
「大変ふがいない終わり方で31年間応援してくれたファンの方には本当に申し訳ない。こんなかたちで終わらすつもりはなかったんですけど」
6月27日、主演する舞台の公演先で、集まった報道陣を前に、そう語った松岡昌宏。2日前の25日、TOKIOは公式サイトで解散を発表したが、その原因となった国分太一は会見をせず無期限の活動休止となった。
「6月20日、日本テレビの福田博之社長が記者会見を開き、国分さんについて“過去に複数のコンプライアンス上、問題ある行為が認められた”と発表。あわせて同局で放送されているTOKIOのレギュラー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』から国分さんは降板することを報告しました」(スポーツ紙記者)
1994年に結成されたTOKIO。アイドルでありながら硬派なロックバンドというスタンスで活動をしていたが、2000年ごろからは“農業タレント”としても認知されるようになった。
「『鉄腕!DASH!!』の番組内で福島県内の土地を開墾して新しい村をつくる『DASH村』がスタート。この企画でTOKIOは、農作業や畜産などに本格的に取り組んできました。そんな姿が話題を呼び、アイドルファンのみならず、お茶の間でテレビを見る幅広い層からも支持されるようになったんです」(テレビ局関係者、以下同)
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2011年に発生した東日本大震災でDASH村も被災したが、TOKIOと福島県の絆はますます深まっていく。
福島県庁に設立された『TOKIO課』
「震災の翌年から、TOKIOは福島県産の農産物を積極的にPR。復興のために尽力してきました。2018年にメンバーの山口達也さんが、2021年に長瀬智也さんが脱退しましたが、福島県との協力関係は変わらず。行政側と密接な連携を取るための福島県庁内の部署『TOKIO課』が設立され、2022年にも福島県西郷村にTOKIOが運営する広場『TOKIO―BA』がオープンしました」
しかし、一連の騒動を受けてTOKIO課の名称は変更、TOKIO―BAも無期限の休園となった。
福島県の内堀雅雄知事もTOKIOの解散を受けて、
「風評払拭、農業振興、地域を元気にしようということで頑張っていただいただけに、本当に残念でなりません」
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と惜しむようにコメントしている。
TOKIOを解散に至らせた国分のコンプライアンス違反の内容だが、日本テレビ側は“プライバシーの観点から説明を控える”と、詳細は語らず。国分自身も事務所を通じての謝罪コメントで、
《長年の活動において自分自身が置かれている立場への自覚不足、考えの甘さや慢心、行動の至らなさが全ての原因です》
と語るのみで、具体的な内容は明かされないまま。
そもそも、これまでの国分はスキャンダルとは無縁のタレントだった。
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「ワイルドなメンバーぞろいのTOKIOですが、国分さんは温和な優等生タイプ。好感度も高く、2014年から5年間はテレビ出演本数1位を獲得するほどの人気タレントでした。『鉄腕! DASH!!』でも一級小型船舶操縦士免許の資格を活かしたり、陶器づくりなどのクリエイティブな面でも活躍していました」(前出・テレビ局関係者、以下同)
「TOKIOという屋号を守りたい」
2020年7月、週刊女性は城島茂、国分、松岡の3人体制となり「株式会社TOKIO」を立ち上げる決意をした彼らにインタビューをした。その際、国分は“TOKIOという屋号を守りたい”と言い、社会貢献など未来への展望を熱く語っていた。
それからわずか5年で潰えてしまった国分の夢。その後、メンバーたちの反応はというと、
「城島さんと松岡さんは仕事の合間をぬって福島県や関係者に国分さんの不祥事の謝罪に奔走しているそうです」(前出・スポーツ紙記者)
芸能界を引退後、アルコール依存症の治療に関する講演を続ける山口は、
《トンネルはいつか抜ける。雨はいつか止む。暗く長いトンネルだったからこそ、小さな光が眩しく感じる》
と、国分へのエールとも受け取れる文章をSNSに投稿。
