「塾なしで慶應・奨学金で海外大」も実現! 子どもの自主性を伸ばす教育法とは?

0

2025年07月01日 17:10  BOOK STAND

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

BOOK STAND

『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』岩田かおり ディスカヴァー・トゥエンティワン
 もうすぐ始まる夏休み。もしお子さんに「夏休みの宿題、どれからやればいい?」と聞かれたら、どう返すのがよいでしょうか? 教育コンサルタントの岩田かおりさんの答えは、「トマトを口にいっぱい入れることじゃん?」。

 これはけっしてふざけているわけではなく、「この人に相談しても解決しない」と子どもに思わせることで、自分で考え、行動するようになることを狙っているのだといいます。親の中には、子どもに相談されると「なんとか解決してあげなければ」と先回りしてコントロールしてしまう人もいます。しかし、それでは自分で考えて行動する力がなかなか身につきません。そこで、こうした家庭教育へのアプローチとして、岩田さんが著書『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』で提唱しているのが、タイトルにもある"戦略的ほったらかし教育"です。

 このメソッドのポイントは、「子どもが自然に学びたくなる家庭環境を親がつくったうえで、子どもを放任する」(同書より)という点。「選択肢を持たせて、意思決定を子どもに任せていく」のが大事なのだといいます。

 同書にはその具体的な方法が満載。たとえば、「特産・名産 都道府県トランプ」や「あそんでまなべる日本地図パズルアプリ」「自作ランチョンマット」などは、岩田さん自身や岩田さんの講座の受講生が実際に取り入れて効果があったものだそうです。ほかにも、子どもが自分で調べたことを発表するプレゼンテーションの機会を作ったり、ミュージアムや工場見学などのフィールドワークに出かけたり、探求心を育むさまざまな方法を提案。家庭の中で子どもの興味関心を自然と引き出す工夫が惜しみなく記されています。

 岩田さんが重視するのは、子育ての環境整備だけではありません。2つめの鍵として挙げているのが「親の自分理解」です。「子育てには、親自身のメンタルや自分軸が色濃く投影されます」(同書より)として、「親の幸せ体質をつくる戦略」についても1章まるまる使って解説されています。

 なお、三人の子どもを育ててきた岩田さんですが、そのうち二人は、国立大学附属小学校を幼児教室に通わずに受験して合格。その後も「学費全額奨学金で海外大学進学」「塾なしで慶應義塾大学合格」「高校での成績オール5」と、三人それぞれが自身の輝く場を見つけているといいます。そんな岩田さん自身が実践してきたのがこの「戦略的ほったらかし教育」だというのですから、その効果は、まさに実証済みと言えるかもしれません。

 「子どもへの手出し、口出しがやめられない」「子どもにどう興味関心を持たせてよいかわからない」などのお悩みを持っている方は、日々の子育てに「戦略的ほったらかし教育」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]



『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』
著者:岩田かおり
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
>>元の記事を見る

    前日のランキングへ

    ニュース設定