ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第10戦オランダGP 6月27日、2025年MotoGP第10戦オランダGP 初日のセッションがオランダのTT・サーキット・アッセンで行われ、MotoGPクラスのプラクティスではファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)がトップタイムを記録した。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は、20番手で終えている。
先週の前戦イタリアGPから休みなく迎えた今大会もホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)は欠場しており、引き続きロレンツォ・サバドーリが代役を務めている。鈴鹿8耐のプライベートテストでクラッシュし、療養中のルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)も欠場し、今回は中上貴晶ではなくアレイシ・エスパルガロ(ホンダHRCカストロール)が代役に起用された。
Moto3クラスの走行セッションが路面コンディションを理由に赤旗終了となり、コース復旧に時間がかかった影響でMotoGPクラスのフリー走行1回目は当初から50分遅れのセッション開始となった。この頃には路面もほとんど乾くも、気温17度、路面温度22度と依然涼しいコンディション。全員がフロントにソフトタイヤ、リヤにミディアムタイヤの組み合わせだ。
ピットオープンと同時にほとんどのライダーがコースインすると、各車とも最初の1〜3周目は路面コンディションを確認するよう慎重に走行し、4周目以降から本格的にラップタイムを刻んでいく。開始から8分、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が高速の15コーナーでリヤを滑らせてた後マシンが振られてクラッシュ。グラベルに突入した際に左手を強く打ったようで、起き上がるとグローブを外してしきりに確かめていた。
15分が経過し、多くのライダーが1度目のピットインを迎えるなか、走り続けていたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が1分33秒135でトップタイムをマーク。2番手には1分33秒182のマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)、3番手にアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、4番手にファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、5番手にフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が続く。
残り25分ごろから再びコース上にマシンが増え始める。クアルタラロが1分32秒台に入れて、最速タイムを記録すると、直後にマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が1分32秒912で上回ってトップに。
他に遅れて2度目のランへコースインしたマルク・マルケスが残り12分に1分32秒389で首位に立つと、0.220秒差でバニャイアが2番手に続く。まだ路面は不安定な様で12コーナーではアルデグエルがリヤタイヤを大きくスリップさせて、あわや転倒という場面も見られた。
セッション終盤には、マルク・マルケスがさらに自己ベストを更新し、1分32秒216でセッショントップとなった。過去数戦で速さを見せているビニャーレスが1分32秒529で2番手。3番手には1分32秒570でベゼッチが続いた。小椋は19番手となった。
上位10名が予選Q2へのダイレクト進出となる午後のプラクティスは、気温18度、路面温度26度と依然涼しいコンディションだ。すべてのライダーがフロントにミディアムを履き、3分の2がリヤもミディアム、7人のみリヤにソフトを選択してコースインする。
開始から程なくして、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が1コーナーで転倒を喫し、急いでガレージに戻る。数分後には、ほぼ同じタイミングで7コーナーでアルデグエル、12コーナーでフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、最終コーナーでヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)がクラッシュすると、そのすぐ後にも、7コーナーでアレイシ・エスパルガロ、最終コーナーでエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)と短時間に転倒が相次ぐことに。1度目のランで有効なタイムを残したのは12名のみに留まり、トップタイムはベゼッチの1分32秒346となった。
2回目のランでは、フロントタイヤをソフトにするライダーが現れる。そのひとりのマルク・マルケスは、いきなり1分31秒993で首位に立つと、クアルタラロが1分31秒968でトップタイムを塗り替える。
セッション折り返しを前に、11コーナーの進入でリヤを大きく滑らせてしまった小椋は、ハイサイドを起こして転倒。マシンが跳び、炎上する程の大クラッシュとなり、31分55秒を残して赤旗中断となる。
9分ほどの中断を挟んでセッションが再開すると、低い路面温度のためか多くのライダーが前後ソフトに切り替えてコースに入る。早速ビニャーレスが全体ベストを更新するも、直後に僅差でアレックス・マルケスがトップタイムをマーク。
残り25分ごろからセッティングの変更や終盤のタイムアタックの準備のためにすべてのライダーが一度ガレージに戻る。徐々に再びコース上のライダーが増え始めるも、サバドーリが8コーナーで転倒。その際にコース上にオイルを撒いてしまったため、このセッション2回目の赤旗が掲示される。
約10分の中断ののち残り時間13分31秒で再開すると、全車が前後ソフトを選択。小椋は大きな怪我はない様子で2台目のマシンでコースに復帰する。予選Q2への直接切符を争うアタック合戦が始まると、早速マルク・マルケスが1分31秒455で全体ベストを更新する。
終盤に入った残り5分、バニャイアが1分31秒410で最速タイムをマークし、ドゥカティファクトリーがワン・ツーかと思われたが、ベゼッチがさらに上回る。残り3分を切ったところでマルク・マルケスが7コーナーで転倒。FP1の時よりもダメージが大きい様で両腕を支えられながらコース外へ出る。なお、マルク・マルケスはセッション後にメディカルチェックを受けることとなった。
その後、転倒に伴うイエローフラッグをうまく避けたライダーたちが次々とタイムを更新していくと、徐々にタイムを上げていたクアルタラロが1分31秒156のベストタイムを記録して初日最速となった。
2番手には1分31秒258のアレックス・マルケス、3番手には1分31秒349のペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)。4番手にベゼッチ、5番手にバニャイア、6番手にマルク・マルケス、7番手にディ・ジャンアントニオ、8番手にビニャーレス、9番手にモルビデリ、10番手にザルコが続き、ここまでが予選Q2へダイレクト進出を決めた。小椋は1分32秒617で20番手で初日を終え、予選はQ1から挑む。
[オートスポーツweb 2025年06月27日]