セバスチャン・オジエ(左)とオィット・タナック(右)2025年WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 互いを讃えるセバスチャン・オジエ(左)とオィット・タナック(右) 6月29日、南ヨーロッパのギリシャにて、2025年WRC世界ラリー選手権の第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ4が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合優勝を飾った。また、日曜のみの総合順位でポイントを競う“スーパーサンデー”ではセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が最速となった。
そして、日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合30位完走でラリーを終えた。そんな第7戦を終えた各陣営より、ドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/リタイア
「ギリシャでの経験は残念な終わり方になったが、全体的にはいくつかポジティブなことも得られた。とくに金曜日はコンディションが良かったので、プッシュして3番手のタイムを出すことができ、マシンのポテンシャルを示すことができた」
「他の部分では慎重に進み、長期的な戦略を立てて金曜日は総合5番手、土曜日の夕方は総合6番手でフィニッシュした。だから、週末にはポジティブなことがたくさんあった。土曜日の夜にリタイアするはずではなかったが、僕たちはもっと強くなって戻るだろう」
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)/総合12位
「チーム、マシン、クルー、誰にとっても非常に厳しい週末だったと思う。こういった出来事を乗り越えられるのはうれしいことだ。昨日の午前中は大きな困難に直面した。岩にぶつかってしまったんだ。でもなんとかマシンを修理して走り続けることができた」
「今日はかなり順調で、ドライビングの観点から多くのことを学ぶことができた。フィンランドで良いテストをして、次のふたつのラリーに向けてしっかり準備できればと思う」
●マルティン・セスクス(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/総合15位
「いくつかのステージではポジティブな点を見つけることができたと思う。パワーステージのパフォーマンスは悪くなかったし、他のステージでも同様だった」
「初めてここに来たので、僕たちは多くのことを学ぶ必要があったけれど、いくつかの点ではかなりうまくできたと思う。あまり良くなかった点もあるが、重要なのは今後のために知識を得ることだ」
「少なくとも今では、このラリーに向けてどのような準備をすればよいか、より多くのことがわかっている。他のラリーに比べてさらに綿密な準備が必要だし、今週得た経験は今後の準備にも役立つだろう」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合5位
「手堅くポイントを獲得してギリシャを離れるが、望んでいた週末とは違っている。パンクが3回あり、それ以降もマシンに別の問題が起きた」
「そうしたことは今日の最後の努力の役には立たなかった。全体的に多くのトラブルがあったが、パワーステージに向けてマシンを修理し、3番目に速いタイムで終えることができた」
「次のエストニアでは表彰台フィニッシュを狙って、多くのポイントを獲得したいと思う。僕の好みの路面ではないが、過去に良い成績を残しているので、どうなるか楽しみだ」
●オィット・タナック(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合優勝
「最高の週末だったが、同時に信じられないほど厳しいものだった。気温とラリーの長さは大きな障害だったが、勝つためのパッケージをまとめ上げ、タイヤを長持ちさせ、パフォーマンスを発揮できたことをとてもうれしく思う」
「土曜日の朝からペースをコントロールすることができ、走行中の感触も良く、このようなコンディションで本当にうまく機能していた。週末を通してのカギは、最小限のリスクでプッシュし、荒れた場所では控えることでパンクを回避することだった」
「全体として、このような状況でアクロポリスで初勝利を収めることができ、とてもうれしいよ」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合3位
「今回は僕がこれまで参加したアクロポリス・ラリーのなかで、もっとも過酷なもののひとつだった。気温は非常に高く、地面は砕けた岩が散らばっていて本当に荒れていた」
「ラリー中にパンクが多発しているのを目にしたが、僕たちはタイヤのダメージを最小限に抑えて回避することができた。表彰台に上がることができてうれしいよ」
「2位を争っていたが、昨日の問題(リヤサスペンションの破損)があったため、その戦いは終わってしまった。3位を確保することは僕たちにとって非常に重要なことだ。それを達成できたので、週末全体としては満足している」
■TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合4位
「非常に厳しいコンディションのタフな週末だったが、トラブルを避けて再び4位でフィニッシュできた。日曜日のポイントも獲得して、ライバルたちとの差を少し縮めることができた」
「直近3戦のラフグラベルラリーを出走順トップで走ることで、選手権首位の座を失う可能性も充分あったことはよく分かっていた。だから、その点は満足している」
「次はまったく異なるタイプのラリーなので、さらにペースとパフォーマンスを発揮できることを期待している」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合27位
「再出走した今日はトリッキーな1日だった。出走順の関係でそれほど多くを望める状況じゃなかったが、それでもパワーステージでのペースは悪くなく、4ポイントを獲得できた」
「これは自分が置かれた条件下での最良の結果だと思う。今回は本来あるべきペースやレベルに達していなかったので、自分にとっては最高の週末じゃなかった」
「改善の余地があることは分かっているから、もっと強くなってエストニアに戻るために努力するつもりだ」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合2位
「今回もまた非常に力強く戦えた週末だった。オィットのペースに対しては、出走順の違いも加味すると、僕たちにできることは限られていた。彼はよくやったと思うし、勝利に値する走りだった」
「27ポイントを獲得したのは、この週末に得られる最大の結果だと思うから、とても満足している」
「シーズンの前半戦を終えて、僕たちはマニュファクチャラー選手権を依然リードしている。チームがつねに全力で頑張ってくれたことに感謝するし、シーズン後半もこの調子で頑張るよ」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合30位
「パワーステージで結果を出すことができなかったのは残念でした」
「集中し全力でプッシュしてはいましたが、決して無理な走り方はしていませんでした。スプリットタイムを見ても、タイヤ交換のために止まるまでは全体で最速でした」
「フラストレーションの溜まる週末でしたが、このラリーは非常に過酷ですし、そういったことも起こり得ると分かっています。重要なのは落ち込むことなく前を見て、次のエストニアとフィンランドに備えることです」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合46位
「今日はふたたび走れて気分が良かった。戦いに復帰させてくれたチームには感謝している」
「出走順トップでステージに臨み、ルースグラベルを掃き飛ばしながら走るのは自分にとって奇妙で慣れないことだったが、いい経験になった」
「この週末の結果は期待していたものじゃなかったと言えるけど、金曜日の序盤はかなり速さを発揮できた。ペースが向上していることが分かったのは良かったし、次のイベントが楽しみだ」
[オートスポーツweb 2025年06月30日]