M.マルケスが圧巻の3連勝。ベゼッチはアプリリアで2度目の表彰台/第10戦オランダGP

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2025年06月29日 22:10  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第10戦オランダGP
 6月29日、2025年MotoGP第10戦オランダGPの決勝レースがTT・サーキット・アッセンで行われ、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が勝利を飾った。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は転倒リタイアとなっている。

 前戦イタリアGPでは負傷中のルカ・マリーニの代役を中上貴晶が務めたが、今大会はアレイシ・エスパルガロ(ホンダHRCカストロール)が起用されている。また、長期欠場中のホルヘ・マルティンの代役はロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)が務める。

 初日、2日目と厚い雲の下での走行が続いたが、日曜日の朝のウォームアップ走行は空の半分ほどが青く晴れ、路面温度は大会期間中で最も高い32度を記録。このセッションは、トップがアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)、2番手がマルク・マルケス、3番手がマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)の順で終了した。

 ポールポジションは、前日のスプリントで転倒リタイアとなったファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)だ。同じ1列目に並ぶのはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、アレックス・マルケスで、スプリントの勝者マルク・マルケスは2列目4番グリッドから決勝に臨む。

 また、前日に行われた予選でアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)の走行を妨害したとしてエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)に決勝グリッドペナルティが科され、予選17番手のバスティアニーニは20番グリッドに降格となり、ミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)、リンス、小椋はひとつずつ繰り上がった位置からスタートする。

 決勝は、直前に現れた黒い雲が最終コーナーの方角に抜けていき、明るい光が差すなか準備が始まった。気温は前日と大差ない24度だが、路面温度は43度まで上昇。これを受けてほとんどのライダーがフロントにハードタイヤを選択し、ソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)のみがミディアムを履く。リヤタイヤはミディアムを選んだライダーが多く、ホンダの4台とサバドーリ、小椋がソフトを装着した。

 全26周で争われる決勝レースの1コーナーを制したのは2番手スタートのバニャイアだ。その後ろにアレックス・マルケス、マルク・マルケス、ポールのクアルタラロが続く。

 スタート直後の5コーナーでオリベイラが小椋と接触し転倒。小椋はその場でリタイアしたが、マシンのカウルが破損したオリベイラは一度ピットに入り、再びレースに復帰した。

 1周目をトップで通過したのはバニャイアで、マルク・マルケスは1コーナーで2番手に浮上する。さらに最終シケインではベゼッチが3番手に上がり、アレックス・マルケスは4番手まで落ちた。徐々に隊列が縦並びに変わり、6番手までが先頭集団となった。クアルタラロは7番手に後退しており、トップ争いから離れ始める。

 4周目、サバドーリが転倒。このころ先頭2台はバニャイア、マルク・マルケスの順で変動はないが、アレックス・マルケスがペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)にも抜かれて5番手に。

 バニャイアの後ろについていたマルク・マルケスが5周目の最終シケインで、ついに先頭に立つ。トップ争いに食らいつこうとしていたアレックス・マルケスは、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)とサイド・バイ・サイドで接触し、フロントブレーキがかかり6周目の6コーナーで転倒。アレックス・マルケスはリタイアし、メディカルセンターでメディカルチェックを受けた結果、左手の骨折が確認された。

 そのアクシデントの直後、7番手のフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)がハイサイド転倒を喫して、9番手のジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)が追突して転倒を喫し、レースを離れた。

 このころ8番手だったクアルタラロはアクシデントを避けた結果13番手まで順位を落としており、先頭争いが遠い状況となる。8周目は先頭争いでは、3番手を走っていたベゼッチがバニャイアをかわして2番手に躍り出た。バニャイアは続けて9周目にアコスタにもオーバーテイクを許し、4番手に後退。上位は欧州メーカー争いが展開される。10周目の終わりにはオリベイラがピットに入りレースを諦めた。

 レース折り返しの時点でコースに留まっているのは16台。そのうちのマルク・マルケス、ベゼッチ、アコスタ、バニャイアの4台が先頭集団を形成し、その約1秒後方にモルビデリを筆頭とするビニャーレス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)の5番手集団が続く。

 後半の表彰台争いはバニャイアのペースに軍配が上がり、15周目にアコスタをかわして3番手に立つ。そのままペースを上げたバニャイアは15・16周目にファステストラップを記録。上位争いががさらに密集し始めた。先頭集団の約3秒後方で展開される5番手争いは、ビニャーレスがモルビデリをかわし、集団を率いている。

 残り9周になるとタイヤの消耗も激しく、2番手のベゼッチはリヤタイヤをスライドさせながらコーナーを立ち上がるが、前を行くマルク・マルケスに対し約0.1秒まで詰め寄る。後方では9番手争いが密集し、特に10番手のバスティアニーニに対して11番手のクアルタラロがその差を徐々に詰めていった。

 19周目、モルビデリが最終シケインをショートカットしたとして審議。結果としてモルビデリにロングラップペナルティが科された。

 残り5周になると、アコスタが先頭争いから離され始め、3番手のバニャイアから約1秒の差をつけられる。そのバニャイアも2番手のベゼッチから置いて行かれ始め、優勝はマルク・マルケスと約0.3秒後方のベゼッチの一騎討ちで争われることとなった。

 残り2周、マルク・マルケスはセクターベストを出しながらスパートをかけ、ベゼッチとの差を広げ始める。そのままマルク・マルケスは先頭に立ってから一度も首位を譲らず、危なげないレース運びで今季6度目となる勝利を手中に収めた。68勝目でジャコモ・アゴスチーニの優勝記録2位に並んだ。

 2位に続いたのはスタートから3ポジションアップを果たしたベゼッチで、3位はバニャイア、4位にアコスタ、5位にビニャーレスのトップ5。6位はディ・ジャンアントニオ、ロングラップペナルティを消化したモルビデリは7位となった。

 ポールスタートのクアルタラロは10位まで順位を回復し、ランキングポイントを6ポイント獲得している。また、最終ラップにはソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)がアレイシ・エスパルガロを抜き15位で初ポイントを獲得した。

[オートスポーツweb 2025年06月29日]

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  • ホンダのお荷物チャントラは、兄エスパルガロに抜かせてもらったのが正しいのだろ
    • イイネ!4
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