24時間にわたった長い戦いを終え、パルクフェルメに向かう63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシング・チーム) 2025年スパ24時間 ランボルギーニのワークスドライバーであるジョーダン・ペッパーは、ランボルギーニが『クラウドストライク・スパ24時間レース』で長らく待ち望んだ初の総合優勝を達成した後、同ブランドの「ファミリー」のような雰囲気を称賛した。
GRTグラッサー・レーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2をドライブしたペッパー、ミルコ・ボルトロッティ、ルカ・エングストラーのトリオは、6月28〜29日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催された第78回スパ24時間レースの終盤のバトルで、ルトロニック・レーシング(96号車ポルシェ911 GT3 R)を破りイタリアのスーパーカーメーカーに画期的な結果をもたらした。
ランボルギーニは2015年にウラカンGT3がデビューして以来、スパ24時間レースでの勝利が主要な目標であったにもかかわらず、これまでの最高位は総合5位に留まっていた。
デビューから10年以上が経ち、過去数回の惜敗を経て初の勝利を確保したことで、ペッパーはランボルギーニがスパでようやく「重荷から解放された」ことに安堵感を露わにした。
「ランボルギーニに加入する以前から、彼らとレースをしていたが、スパではいつも“呪い”のようなものがあった」とペッパーは述べた。
「何かが不足していたわけではないが、悪いことが起こる理由は数多くあり、それは24時間レース全般に言えることだと思う。チャンスを逃すたびに、翌年はさらに懸命に努力しようと考える人々にプレッシャーが加わっていったように思う」
南アフリカ出身のドライバーは、「スパでのランボルギーニのすべての挑戦は、つねにより多くのエントリーを持つ大手GT3ブランドに対し、小さな努力に過ぎなかった」と勝利へ近づくことへの難しさを語った。
「そんななか今年は、競争力の面で2台の強力なクルマが上位を争う状況にあったと思う。163号車の不運については、本当に気の毒に思う。おそらく、彼らも僕たちと同じくらい勝利に値したはずだが、それがときにはこのレースの宿命でもある」
「しかし、ついにその重荷を下ろすことができたのは、皆にとって信じられないほど誇らしい瞬間だ! 誰もがが非常に誇りに思うことができると思う。おそらく、ウラカンでの最後のスパ24時間レースのひとつになるであろうこのレースで、その功績をリストに加えるのに完璧な方法だ」
「ウラカンは多くの24時間レースで勝利を収めてきたが、スパだけはつねに手の届かないものだったからね」
ペッパーは、「長年にわたってイタリア本国の人々が注いできたすべての努力が、ついに報われたのを見るのは、本当に、本当に素晴らしいことだ」と付け加えた。
さらに彼は、この勝利はランボルギーニ・スクアドラ・コルセという「小さな家族」のすべてのメンバーのおかげだと語り、「つねに一丸となって前進してきた」とチームを称賛した。
「これは誰かひとりの功績ではなく、この歴史的勝利を実現させた素晴らしいチームメンバー全員の力によるものだと思う」と彼は述べた。「ランボルギーニは小さな家族だが、まさにそのとおりだ。ファミリーであり、皆が一緒に前進しているんだ」
「ドライバー、本国のエンジニア、サポートクルー、カスタマーチーム、ファクトリーサポートチーム、その誰もが120%の力を発揮し、一体となってつねに前進している」とペッパー。
「ここスパではクラス優勝は何度かあったが、総合優勝は一度もなかった。ブランドを代表して表彰台の最上段に初めて立てたことを誇りに思う。このことは一生忘れられない思い出になるだろう」
「繰り返しになるが、これはランボルギーニにとっても、僕にとっても初めての勝利であり、特別なことなんだ」
[オートスポーツweb 2025年06月30日]