タイのタントスポーツが運営し、三菱自動車が技術支援を行うチーム三菱ラリーアート 三菱自動車は7月1日、同社が技術支援を行うチーム三菱ラリーアートが、AXCRアジアクロスカントリーラリー2025に計3台の『ミツビシ・トライトン』で参戦すると発表し、クルーラインアップなど今季のチーム体制を明らかにした。
タイのタントスポーツが運営するチーム三菱ラリーアートは、2022年からAXCRへの挑戦を開始し、参戦初年度にいきなり総合優勝を達成した。しかし、新型トライトンを投入した2023年は総合3位、逆襲を誓った昨年は同5位に終わり苦汁をなめることに。
そんななか、ダカールラリー2連覇の経験を持つ“レジェンド”増岡浩が引き続き総監督を務めるチームは、2年分の雪辱を果たすべくAXCR2025に向けた体制を固めた。その2025年大会は来月8月8日(金)から16日(日)にかけて、タイ国内で開催される予定だ。近年、AXCRは6日間で約2000kmのステージ設定で競われてきたが、開催30回目を迎える今大会は8日間で約2500kmの設定となり過酷さが増している。
これに対し、東南アジアのチャレンジングな環境で行われるラリーで3年ぶりの勝利を目指すチーム三菱ラリーアートは、昨年大きく進化したトライトンの足回りなどの熟成を図るとともに、エンジンと車体の信頼性や耐久性を向上させたという。
ドライバーとコドライバーは前年からの継続参戦となる3組計6名で、2022年に総合優勝を飾り昨年もエンジントラブルに見舞われるまで首位を走行していたチャヤポン・ヨーターとピーラポン・ソムバットウォン組を筆頭に、田口勝彦/保井隆宏組、小出一登/千葉栄二組が起用された。
なお、ヨータ―と田口がドライブするトライトンが2024年仕様をベースに各所に改良が施されたものであるのに対し、社員ドライバーである小出のマシンは競技用に最適化されたオートマチックトランスミッション車となる。三菱自動車で開発部門のテストドライバーを務める小出は、このクルマで市販車の高性能化の技術検証を実施するとともにチームメイトのサポートを行うこととなる。
6月前半にラリー本番を想定して走り込む高負荷耐久テストを実施した、チーム三菱ラリーアートの増岡総監督は2025年大会に向けて、次のように意気込みを語った。
「今回のアジアクロスカントリーラリーは、新型となった『トライトン』で臨む3度目のラリーになります。ハイスピードコースでの加速性能やテクニカルコースでのハンドリング、泥濘路や川渡りなど極悪路での走破性など、これまでにもあらゆる場面で高いポテンシャルを発揮してきました」
「今回はエンジンの高トルク化と耐久性向上のほか、足回りを中心に熟成を図り、総合優勝を狙えるクルマに仕上げています。メンバーは経験を積み、チームワークも高まり、チームとしての総合力が向上しています。3年ぶりの総合優勝に向けて最高の状態に仕上げていきますので、ご期待下さい」
■チーム三菱ラリーアート AXCR2025参戦体制
総監督:増岡浩(三菱自動車)チーム代表:シャユット・ヤンピシット(タントスポーツ)テクニカルディレクター:コーポン・アマータヤクン(タントスポーツ)テクニカルサポート:相羽規芳(三菱自動車、車体開発担当)築城政隆(三菱自動車、エンジン開発担当)古市哲也(三菱自動車、電子電装開発担当)ドライバー:チャヤポン・ヨーター、田口勝彦、小出一登コドライバー:ピーラポン・ソムバットウォン、保井隆宏、千葉栄二
/ヨーター/ソムバットウォン車田口/保井車/小出/千葉車
全長×全幅/5070mm×1995mm/5070mm×1865mm
ホイールベース/3130mm/同左
トレッド /1730mm/1570mm
エンジン形式/4N16型4気筒 ターボディーゼル/同左
燃料噴射装置/高圧コモンレール/同左
排気量/2439cc/同左
ターボチャージャー/三菱重工エンジン&ターボチャージャ製VGターボチャージャー/同左
最高出力/160kW(217PS)以上/同左
最大トルク/500N・m以上/同左
エキゾーストシステム/HKS製AXCRコンペティションモデル/同左
変速機/6速シーケンシャル トランスミッション/6速オートマチック トランスミッション
4WDシステム/フルタイム4WD/スーパーセレクト4WD-II
その他特長/カーボン製:エンジンフード、フロントフェンダー、 前後ドアパネル、カーゴアウターパネル/カーボン製:エンジンフード、後ドアパネル、カーゴアウターパネル
[オートスポーツweb 2025年07月01日]