地元農家との車座対話に臨む石破茂首相(中央奥)=4日午前、福島県白河市 参院選の公示から一夜明けた4日、与野党は幹部による遊説を本格化させた。与野党ともに「政権選択」を意識し、支持拡大へ訴えを強めた。20日の投開票に向け、物価高対策や米国との関税協議などを巡る舌戦が激しさを増しそうだ。
石破茂首相(自民党総裁)は4日午前、福島県白河市内で地元農家との車座対話に出席。水田政策に関し「まず増産することだ。努力が報われる方策をやっていきたい」と訴えた。街頭演説では国民1人2万〜4万円の現金給付の公約について「バラマキでも何でもない」と強調した。
埼玉県朝霞市で演説した公明党の岡本三成政調会長も現金給付に関し「決して十分ではないが、物価高をしのいでもらいたいという思いだ」と理解を求めた。
これに対し、立憲民主党の辻元清美代表代行は岡山市内で街頭演説し、「コメ不足になったのは自民の農業政策の失敗の証しだ」と批判。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は東京都内の街頭演説で、現金給付について「経済対策ではなく選挙対策だ」と述べ、減税が重要だと力説した。
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は兵庫県芦屋市で街頭演説に臨み、「与党の2万円バラマキは情けない」と酷評。共産、れいわ新選組、参政、社民、日本保守などの各党もそれぞれ選挙運動を活発化させた。

参院選の応援演説をする立憲民主党の辻元清美代表代行=4日午前、岡山市