【巨人】キャベッジ「サイコー!」両親のエールで代打決勝弾「長いトンネルの先には必ず光がある」

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2025年07月04日 22:57  日刊スポーツ

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巨人対広島 8回裏巨人1死、キャベッジは右越えソロ本塁打を放ちベンチ前で雄たけびを上げる(撮影・浅見桂子)

<巨人1−0広島>◇4日◇東京ドーム



強烈な一撃で試合を決めた。巨人トレイ・キャベッジ外野手(28)が両チーム無得点の8回1死から代打で登場し、値千金の今季8号ソロを放った。前カードの阪神3連戦初戦の1日は、代打で右前打を放つも二塁憤死。手痛い暴走で反撃ムードをかき消した。それから3日後、汚名返上の1発で勝利の立役者となった。投げては先発山崎伊織投手(26)が8回3安打無失点、10奪三振の好投でリーグトップタイの8勝目。チームは連敗を3で止め、3位に浮上した。


   ◇   ◇   ◇


本塁を前に、勢いよくダイヤモンドを回ってきたスピードを少し緩めた。天を仰いで神に感謝するキャベッジのおなじみのしぐさ。5月28日の広島戦以来の8号ソロ。お立ち台で「サイコー!」と叫んだのも無理はない。


緊迫の投手戦。0−0で迎えた8回裏だった。出番は熱投を続けていた先発山崎に代わって。「素晴らしい投球を続けていたので、なんとか力になってあげたい」とバットを握る手に力を込めた。広島森下の投じた109球目、内角の直球だった。打った瞬間、その場にたたずむほどの確信弾。起死回生の1発が、右翼席上段まで届いた。


「6月は自分にとってもチームにとってもなかなか苦しい季節だった」。先月上旬まで4番を担っていたが、打撃は徐々に下降線へ。同28日DeNA戦からは4試合連続でスタメンも外れた。6月は19試合で打率1割2分9厘、0本塁打、3打点。さらに今月1日の阪神戦(甲子園)では、大きなミスを犯した。


1点を追う7回先頭に代打で登場。右前打を放つも、一気に二塁を狙いタッチアウトになった。反撃ムードが一瞬で消える“暴走”。「もうちょっと考えるべきだった」と猛省した。開幕戦から2戦連発の鮮烈デビューから3カ月。厳しい立場に追い込まれていた。


「長いトンネルの先には必ず光がある」。海の向こうからのエールが救ってくれた。米国の両親は聖書の言葉を引用し、慰めの言葉をくれた。大振りだったスイングを見直し、「いいボールだけに手を出す」と地道に取り組んできた。


試合前、阪神戦の3連敗に沈むムードに、阿部監督が選手に語りかける言葉を聞いた。「後半戦始まってまだ五分だぞ。全く悲観することはない」。そのゲキは悩める立場だからこそ響いた。「一丸となって、皆が必死になってなんとかしようと思ってやってます。いいきっかけになればいい」。チームにも光をともしてみせた。【阿部健吾】


▽巨人阿部監督(連敗を3でストップ)「嫌な形で阪神に3連敗してしまったんですけど、選手は必死にね、食らいついてくれてます。これを続けてほしい」


▼巨人は8回、代打キャベッジの本塁打で今季4度目の1−0勝利。代打の1−0本塁打は49年6月18日藤本(巨人=9回)07年6月11日矢野(巨人=8回)22年5月22日堂林(広島=6回)23年9月17日大田(DeNA=9回)に次いで5人目となり、外国人打者では初めて。代打本塁打の1−0勝利はプロ野球で5度しかないが、そのうち巨人が3度記録している。

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