それでも信じたい…綾野剛主演『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』キタニタツヤ主題歌特別映像

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2025年07月03日 18:01  cinemacafe.net

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『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』©2007 福田ますみ/新潮社 ©2025「でっちあげ」製作委員会
現在公開中の映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』より、キタニタツヤによる主題歌「なくしもの」の特別映像が公開された。

本作は、ルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』の映画化。

20年前。日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件。報道をきっかけに、担当教諭は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、停職処分に。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展するが、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けた。

今回公開された映像は、綾野剛演じる“殺人教師”薮下誠一の視点を通して、信じることの難しさ、そしてそれでも誰かを信じたいというかすかな希望が映し出される。

報道と世論に追い詰められ、声を上げても誰にも届かず、気づけば追い詰められていた薮下。それでも、妻・希美(木村文乃)の姿があり、「離婚しようか」と呟く薮下に、希美は「私はあなたの味方だから」と返す。さらに、薮下の依頼を引き受ける弁護士・湯上谷(小林薫)も。

崩壊していく日常の中での耐え難い孤独、そこに差し込む信頼と一筋の光を、主題歌とともに静かに丁寧に映し出す。“大事なものを抱えて歩いてきたのに、気づけば空っぽだった”なくしものを、あなたと見つけられますように”という歌詞が表すように、薮下の置かれた姿と重なっていく。

また、家族との穏やかな時間や、教壇に立ち子どもたちと向き合う姿が回想される一方、社会の怒号とメディアの糾弾が薮下を襲う。映像は、誰か一人の善悪を裁く物語ではなく、立場の数だけ存在するそれぞれの真実のひとつ。失ったものは元に戻らない現実を生きるゆえに、信じ抜く力やもう一度信じてみたいと願う気持ちを浮き彫りにし、観る者の胸にそっと呼び起こしてくれる感動的な内容となっている。

さらに合わせて、児童たちに優しく声をかけながら体育の授業にあたる薮下、リビングで希美と談笑する穏やかなひととき、薮下のために奔走する湯上谷が、病院で関係者に穏やかに語りかける場面写真も公開された。

『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』は全国にて公開中。




(シネマカフェ編集部)

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