
今回のお仕事ハックは「後輩が退職代行サービスで辞めてしまった」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
後輩が退職代行サービスで辞めてしまった
今年の4月、新卒で入った後輩の教育係になりました。早く職場と仕事に慣れてほしいという思いから積極的にご飯に誘ったり、細かく指導をしたり、自分なりに一生懸命教育をしていたつもりです。でもそんな後輩が先日、退職代行サービスで会社を辞めてしまいました。最後に話すこともできなかったので、私の何がいけなかったのだろうと日々悩んでしまいます。今後同じようなことがあったらと思うと怖くて仕方ありません。このショックとどう向き合えばいいのでしょうか。(エンタメ業界/20代)
まずは言わせてください。
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それ、あなたのせいじゃないからーーーーーー!
あなたはやるべきことを充分やった! 自分を責める必要ナシ! 何がいけなかったのだろうと日々悩む必要も全くナシ!
……と言われても納得できないかもしれないので、あなたに原因があると無理やり考えてみましょう。例えばその後輩は会社の人とは必要最低限のコミュニケーションしか取りたくないタイプで、あなたとのやり取りが面倒だったとする。
だとしても、人によってやりやすい接し方に違いがあるのは当たり前で、自分の求めるものと違うからといって相手が悪いということにはならないですよね。
むしろ、親身になって指導してくれた先輩に何も伝えずに辞めるのはどうなのか、と疑問を抱かざるを得ません。
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単純に失礼なだけでなく、相手を傷つけたり心配させたりする可能性が高いことも想像できていない。想像できていたとしても配慮が全く足りていない。
……と、ダメ出しばかりしているのも不毛なので。今後のために、なぜ後輩はそのような行動をとったのか考えてみましょう。
まず、以前この連載でも触れたことがある退職代行ですが。この数年で認知度が高まり利用者が増えている様子。つまり、後輩も深く考えず利用した可能性があります。
先日友達と話していて知ったのですが、昨今の新社会人の中には「辞める時は退職代行を使うもの」と思っている人もいるらしいのです!(ビックリ)
なので、退職代行を使って辞めたことについては深く考えなくてよいかと。「辞めた原因が私だから、言いづらくて退職代行を使ったのでは?」などと考えてしまうかもしれませんが、違うと思います。あなたのように後輩のケアをしっかりやってこうなのだから、面倒見の悪い人が教育係だったらもっと早く辞めていたんじゃないかと。
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そして何が理由で退職したか、ですが。4月に入社してもう退職、というスピードから考えるに、「思っていたのと違った」というパターンの可能性大かなと。違ったのは仕事内容かもしれないし、待遇、社風、人間関係など、いろいろ考えられます。
また、すぐに辞める人と辞めない人がいるのには、耐性の差というのもあります。私は新卒でPR会社に入社し、翌年、新卒の女子2名が入ってきて「初めての後輩!」と喜んだのもつかの間。1人は入社1ヶ月で過呼吸になり退社、もう1人は2ヶ月で入院し退社しました。すぐ怒鳴る社長だったので、たぶんそれが原因です。
何が言いたいのかというと、会社のある部分を社員皆が問題視している場合でも、その中でどうにかして仕事を続けられる人もいれば、耐えられずすぐに辞めてしまう人もいる、ということです。
後輩の辞める理由が全く思い当たらないのは、あなたが簡単に会社を辞めない人だからです。つまり耐性がある!(ほめてます)
そして、「今後同じようなことがあったらと思うと怖くて仕方ありません」と感じるくらい、思いやりがある。
もしまた別の後輩が同じように辞めたとしても、原因があなたである可能性は0.000001%くらい。つまり、ほぼゼロだと私が断言します。
後輩を雑に扱わず、自分のことのように向き合えるあなたは立派です。誰もがそうできるわけではないので自信を持って。必ず後輩に慕われる先輩になりますよ!(もうなっているかも!)
Point.
・退職代行サービスを気軽に使う新卒社員は増えているので、気に病む必要はない ・後輩は入社してすぐ辞めているので、何かが「思っていたのと違った」と感じた可能性が高い ・問題を感じた時にすぐ辞めるかどうかは、その人の耐性による部分も大きい ・後輩のことでこんなに心を痛めるあなたは必ず後輩に慕われる先輩になるので、そのままで大丈夫
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
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