「助けられなかった」 母が犠牲に、無念の思い今も 九州豪雨5年

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2025年07月04日 18:38  毎日新聞

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毎日新聞

九州豪雨から5年となり、「花おくり」で花を川に流す人たち=熊本県球磨村で2025年7月4日午後0時8分、北山夏帆撮影

 熊本を中心に九州5県で災害関連死を含め死者・行方不明者81人を出した九州豪雨は4日、発生から5年となった。氾濫した球磨川流域などの被災地では、住民らがあの日を振り返り犠牲者を悼んだ。


 熊本県球磨村神瀬(こうのせ)の球磨川支流、川内川では「花おくり」の行事があった。球磨村では特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人を含めて25人が死亡した。参列者らは色とりどりの花を川に流して冥福を祈った。


 自宅で逃げ遅れた母を亡くした川浪美江さん(56)は「あっという間の5年でした。別々に暮らしていて助けてあげられなかった。この思いは何年たっても変わらないと思います」と話した。交通インフラなどの復旧は長期化しており、神瀬地区でも被災後、人口減少が進む。多武和子さん(74)は生前交流のあった犠牲者を思い浮かべ「神瀬の復興を見守ってほしい」と祈った。【中村敦茂】



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