抜きにくいセパンで5台のオーバーテイク。幻の3位にSTANLEY牧野「無線トラブルでペナルティは知らなかった」【第3戦決勝】

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2025年06月29日 12:40  AUTOSPORT web

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まさかの予選Q1敗退から、決勝では牧野の連続オーバーテイクで3番手まで順位を上げたSTANLEY CIVIC TYPE R-GT。最終的にはペナルティで5位に。
 セパン・インターナショナル・サーキットで行われた2025スーパーGT第3戦決勝。中高速コーナーが多くて前にマシンがいるとダウンフォースが抜けやすく、フルブレーキングが少ないコース特性などの影響で、レースはなかなかオーバーテイクシーンが難しい展開となったなか、GT500クラスで5台を追い抜く活躍でレースを盛り上げたのがSTANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐だ。

 レースは3番手まで順位を上げてフィニッシュしたが、10秒のタイム加算ペナルティで最終結果が6位となったこともあり、内容とは裏腹にレース後は悔しい表情をみせた。

 11番グリッドからスタートした100号車STANLEYは、山本尚貴がスタートを担当。入賞圏内に入るまで順位を上げ、レース全体の3分の1が過ぎた20周目にピットイン。牧野に交代し、この時点で暫定8番手という状況から、牧野が怒涛のオーバーテイクを見せた。

 まずはModulo CIVIC TYPE R-GTをパスすると、続いて38号車KeePer CERUMO GR Supraとのバトルへ。何度も仕掛けるがなかなか抜ききれない展開が続くなか、29周目の14コーナーで並びかけて並走状態で最終コーナーに入った。ブレーキングの時点で牧野が駆る100号車はアウト側にいたが、クロスラインをとってコーナー脱出時にはイン側に。しかし、ここでアウト側の38号車の大湯都史樹と接触しながら押し出すかたちとなり、10秒加算のペナルティが課せられた。

 実は、このペナルティに関して「無線のトラブルで全く使えていなかったので、10秒加算ペナルティだったことを知らなかったんです」と牧野。

「ペナルティがあってもなくても、自分のやることは変わらなかったので」と、終盤にかけて前のマシンを次々と攻略していった。

 まずは、49周目の9コーナーで17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTをインから追い抜くと、続く19号車WedsSport ADVAN GR Supraに関しては「19号車は14コーナーでインに入って、そのままバックストレートは並んだまま行きました。最終コーナーを立ち上がっても並走して、(50周目の)1コーナーで前に出ました」と牧野。残り2周の14コーナーではTSR IMPUL with SDGs Zを攻略して3番手フィニッシュを果たした。

 オーバーテイクが難しいサーキットでの怒涛の追い上げについて、牧野はこう振り返る。

「後半は路面温度が下がってくることを見越して、少し柔らかめのタイヤでいこうと決めていて、それがうまく行ったのかなと思います。クルマのパフォーマンスは高いところにあったので、純粋なスピードは見せられたと思います」

「クルマの速いところ/遅いところが分かっていました。僕たちのクルマは低速コーナーが速かったですし、ブレーキもいけたところがあったので、けっこう飛び込めた部分はありました。なんとなく狙いを決めて(抜きに)行っていたので、その狙いどおりにできました」

「ただ、17号車が一番時間かかりましたね。ちょうど19号車、17号車と3台連なっていた状態で……やっぱり3台つながるとけっこうエアロが抜けてしまうんです。その時は10秒加算とか知らなかったけど、できれば17号車をもう少し早く抜けていたら、少なくとも(最終結果で)19号車の前にはいられたのかなと思います」

 5台追い抜いたとはいえ「ペースは良かったので、展開次第では勝てた可能性はあったので、もったいないというか悔しいレースにはなったかなと思います」と牧野。ちょうど、決勝日の6月28日は彼の誕生日だったが、心からハッピーというかたちでは、レースを終えることはできなかったようだ。

[オートスポーツweb 2025年06月29日]

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