
6月29日(日)の放送は「村上RADIO〜ボブ・ディラン・ソングブック〜」をオンエア。今回は、好評の「ソングブック」シリーズにいよいよボブ・ディランが登場。さまざまなアーティストが趣向を凝らしてカバーしたボブ・ディランの名曲の数々を、村上DJの選曲でたっぷりとお届けしました。
この記事では中盤4曲について語ったパートを紹介します。
◆Joan Osborne & Jackson Browne「My Back Pages」
◆Johnny Cash「It Ain't Me, Babe」
アルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』からもう2曲聴いてください。ジョーン・オズボーンとジャクソン・ブラウンがデュオで歌う「マイ・バック・ページズ」、そしてジョニー・キャッシュが歌う「It Ain't Me, Babe」。
ジョニー・キャッシュ、映画「名もなき者」にも出ていましたが、人気絶頂のばりばりのカントリー歌手であるにもかかわらず、ボブ・ディランの音楽に惚れ込んで、彼の歌を熱心に歌って世に広めました。僕は彼がサン・クエンティン刑務所における慰問ライブで歌った、ディランの「ウォンテッド・マン」がとても好きでした。この「It Ain't Me, Babe」もしっかりドスがきいていて素晴らしいですが。
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◆Solomon Burke「Maggie's Farm」
4枚目のアルバムは『Bringing It All Back Home』。このアルバムの半分はアコースティック楽器、後の半分はエレクトリック楽器で演奏されているという、まさにディランの過渡期の音楽世界になっています。
僕はこの曲、昔から好きなんです。「マギーズ・ファーム」、ソロモン・バークが歌います。「おれはもう金輪際(こんりんざい)マギーの農場では働かないぞ」という決意を述べた貧しい労働者の歌です。これは古くからあるブルーズ曲を焼き直したというか、換骨奪胎(かんこつだったい)したものらしいですが、でもディランが歌うと、歌詞のすべてがまるで何かの比喩のように聞こえます。
ソロモン・バークは黒人のソウル歌手ですが、彼の声はこの曲によく合っています。かっこいいです。
◆Åge Aleksandersen Med Band Og Taraf de Haïdouks「Hei, Spellemann」
次はちょっと毛色の変わったところで、ノルウェイの歌手がノルウェイ語で「ミスター・タンブリン・マン」を歌います。ノルウェイ語のタイトルは「Hei, Spellemann」、意味はわかりませんけど。
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<番組概要>
番組名:村上RADIO〜ボブ・ディラン・ソングブック〜
放送日時:6月29日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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