昭和43年生まれの男性。65歳まではいくら月収が高くてもカットされる年金はない?

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2025年07月02日 18:30  All About

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老後生活の収入の柱になる「老齢年金」ですが、年金に関することは難しい用語も多く、不安になってしまう人もいるのでは? 年金初心者の疑問に、専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金をもらえない場合の在職老齢年金制度について。※サムネイル画像出典:PIXTA(ピクスタ)
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金をもらえない場合の在職老齢年金制度についてです。

Q:昭和43年生まれの男性です。65歳まではいくら月収が高くてもカットされる年金はないということで正しいですか?

「昭和43年生まれの男性です。在職老齢年金制度について教えてください。私の年代では65歳より前に受け取れる特別支給の老齢厚生年金はそもそもありません。65歳まではいくら月収が高くても、カットされる年金はないとの認識なのですが、それで正しいでしょうか。それとも51万円を超えると年金がカットされるのでしょうか。年金を繰り上げ受給するつもりはありません」(Rさん)

A:ご認識のとおりです。Rさんは60代前半で老齢厚生年金を受給しませんので、いくら月収が高くてもカットされる年金はありません

在職老齢年金とは以下のような制度です。60歳以降、厚生年金に加入して給与収入を得ている人が、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)を受け取る場合、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)と総報酬月額相当額(月額給与など+年間賞与金額÷12カ月)を足した金額が、支給停止基準額51万円(令和7年度)を超えると、老齢厚生年金の報酬比例部分の一部もしくは全額が支給停止されます。

特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間が1年以上ある人で、性別や生年月日に応じた受給開始年齢に達しているなどの受給要件を満たした人が、65歳になる前に、それぞれの受給開始年齢に達した年齢からもらえる年金です。

特別支給の老齢厚生年金をもらえる人は、男性の場合、昭和36年4月1日までに生まれた人、女性の場合、昭和41年4月1日までに生まれた人が対象になります。

相談者(Rさん)は、昭和43年生まれの男性ですので、ご認識されているとおり特別支給の老齢厚生年金はもらえません。

65歳までの在職老齢年金制度は、特別支給の老齢厚生年金をもらっている人や老齢厚生年金を繰り上げ受給した人が対象になります。Rさんは繰り上げをしない、とありますので65歳になるまでは老齢厚生年金を受け取ることがなく、在職老齢年金制度の適用対象にもなりません。つまり、給与がいくら高くても65歳までは年金がカットされることはありません。

なおRさんが65歳になり、老齢厚生年金の支給が始まった後に、厚生年金に加入し給与を得ている場合は、65歳以降の在職老齢年金制度の対象になります。老齢厚生年金をもらうときには、給与額については注意しておきましょう。老齢基礎年金は在職老齢年金の対象外ですので、カットされることはなく、全額受給できます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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