「なぜ沈黙するのか耳を傾けて」テニスコーチが指導停止に…『ジュリーは沈黙したままで』

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2025年06月28日 17:11  cinemacafe.net

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『ジュリーは沈黙したままで』 (C)2024
第97回アカデミー賞国際長編映画賞のベルギー代表作品で、第77回カンヌ国際映画祭批評家週間SACD賞を受賞したベルギーの新鋭、レオナルド・ヴァン・デイル監督の最新作が『ジュリーは沈黙したままで』(原題:JULIE KEEPS QUIET)として10月3日(金)に公開決定。主人公のテニスプレーヤー、ジュリーをとらえた場面写真とともに、監督からの声明文が解禁となった。

ベルギーのテニスクラブに所属する15歳のジュリー(テッサ・ヴァン・デン・ブルック)は、その実力によって奨学金を獲得し、いくつもの試合に勝利してきた将来を有望視されているプレーヤー。

しかし、ある日、信頼していた担当コーチのジェレミー(ローラン・カロン)が指導停止となりクラブから姿を消すと、彼の教え子であるアリーヌが不可解な状況下で自ら命を絶った事件を巡って不穏な噂が立ちはじめる。

ベルギー・テニス協会の選抜入りテストを間近に控えるなか、クラブに所属する全選手を対象にジェレミーについてのヒアリングが行われ、ジュリーにとっては大きな負担がのしかかる。

テニスに支障を来さないよう日々のルーティンを崩さず、熱心にトレーニングに打ち込み続けるジュリーだったが、なぜかジェレミーに関する調査には沈黙を続け……。

この度解禁されたシーン写真は6点。不穏な雰囲気をたたえたまま、壁を背に筋トレに励むジュリーのほか、しなやかな肉体でテニスのトレーニングをこなす様子や、レッスン後の姿など、彼女の変わらない日常を捉えたものに。

本作公開にあたって届いた監督の声明文にある「ジュリーが沈黙する姿を見て、なぜ沈黙するのか耳を傾けてほしい」という言葉の通り、沈黙と向き合うこと、自分の頭の中で考え尽くすことでしか辿り着けない“沈黙の意味”を、監督、そして劇中の登場人物たちと共に手探りで探していくミステリーのような作品にもなっている。

なお、本作の共同プロデューサーとして名を連ねるのは、社会問題に光を当て続けてきたダルデンヌ兄弟。また、この物語に共感を示したテニス界のスター・大坂なおみが、エグゼクティブ・プロデューサーとして公式に後押し。

過去、大坂がメンタルヘルスの重要性を訴えたことに大きく感銘を受けたレオナルド・ヴァン・テイル監督は、「彼女が声を上げてくれたことで、世界中の少女たちに“NOと言う選択肢”が開かれた。本当に価値あることです」と語っている。

主人公となる、15歳の天才ジュニア選手・ジュリーを演じたのは、実生活でも若きテニス選手であるテッサ・ヴァン・デン・ブルック。

また、登場するティーンエイジャーたちは全員ノンプロの俳優。実際の所属クラブの仲間たちを起用することで、監督は幼い主演俳優が安心できる空間づくりを徹底した。

<レオナルド・ヴァン・デイル監督による声明文 全文>
『ジュリーは沈黙したままで』との個人的なつながりについて語りたくなるが、皆さんにジュリーの声を聞いてほしい。
ジュリーが沈黙する姿を見て、なぜ沈黙するのか耳を傾けてほしい。

沈黙することがジュリーの掟であり、私はジュリーの掟を破らないと誓った。
だから私は、ジュリーの沈黙の中に光をもたらすという唯一の目的のために、
ジュリーの歩調、ジュリーの時間の中で物語を進めようと努めてきた。
ジュリーは自ら沈黙を選んだわけではなく、沈黙することで注目の的になろうとしているわけでもない。

優しい沈黙もあれば強烈な沈黙もある。時に暴力的で、特に力を与えてくれる。
ジュリーの沈黙に飛び込むことは驚くべき旅だった。
ジュリーは思いがけない形で私を導き、自分自身やこの世界について理解を深める手助けをしてくれた。
私たちは皆、何らかの形でジュリーであり、それぞれが沈黙を抱えているのだと気づかせてくれた。

新たな章を開くということは、ジュリーを放つことを意味する。はっきり言って簡単なことではない。
ジュリーは強いけれどまだ若く、もろくもある。もし何かあったら?
それでも…
ジュリーの沈黙は皆さんに知られることになった。
ジュリーの沈黙は今、あなたのものとなった。

レオナルド・ヴァン・デイル

『ジュリーは沈黙したままで』は10月3日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。





(シネマカフェ編集部)

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