二つの衛星を一つに=継続観測と高機能化で貢献―H2A搭載の「いぶきGW」

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2025年06月29日 19:31  時事通信社

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時事通信社

鹿児島県・種子島宇宙センターで公開された衛星「いぶきGW」=5月(JAXA提供)
 H2A・50号機で打ち上げられた「いぶきGW」は、温室効果ガスの排出状況と、水蒸気や海面水温の観測というこれまで異なる衛星が担ってきた任務を1基で行う。いずれも、日本が長年にわたり継続しており、データの蓄積とセンサーの性能向上で地球規模の気候変動対策に貢献する。

 温室効果ガス観測では、2009年の衛星「いぶき」から数えて3代目となるセンサーを搭載。これまでは二酸化炭素やメタンの濃度を「点」で測定してきたが、3代目は広範囲を「面」で捉える。解像度も10キロ四方から3キロ四方に高精細化し、国単位の排出状況だけでなく、都市や発電所などの大規模排出源を特定しやすくした。

 一方、水蒸気や降水の量、海面水温などの観測センサーは02年の衛星「みどり2」、12年の「しずく」などに搭載されてきた。水蒸気量の観測による豪雨や台風予測の改善、海面水温データによる漁場探索などに役立てる。

 新たな観測周波数を追加し、降雪量や氷の高解像度観測も可能に。気候変動に大きな影響を及ぼす北極や南極の海氷や氷床などの詳細な変化も取得する。 

H2A・50号機で打ち上げられた温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」のCG(JAXA提供)
H2A・50号機で打ち上げられた温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」のCG(JAXA提供)

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