マスク着用でも、俳優の目に星が宿っている─原作者・辻村深月が映画『この夏の星を見る』で感動したポイントは?

0

2025年07月05日 12:00  J-WAVE NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

J-WAVE NEWS

写真
公開中の映画『この夏の星を見る』の原作者である辻村深月が、作品に込めた想いや見どころを語った。

この内容をお届けしたのは、7月2日(水)に放送されたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL STAR CATCH RADIO ーこの夏の星を聴くー』(ナビゲーター:suis from ヨルシカ)。コロナ禍に学生生活を過ごした人たちにフォーカスし、「あのときの、みんなの想い」をヨルシカのボーカリスト・suisがラジオで繋ぐ。映画『この夏の星を見る』の公開を記念しておくる、星空ラジオだ。

なお、『J-WAVE SPECIAL STAR CATCH RADIO ーこの夏の星を聴くー』はradikoとのコラボレーションで全国どこからでも聴くことができる。クーポンコードを入力することで、6月16日から8月1日のあいだ、radikoで無料で楽しめる。詳細は番組サイトまで。

青春小説『この夏の星を見る』の実写映画が公開

映画『この夏の星を見る』が7月4日(金)に公開。劇中では、新型コロナウイルスが蔓延した2020年を舞台に、リモートで繋がり合って同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」に挑む全国の中高生の姿が描かれている。映画の主題歌『灯星』は、haruka nakamuraとヨルシカのボーカル・suisによるコラボレーションソングだ。

映画「この夏の星を見る」| 本予告 2025年7月4日(金)公開

今回の特別番組では、映画の魅力に加えて、登場人物たちと同じく学生時代をコロナ禍で過ごしたリスナーたちのメッセージを紹介。さらに、作品にゆかりのあるゲストが登場し、見どころをお届けした。最初に登場したのは、原作の小説『この夏の星を見る』(KADOKAWA)を執筆した直木賞作家・辻村深月。まず、辻村は主題歌を聴いた感想を語る。

haruka nakamura + suis fromヨルシカ 「灯星」 MV(映画『この夏の星を見る』主題歌)

辻村:映画『この夏の星を見る』の主題歌をsuisさんに歌っていただけると聴いて、とても楽しみにしていました。実際に曲を聴いて、サビの部分の「言葉では戻れないよ」という歌声を聴いたときに、胸がいっぱいになりました。作品のなかで大事にしていた“あの日々”のことを、肯定するわけでも否定するわけでもない、丸ごと受け止めてくれる歌詞に、登場人物全員抱きしめてもらったようなうれしい気持ちになりました。本当にありがとうございます。

suis:辻村先生ありがとうございます! 歌っているときはまさに、登場人物たちみんなを思い浮かべて抱きしめるような気持ちでした。続いて、原作小説についても伺いました!

辻村:当初は、現代の青春小説を書こうと思っていて、コロナ禍を登場させるかどうかは決めていませんでした。ただ、連載が始まったのが2021年の夏の少し前で、作中に“マスクのない青春”を描くということが、現実にマスクをつけて学校生活を送っている周りの子たちにあまりにも不誠実な気がして、どうしてもできませんでした。その結果、コロナ禍の青春小説を書くことになりました。

小説の主人公・亜紗は茨城県立砂浦第三高校の2年生で、顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になるなか、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。

辻村:小説の最後のほうで、綿引先生の「彼らの青春に失われたとか奪われたって言葉を使いたくない」という言葉が出てくるんですね。そのひと言が出てきたときに、自分がなぜこの小説を書いたのかがわかった気持ちになりました。
Gu2ticpXgAAGg59.jpg

辻村深月

suis:現実作品を作っているクリエイターさんにとっては、コロナ禍が大きく影響しましたよね。お話を聞いて、辻村先生のものづくりに対する姿勢がすごく誠実で、素敵だなと思いました。

目に“星”がある─マスク着用でも伝わる俳優の思い

辻村は当初、『この夏の星を見る』の映像化は困難だと感じていた。その理由のひとつが、マスク着用での演技だ。

辻村:俳優さんたちにマスクを付けていただかないといけなかったのですが、映画チームのみなさんは「だからこそ挑みがいがある」とおっしゃってくれたんですね。実際に俳優さん、主演の桜田ひよりさんの目のなかには“星”がありましたし、登場人物それぞれにドラマがあって、全員マスクがあっても感情がわかって感動しました。
kononatunohosi20250705.png
続いて辻村は、作品の見どころを紹介した。

辻村:映画を観終えて、最初に私が思ったのは「みんな、とてもかっこいい!」でした。この映画は「スターキャッチコンテスト」という、望遠鏡で星を捕まえる天文部の活動が中心になるんですけども、スターキャッチをしているときの望遠鏡を覗くときのみんなの動き、星を掴まえていく所作がとってもかっこいいので、ぜひ観てほしいです。2020年のあの時期を生きたみなさんも、あの年の自分のことを重ねていただける映画になっていると思うので、多くの方に観てほしいなと思います。物語に登場する星空も、すばらしいです。

suis:「スターキャッチコンテスト」のシーンは本当にかっこいいんですよ。みんなに見せ場があるから、映画のどのキャラクターを推してもそのシーンで大喜びできるので、最高のシーンです。辻村先生、ありがとうございました!

同番組では、主演の桜田ひよりや、haruka nakamuraも同作について語った。
映画『あの夏の星を見る』の詳細は公式サイトまで。

連動企画を多数展開中!

現在J-WAVEでは、映画『この夏の星を見る』との連動企画を多数展開中だ。

一つは、ポッドキャスト『ハラカド天文部』。監督・山元環と脚本家の森野マッシュがホストを務め、映画に関係するゲストはもちろん、宇宙や天文に関係する幅広いゲストを迎えて、全ての映画ファン、宇宙・天文ファンに向けて配信している。主演・桜田ひよりのゲスト回も公開されたばかりだ。



さらに、J-WAVEのオンエアでも、辻村深月が7月7日(月)〜10日(木)放送の『TALK TO NEIGHBORS』(月曜〜木曜13:00〜13:30/ナビゲーター:クリス智子)に登場。作品に込めた想いや創作の背景などを語る。
haruka nakamuraは、7月6日(日)放送の『UR LIFESTYLE COLLEGE』(日曜18:00〜18:54/ナビゲーター:吉岡里帆)にゲストで登場。haruka nakamura+suis from ヨルシカによる主題歌の制作秘話や、楽曲に込めた想いについて語った。
■映画情報
『この夏の星を見る』
7月4日 (金) 全国公開
配給:東映
©2025「この夏の星を見る」製作委員会

番組情報

J-WAVE SPECIAL STAR CATCH RADIO ーこの夏の星を聴くー


2025年7月2日(水)
22:00-24:00




suis from ヨルシカ



オフィシャルサイト

    ランキングエンタメ

    前日のランキングへ

    ニュース設定