若手漫才師の登竜門「第46回ABCお笑いグランプリ2025」決勝が29日、大阪市のABCテレビで行われ、お笑いコンビ、エバース(佐々木隆史=32、町田和樹=33)が優勝した。2年連続2回目の決勝で、結成10年目のラストチャンスをものにした。
決勝戦ファーストステージBブロックを「クルマ」ネタで突破すると、家族チャーハン、かが屋との決勝戦ファイナルステージでは「ケムリ」ネタの漫才を披露。667点を獲得し、出場総数542組の頂点に立った。昨年の「NHK新人お笑い大賞」大賞につぐ2つ目の賞レース制覇となった。
ファイナリスト12組中、ラストイヤーが5組いた中で優勝を勝ち取り、佐々木は「ラストイヤーで優勝できて、同世代がいっぱいいる中で一番おもしろいっていうのを証明できて良かった」。町田も「同期でテレビとかに先に出た芸人もいっぱいいましたけど、賞レースではいったん10年目でまくった。良かったです。うれしかったです」と笑顔を見せた。
NSC東京校出身。大阪の“アウェー感”も昨年経験済み。佐々木は「町田の口のにおい的に緊張してるのかなって。臭すぎてネタが飛びそうになりました」と1本目の後に歯磨きを指示。昨年末のM−1グランプリ4位の経験もあり、佐々木自身は「緊張はありましたけど、あまり気にならなかったですね。良い感じのピリピリ感でした」、町田も「お客さんと顔を合わせて一体感を。今日はお客さん、審査員、テレビの前の皆さんすべてを巻き込んで1つの空間にしてやろうやろうという意識でやりました」と堂々とネタを披露した。
同コンテストは80年に「ABC漫才・落語新人コンクール」として誕生し、89年からは「ABCお笑い新人グランプリ」、12年からは現在の「ABCお笑いグランプリ」に名を変え開催。歴代優勝者にダウンタウン、ナインティナイン、千鳥らが名を連ね、若手の登竜門となっている。とろサーモン、霜降り明星らが後にM−1も制しており、昨年の令和ロマンは、M−1優勝後に同コンテストを優勝していた。
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当然、目標は年末のM−1グランプリ2025になる。佐々木は「M−1用にネタもとってある。数カ月間、普段のライブや寄席でたたいて挑もうかな」と目線を向け、町田も「15年目までは出られる。先輩もいるんで。漫才で僕が何を言うんだみたいな空気の時もあるので、そのハードルを越えていきたい」と意気込んだ。
エバースは大ベテラン漫才師の中田カウスからも期待をかけられている。町田は、今大会に向けてカウスから激励は特になかったとしつつ、「今日はカウス師匠の誕生日なんですよ。あとで『取りました』って連絡しておきます」と話していた。
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