「綾瀬はるかに持たせていいの?」女性用玩具シーンにア然!NHKドラマの攻勢と賞賛

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2025年07月05日 20:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

綾瀬はるか

 6月21日に放送がスタートしたNHKのドラマ『ひとりでしにたい』が、何かと話題になっている。

 綾瀬はるかが久々にコメディドラマに出演するということもあって注目されていたのだが、綾瀬が推しのアイドルの配信動画に合わせてダンスをしたり、肌色の全身タイツに葉っぱをつけた“葉っぱ隊”のような姿を披露するなど、これまでのドラマでは見ることがなかった、その体当たりというべき弾けた演技に驚いたファンは多いだろう。

“終活”をコミカルに描いた作品

 しかし、話題の理由はそれだけではない。原作を知らない視聴者は、タイトルからして“社会派のドラマ”と思っていただろうから、コメディと知って面食らったかもしれない。そして、原作に忠実な描写があり、ドラマ自体が「攻めてる」と注目を集めているのだ。

 ドラマの原作は、『モーニング・ツー』(講談社)に連載されたカレー沢薫氏作の漫画『ひとりでしにたい』。主人公が小さいころから憧れていた叔母が、ゴミ屋敷と化した自宅の浴室で亡くなっているのが発見される。身近な存在が無残な姿となって孤独死したことをきっかけに、主人公は自分の“死”を考えるように。

 その時期が迫ったとき、あるいは予期せぬ死が訪れたときのために、何をしておかねばならないか。病気や住宅ローン、投資など、1人で生きていかねばならない状況になった場合、どうしておくべきか。アラフォー女性の“終活”をコミカルに描いた作品として、連載が始まった当時から話題になっており、2021年3月には、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。

 この作品は早くからドラマ化が期待されていたが、その一方、ドラマで果たしてどこまで原作に忠実に描ききれるのか、懸念もされていた。しかし、それは杞憂だった。第1回の放送で、その懸念されていたシーンがいきなり描かれたのだった。

映し出された“衝撃のアイテム”

 主人公・鳴海の叔母が孤独死した後、叔母の弟夫婦、すなわち鳴海の両親が持ち帰ってきた叔母の遺品を引き取るのだが、遺品の中にあるモノを発見する。

 後日、鳴海は職場にその遺品を持参し、同僚の女性に見せながら「これ、何かわかる? 美顔器系だと思うんだけど、ググっても出てこなくて……」と話しかけると、同僚は「あんた、職場に何持ってきてんの!」と驚き、それが何であるかを耳打ちする。鳴海は、「あぁ〜女性用の……」と納得するが、次の瞬間「ギャー、ウワッー!」と叫び、遺品を放り投げてしまうのだった。

 女性用の“大人の玩具”がテレビに映し出されることなど、過去にあっただろうか。しかも、NHKで。ネット上では、

《凄いな、そのまま映ってるよ》

《綾瀬はるかに、あんなモノ持たせていいの?》

《あんなの映されても、子どもにも親にも説明できないよ》

 と、大騒ぎになったのだ。

 そして、NHKに対しては、《最近のNHKは凄い》《また攻めている。NHKのドラマはますます面白くなっている》と、称賛の声が溢れている。

 大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の“性描写”のように、たしかに最近のNHKのドラマは“攻め”の姿勢が目立つが、『ひとりでしにたい』は単に攻めただけのドラマではないようだ。

女性主人公の“変化”

 ドラマに登場したあの“グッズ”、実は“死”や“突然死”を意識始めた人の中には、抱えている人が多い“不安”を象徴するものだ。人間誰しも……とまでは言わないが、知られたくない秘密、あるいは、「今、死んだらちょっとマズイ」と、わずかながらも危機感を抱いてしまう、誰にも知られたくない“モノ”を持っている人はいるだろう。

「元気なうちに、始末しておかないと」と考えてはいるのだが、機会を逃してしまい、そのうち忘れてしまい、どこかにしまいっぱなしに。しかし、予期せぬ“死”を迎えた後に、そんな“モノ”が発見されたら、生前に築き上げた人間像はあっさりと崩れ去り、死後の尊厳までもなくしてしまう可能性もある。このシーンを見て身につまされた視聴者は、きっと少なくないだろう。

 ドラマウォッチャーでもあるベテラン映画記者は、こう語る。

「これもある種の“共感”ですね。これまで、ドラマの女性主人公の多くは、強く、たくましく描かれてきました。例えば、仕事の面でも男性に引けを取らないキャリアウーマンとか。しかし、時代とともに、価値観やライフスタイルは大きく変わっています。仕事より自分の生活を大切にしようと思う人も増えましたし、そんな“何気ない日常”を送っている普通の女性を主人公にしたドラマが、この頃は増えています。

 TBS系の『対岸の家事』やNHKの『しあわせは食べて寝て待て』もそんな作品でした。多くの視聴者が共感できたから、ヒットしたんですね。『ひとりでしにたい』も同様ですが、それに加えて、今私たちが抱えている問題をどのように解決していけばいいのか、そのヒントを得ることができるドラマなのです」

 “終活”と聞けば、辛気臭いと感じ、敬遠する人もいるだろうが、ギャグで味付けされたなら、距離感も近くなるだろう。

『べらぼう』は専門用語などを学んでいく自習型の“学習型ドラマ”だったが、『ひとりでしにたい』は共感型ドラマでもあり、“参考書型社会派コメディ”と言ってもいいのではないか。

 話題作を連発するNHKの“攻勢”は、まだまだ続きそうだ――。

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