2025年WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 6月26日、南ヨーロッパのギリシャにて、2025年WRC世界ラリー選手権の第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ1が行われ、スペシャルステージ(SS)1を終えた時点で、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が同タイムでトップとなった。日本の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合3番手につけている。
総合6番手につけたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)とカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は、同タイムを記録した。また、TGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合9番手につけた。
■デイ2以降は「大きな岩を避けたほうが賢明」
迎えた第7戦は伝統のアクロポリス・ラリー。第5戦ラリー・ポルトガルから始まった南ヨーロッパでのラフグラベル(未舗装路面)3連戦の最後を飾る、WRCの中でもっともクルマに厳しいとされるイベントのひとつである。
昨年は9月に開催されていたが、今年は6月開催に変更された。この時期の中央ギリシャは、暑さが非常に厳しく、週末は気温が摂氏40度前後まで上がると予想される。
ラリーのサービスパークは今年も中央ギリシャの都市『ラミア』に置かれ、木曜日には北西の山岳路でシェイクダウンが行われた。ラリー本番前最後の走行セッションであるシェイクダウンでは、勝田がティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とベストタイムをシェアし、ロバンペラは4番手、オジエは5番手、エバンスは7番手のタイムを記録した。
その後、選手たちは首都アテネに移動。アテネを代表する観光名所である『パナシナイコ・スタジアム』でセレモニアルスタートが行われた後、付近のザッペイオン・ガーデンで全長1.5kmのスーパーSSがスタートした。
ターマック(舗装路)ステージとなったSS1では、オジエがオィット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)とベストタイムを分け合い初日首位を獲得。勝田は3番手、エバンスとロバンペラは6番手をシェアし、パヤリは9番手だった。
まずは全車完走でデイ1を終えたTGR-WRTのユハ・カンクネン代表代行は、本格的なスタートが切られるデイ2へ向けて、「今週は誰にとってもタフな1週間になる」と見通しを語っている。
「アクロポリスのような歴史的なラリーに参加できるのはいつも嬉しい。ふたたび夏にここに来ることになったが、今週はかなり暑くて誰にとってもタフな1週間になると思う」
「とくにクルマの中の選手たちは大変だろう。彼らは去年よりタフなラリーになると予想していて、どんなアプローチで臨むべきか自分に聞いてきた」
「近年、クルマはかなり丈夫だからあまり慎重に走るわけにはいかないが、大きな岩などに当たるのは避けたほうが賢明だ。今晩はみんなが最初のステージを無事に走り切って、明日の本格的な挑戦に備えられて良かった」
明日デイ2は、アテネ北部の山岳地帯での6つのグラベルステージが行われる予定。ステージの総距離は108.86km、そのうちループステージは1本のみだ。
[オートスポーツweb 2025年06月27日]