女優鳴海唯(27)がNHK連続テレビ小説「あんぱん」に登場する。6月30日から放送の第14週から、主演の今田美桜演じる朝田のぶが入社する新聞社「高知新報」の同期社員役を演じる。ヒロインオーディションにも最終選考まで残り、出演を願っていた中での抜てき。作品への思いや、演じた新聞記者の印象、下半期以降に控える新たな仕事への思いなどを語った。【取材・構成=松尾幸之介】
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「私はアンパンマンのような人になりたい」。作品内容発表前に行われたヒロインオーディションの自由記入欄に思いをつづった。「これは運命だ」。書類を見た制作統括のNHK倉崎憲氏をびっくり仰天させた。最終演技披露前に思いを聞かれた鳴海は「人生を変えたいです」と涙ながらに語る。そんな姿から、今回の小田琴子役を託された。
鳴海は「マネジャーさんとどういう人になっていきたいかと話していた中で『愛と勇気を共有できる人になりたい』と言っていて。どんな人だろうと考える中で出たのがアンパンマンみたいな人かなと。それがご縁につながりました」と振り返った。当時は「すごく必死な時期だった」といい、最終オーディションの際は内容も知っていたことから「作品に参加することができたら何かが変わる予感がしました」。涙については「記憶があんまりないんですけど」と笑いつつ「熱量が高くなってしまって泣いていたのかな。あの時はとにかく必死でしたね」。
今田演じる主人公のぶと、北村匠海演じる柳井嵩の人生にも影響を与える重要な役どころ。記者役で感じたことには執筆内容のバランスの難しさを挙げた。「本当に取り上げないといけないことを取り上げられないジレンマとか、そうしたことは現代にも通じるのかなと思いました。物語ではそこに葛藤する記者の姿も描かれています」。広告営業に回るシーンなどもあるといい「当時は企業もあまりお金がなく、全然とれない。門前払いです。そうした仕事についても知ることができました」。
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戦後まもない頃に実在した密造酒「カストリ」を飲むシーンもある。「琴子はかなり酒豪な役なんです。お酒でストレスを発散しているような感じですね。私自身はそんな感じではないですよ(笑い)。いつもしっぽりと飲んでいます」。
「あんぱん」出演も起爆剤とし、今後も映画やドラマ出演が多数決定。人生は、変わりつつある。「挑戦してみたかった役柄に挑戦できそうです。後悔のないように向き合いたいですし、これから『あんぱん』での反響も何かあったらうれしいなと思っています」。
取材部屋には電子台本を見るために購入したタブレットを持参。取材で「話すことを間違えないように」とカンペ代わりだったが、1度も見ず。「愛と勇気」のこもった真っすぐなまなざしで、今の思いを語りきった。
◆鳴海唯(なるみ・ゆい)1998年(平10)5月16日生まれ、兵庫県出身。女優の夢を追い、19歳で関西の大学を中退して上京。養成所を経て19年デビュー。同年NHK連続テレビ小説「なつぞら」出演、21年「偽りのないhappy end」で映画初主演。23年「どうする家康」で大河ドラマ初出演、24年ドラマ「Eye Love You」でGP帯連ドラ初レギュラー。趣味・特技は運動全般。お笑い好き。昨年11月からグルテンフリー生活継続中。今年の抱負は「気さくな人になる」。156センチ。
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