一方の長瀬は6月20日に、自身が嗜むバイクレースを引き合いに出しながら、
《ヤラセだらけの世界に疲れたらレースをおすすめします。そのかわりヤラセだらけの世界に戻れなくなります》
と、意味深な文章をインスタグラムに投稿。“ヤラセ”とは脚色によって、真実をねじ曲げる行為を指す。
カメラが回っていないところで
今回の騒動により、国分の番組などで見せる顔とは異なる“黒い一面”が次々と噴出している。
「国分さんはカメラの回っていないところで自分より立場が弱い番組スタッフや後輩に対して執拗なイジりを行ったり、暴力的な言動などのパワハラ行為があったと報じられています。ほかにも女性スタッフをしつこく食事に誘ったり、ボディタッチを繰り返すなどのセクハラ行為があったとも。いずれも証言のみですが」(ワイドショースタッフ)
情報が錯綜する中、今回の事情を知る番組制作会社関係者は、このように語る。
「今回、国分さんの行動で特に問題となったのは、性的な画像を要求するといった行動が発覚したからのようです。なんでも国分さんはアプリを通じて、相手が男性や女性を問わず、猥褻な動画や画像を送りつけたり、逆に画像を要求していたとか。本人はそれを“仲間のノリ”みたいにして楽しんでいたんだそうです。これらの行動を日本テレビ側が把握し、問題行為として一発アウトとなったとか」
この話が確かであるとしたら、辻褄が合う。
「高圧的な言動を繰り返す大御所の有名人なんてたくさんいます。程度にもよりますが、それが原因で今までの貢献を考慮せず、長年続けてきた番組をすべて降板させたり打ち切るというのは処罰が厳しすぎるので、単純なパワハラとは考えにくい。コンプラ違反が女性へのセクハラであれば、中居正広さんが大々的に報じられたように、今後被害者が声をあげる可能性もあります。日テレの社長が会見で“刑事事件になる事案ではない”と語っていますから、暴行なども違うかと。国分さんのケースは、同性間のトラブルといった内容も含まれているようです」(制作会社関係者)
スポンサーも事実を把握せず
国分と仕事をしていた人たちはトラブルの詳細を把握しているのか。長年にわたり、国分を広告に起用していた「ジャパネットたかた」に問い合わせてみると、
「日本テレビおよび事務所より発表された内容以上のことは把握しておりません」
と、トラブルの詳細がわからないまま契約を打ち切るという判断に至ったと回答。その真意を尋ねると、
「詳細な事実がわからない状態ではあるものの、コンプライアンス上の問題行為ということ、活動休止となることから判断いたしました。国分さんは長きにわたり広告・番組にご出演をいただいており、このような判断をしなければならないことは弊社としても大変残念な思いでおります」
とのことだった。
法律事務所Zの溝口矢弁護士は、この謎が多い国分の騒動をどのように見ているのか。
「“プライバシーの保護”とある以上、被害者がいるような問題が発生したものと推察されます。被害者がいるような問題が発生している以上、セクハラやパワハラなどのハラスメント行為があった可能性は否定できません」
続けて、プライバシーの保護を理由に詳細が明かされないことに対し、日テレ側は説明責任は問われないのかを聞いてみた。
国分の芸能界復帰は絶望的
「被害者がいるケースであると仮定した場合、詳細を明らかにすれば被害者にさらなるダメージを与えることにもなりかねません。日テレは、この点を踏まえ、問題ないと判断した範囲で説明を試みたものと思われますが、プライバシー保護を十分に行ったうえで、さらに踏み込んだ説明ができたのであれば、今後、詳細が公になった場合に、説明が不十分だったと言われる可能性も否定できません」
とのことだった。
「確かなことは、今後の国分さんの芸能界復帰は絶望的ということでしょう。現状、無期限の活動休止とされていますが、グループは解散し、所属していた事務所の株式会社TOKIOも廃業となりますからね。事実上の芸能界引退とみるのが自然でしょう」(前出・ワイドショースタッフ)
今回のトラブルから約1年前の2024年7月、とあるトークショーに登壇した国分はTOKIOの魅力の一つに“失敗が許されるグループ”と語り、
《人に失敗したことを知ってもらったほうが、次のステップで0からもう1回すべてを見せられるんじゃないかなと》
など仲間と支え合いながら再挑戦することの大事さを説いていた。
国分の失敗をメンバーは許すのか、それとも─。