカテッリの布陣で戦うことが決まった。そのなかで、6月に2週間連続で鈴鹿サーキットにて実施されたテストに南本宗一郎も参加。初めてのファクトリー仕様のヤマハYZF-R1を走らせたが、どのような印象を抱いていたのだろうか。

 南本は過去に『YAMAHA VR46 Master Camp』にも参加し、以降は全日本ロードレース選手権のST600やST1000で活躍しているライダーだ。WorldSSPやMoto2への代役にも抜擢された実力を持ち合わせ、ここ数年はアジアロードレース選手権(ARRC)に挑戦している。

 2023年はSS600で自身初のチャンピオンを獲得し、2024年はASB1000で初優勝を挙げるなど強さを見せており、2025年も引き続きASB1000に参戦予定だったのだが、再び全日本ロードへ舞台を戻し、ST600クラスにAKENO SPEED・YAMAHAから参戦している。

「今年もアジアロードのASB1000で走る予定でしたが、3月あたりに話がなくなってしまい、どうしようかと思っていました。最初は全日本ロードのJSB1000に出たいと交渉もしていましたが、そのなかでAKENO SPEED・YAMAHAさんの協力の元でST600に参戦させていただけるということで、納得して契約書にサインしました」

 ASB1000やJSB1000といった大型排気量クラスへの参戦を望んでいたようだが、今年は来年以降のステップアップに向けてST600クラスで再び実力を磨くことになる。そのなかで大型排気量に乗りたいという南本の思いが、思わぬ形で身を結ぶこととなった。

「僕がまだ一回もファクトリーのバイクに乗ったことがないということで、吉川(和多留)監督に全日本ロード第2戦SUGOの時に呼んで頂いてYAMAHA RACING TEAMと話をしたら、『鈴鹿8耐テストの時に中須賀さんしか来ないから、よかったら乗ってみる?』と言って頂いて参加が決まりました。僕は当然、チャンスがあるなら乗りたいですし、『もちろん乗ります!』という感じでした。吉川監督に色々動いていただいたおかげで、実現しました」

 鈴鹿8耐に向けたテストとはいえ、南本としては初となるファクトリー仕様のヤマハYZF-R1に乗り込む機会が巡ってきた。6月11〜12日のテストでは中須賀によるセッティンがメインであったために、南本は走れる機会が少なかったものの、6月18〜19日のテストでは多くの走行機会が与えられていたようだ。

 南本はファクトリーバイクに乗り込むのも初めてだが、EWC仕様のマシンも初めてだった。過去に鈴鹿8耐参戦への経験もあるものの、SSTクラスのみの参戦となっており、初めて尽くしのテストとなったようだ。

「ファクトリーバイクは耐久仕様だからなのかもしれませんが、思ったほど驚くところは少なかった印象です。でもST1000の車両と一番違うところは、やっぱり電子制御とブリヂストンタイヤですね。僕も初めて乗りますし、耐久仕様なのもあり転倒はできない状況だったので、ゆっくりと少しずつペースを上げていきましたが、タイヤを潰しきれないので難しいです」

「そのなかでも自分の入力にはさらっと応えてくれるし、タイムは2分07秒台も出せていて、中須賀選手の1秒少し落ちくらいのペースで走れていました。スタッフを含めてすべてのパーツひとつひとつがプロフェッショナルなものですし、本当に車両が熟成されているので、嫌だと感じるところなく乗れたので、そこはすごくよかったなと思っています」

 YAMAHA RACING TEAMは6年ぶりの鈴鹿8耐参戦となるが、過去には優勝経験もあるだけに、今年の活躍が期待される。また、全日本ロードでも安定した強さを誇示し続ける中須賀の走りに心を打たれる若手ライダーは多いはず。南本も間違いなくそのひとりだ。

「ファクトリーチームで乗りたいというのは、ヤマハの若手ライダーみんなの目標だと思います。今年の全日本ロードは中須賀選手ひとりの参戦ですが、とりあえず僕ができることをやるだけです。ファクトリーチームに入れる入れないは本当にタイミングだと思います。今はそのチャンスを掴むために毎回しっかりとやっていくだけです」

 今年の鈴鹿8耐における3名のライダーはすでに決まっているが、南本にとって今回のテストへの参加は来期以降に向けても大きな収穫かつ、今後に向けても良い刺激となったことだろう。ヤマハの未来を担うライダーのひとりである南本が、今回のチャンスを活かしてどのように活躍を広げていくか楽しみなところだ。

[オートスポーツweb 2025年06月26日]

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