7月4日の午後、X(旧ツイッター)では「日本滅亡」がトレンド入りする事態となっている。
1999年(平11)に刊行された漫画家たつき諒氏の「私が見た未来」(飛鳥新社)の予言がこのほど、話題となっている。同作の表紙に「大災害は2011年3月」と書かれていたことから、東日本大震災を予言したと注目され、そして21年に復刻された「−完全版」には、同氏が元ネタにした自身の夢をまとめた「夢日記」の内容を公開。「本当の大災難は2025年7月にやってくる」などとつづり、その災難発生日が5日とされている。
Xでは「Xデー」とされる7月5日関連の投稿が相次いだ。「日本だか世界だかが滅亡すると噂なのでいつ死んでもいいように、ひつまぶしを食べました。最後の晩餐にはひつまぶしを食べたい」「明日雨予報は消えたけど、32℃予報なのと、日本滅亡する確率が微妙に残っているので在宅したい」「俺ちん、日本滅亡っての見て怖くなった。俺ちん、この世界が好きだから、これからも平和に暮らしてたい。なにも起こらないといいな」「え?何!? 明日、日本滅亡するの!!? てことは、明日は仕事中に滅亡するって事?まだやりたい事があるから勘弁して」「でもまぁ地球が滅亡しようが日本が津波に襲われようが、明日もあたしは仕事だよ」などと書き込まれていた。
海外メディアも「私が見た未来」について伝えている。米CNNは3日、たつき諒氏が作品で示唆している「7月5日の大災害説」について詳報した。英語版の公式サイトに「あるマンガが日本で巨大地震の恐怖を引き起こしている(The manga that’s sparking fears of a megaquake in Japan)」と題して、女性記者による日本からの動画リポートをアップ。たつき氏の21年に出版の著書「私が見た未来 完全版」のページを映しながら、作品内で予知夢の内容として「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。その津波の高さは、東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波です」「その災難が起こるのは、2025年7月です」などの内容を伝えた。
さらに、中国や香港でその説が拡散していることも報道。東日本大震災や津波の映像も使用された。テキスト記事では「日本では毎日地震が発生しているが、7月5日に巨大地震が発生するという予言が霊能者から風水師まで幅広く拡散し、一部の旅行者が不安に駆られ、旅行をキャンセルしている」と伝えた。
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また、一般的に日本が地震が多く、政府が南海トラフの危険性を告知していることも関連づけて報じ、「科学者は地震を予測できないものの、政府は今後20年から30年以内に壊滅的な『巨大地震』、南海トラフ巨大地震が発生し、被害額は10兆ドルに達する可能性があると警告している」と記した。
海外メディアでは、英公共放送BBCも、3日にアップした記事で、鹿児島トカラ列島の地震頻発の記事の中で「この一連の地震は、巨大で致命的な地震が間もなく発生するかもしれないといううわさが、日本全体を不安にさせている中で発生した」と、たつき氏の作品について触れている。
今回、話題が拡散した背景には、たつき氏99年に出版した単行本「私が見た未来」(朝日ソノラマ)で2011年3月の大災害のことが描かれており、これが「東日本大震災を的中させていた」と話題になったこともあるとみられている。「完全版」は中国語版も発行されており、香港では有名な風水師も日本での大地震を予言した。その後、香港からの訪日客が急減するなどの影響が出ている。
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